『僕のヒーローアカデミア』で圧倒的な存在感を放つヴィラン連合。死柄木弔率いるこの組織は、単なる悪の集団ではありません。荼毘の衝撃的な正体、トガヒミコの切ない最期、そして黒霧に隠された真実――彼らは皆、ヒーロー社会の歪みが生んだ犠牲者でもあります。初期メンバー8名から11万人規模の超常解放戦線へと進化した組織の全貌、各メンバーの個性と過去まで完全網羅!アニメ第7期で描かれる感動の展開を予習するなら今です。ヴィラン側の視点から『ヒロアカ』の深みを再発見しましょう。
ヴィラン連合とは?

『僕のヒーローアカデミア』に登場するヴィラン連合は、単なる「悪の組織」として片付けられない深みを持つ敵対勢力です。ヒーロー社会の破壊を目指す彼らの背景には、個性社会がもたらした歪みや、居場所を失った者たちの叫びが隠されています。
死柄木弔を中心とした敵組織
ヴィラン連合のリーダーは、全身に「手」を纏った不気味な姿の死柄木弔です。本名を志村転弧といい、実はオールマイトの師匠・志村菜奈の孫という衝撃的な正体を持っています。
組織は史上最悪のヴィラン・オール・フォー・ワンを黒幕として、死柄木を後継者に育て上げるために結成されました。初期は死柄木と黒霧を中心とした小規模な集団でしたが、「ヒーロー殺し」ステインの思想に共鳴した荼毘、トガヒミコ、トゥワイスらが加入し、徐々に勢力を拡大していきます。
メンバーに共通するのは、ヒーロー社会に居場所を見出せなかったという過去です。個性による差別、家族からの拒絶、社会からの疎外――彼らは単なる「悪人」ではなく、現行社会の犠牲者という側面も持ち合わせています。死柄木はそんな彼らを受け入れ、「自分らしく生きる場所」として組織を運営していきました。
超常解放戦線への進化の歴史
ヴィラン連合は物語の進行とともに劇的な進化を遂げます。転機となったのが異能解放軍との全面抗争「再臨祭」です。リ・デストロ率いる11万人規模の異能解放軍との死闘の末、死柄木は勝利を収め、両組織は合流して「超常解放戦線」として再編されました。
この組織再編により、ヴィラン連合は単なるテロ組織から、ヒーロー社会そのものを根底から覆す可能性を持つ巨大勢力へと変貌します。「ヴィラン」という名を外し「超常」を名乗ることで、彼らは「個性を誰もが自由に使える世界」という理念を掲げました。
死柄木は最高指導者となり、配下には9人の行動隊長と無数の構成員を擁する組織へと成長。もはやヒーロー側だけでは対処できない脅威となり、物語は全面戦争へと突入していくのです。この組織変遷こそが、ヒロアカ後半の物語を動かす最大のエンジンとなっています。
ヴィラン連合メンバー【初期メンバー】8名の個性・正体・過去

ヴィラン連合の中核を成す初期メンバーたちは、それぞれが深い傷と強烈な動機を抱えています。単なる悪党ではなく、社会から弾かれた者たちの集まり――彼らの物語は、ヒーロー社会の光と影を浮き彫りにします。
死柄木弔
個性:崩壊
死柄木弔はヴィラン連合の最高指導者であり、触れたものを粉々に崩壊させる恐るべき個性の持ち主です。初期は五本の指で触れる必要がありましたが、異能解放軍との戦いを経て覚醒し、接触していない対象まで連鎖的に崩壊させる力を獲得しました。
本名は志村転弧。驚くべきことに、オールマイトの師匠である7代目ワン・フォー・オール継承者・志村菜奈の孫という正体を持ちます。幼少期はヒーローに憧れる普通の少年でしたが、父親の過度な抑圧と個性の暴走により家族全員を殺害してしまうという悲劇に見舞われました。
路頭に迷っていた転弧を拾い上げたのがオール・フォー・ワンです。彼は転弧を「死柄木弔」として育て上げ、ヒーロー社会への憎悪を植え付けました。死柄木の首をかきむしる癖は、家族を失ったトラウマの表れです。
黒霧
個性:ワープゲート
黒霧は黒い靄に包まれた紳士的なヴィランで、ヴィラン連合の参謀役として死柄木を支え続けました。空間を転移させる「ワープゲート」は戦術的価値が極めて高く、USJ襲撃や林間合宿襲撃など、数々の作戦の要となりました。
礼儀正しい口調と冷静な判断力を持つ黒霧ですが、その正体はかつて雄英高校でオールマイトやイレイザーヘッドと共に学んだヒーロー志望の学生・白雲朧でした。彼はヴィラン事件で死亡しましたが、オール・フォー・ワンの協力者である「ドクター」によって脳無として蘇生され、記憶を改竄されて黒霧となったのです。
その真実が明かされたのはヒーロー側の追跡により、黒霧が逮捕された後のことでした。最終決戦では、かつての友人たちの呼びかけにより白雲朧としての記憶が蘇り、死柄木を救おうとするヒーロー側に協力する形で意識を取り戻します。悲劇的な過去を持ちながらも、最後は本来の優しさを取り戻した感動的なキャラクターです。
荼毘
個性:蒼炎
荼毘は通常の炎よりも遥かに高温の青い炎を操るヴィランです。全身に痛々しい火傷の痕とツギハギがあり、冷笑的な態度でヒーローを挑発します。
その正体は、No.1ヒーロー・エンデヴァーの長男である轟燈矢でした。父に認められたい一心で訓練に励んだ燈矢でしたが、優秀な弟・焦凍の誕生により見捨てられたと感じ、絶望の中で訓練中の事故により死亡したとされていました。しかし実際には生き延びており、エンデヴァーへの復讐心を糧にヴィランとして活動していたのです。
荼毘の蒼炎は極めて強力ですが、自身の体を焼き尽くすリスクがあります。それでも彼は父への憎悪を優先し、最終決戦ではエンデヴァーと焦凍の前で正体を明かし、全てを燃やし尽くそうとしました。結末は焦凍によって氷漬けにされ、焼死体同然の状態となりますが、皮肉にも死の間際に父が求めていた氷結の個性も開花していたことが判明します。
トガヒミコ
個性:変身
トガヒミコは八重歯とお団子頭が特徴的な女子高生ヴィランで、他人の血を飲むことでその人物に変身できる個性を持ちます。異能解放軍との戦いで個性が覚醒し、変身した相手の個性までコピーできるようになりました。
本名は渡我被身子。幼少期から血への異常な執着があり、好きな人の血を吸いたいという衝動を抑えきれず、社会から疎外されました。「普通」を強要され続けた結果、家を飛び出しヴィランとなります。
トガにとって血を吸うことは愛情表現であり、デクやお茶子に好意を抱いていました。特にトゥワイスとは深い絆で結ばれており、彼の死は彼女に大きな影響を与えます。
最終決戦では麗日お茶子と激しい戦闘を繰り広げますが、お茶子の真摯な言葉により初めて「理解される」という経験をします。最期は失血死寸前のお茶子を救うために自分の血を分け与え、「普通の女の子」として満足げに微笑みながら死亡しました。彼女の死は、社会に受け入れられなかった者の悲痛な叫びを象徴しています。
トゥワイス
個性:二倍
トゥワイスは黒いラバースーツに身を包んだヴィランで、本名は分倍河原仁といいます。対象を複製する「二倍」という個性は戦略的価値が極めて高く、人間を個性ごとコピーできる能力でした。
彼の特徴的な二重人格的な話し方は、過去のトラウマに起因しています。かつて自分自身を無限に複製しようとした結果、クローン同士の殺し合いが発生。「自分がオリジナルである確証がない」という恐怖から精神が分裂してしまったのです。
しかしヴィラン連合に加わってからは、仲間を何より大切にする心優しい性格を発揮しました。特にトガとは強い絆で結ばれており、彼女を「マイ・ベスト・フレンド」と呼んで守ろうとします。
最終決戦では、スパイだったホークスに情報を漏らしてしまった自責の念に苛まれながらも、仲間を守るために戦います。ホークスとの戦闘で致命傷を負い、荼毘に救出されるも追いついてきたホークスにとどめを刺され、最期はトガの腕の中で消滅しました。彼の死は、ヴィラン側にも深い友情と犠牲の精神があることを示す印象的なシーンとなっています。
Mr.コンプレス
個性:圧縮
Mr.コンプレスはシルクハットと仮面を身につけたマジシャン風のヴィランで、本名は迫圧紘といいます。対象を球体に圧縮する個性は、人間の誘拐から物体の収納まで幅広い用途を持ちます。
林間合宿襲撃では爆豪と常闇をマジックショーのように圧縮して連れ去り、デクたちを翻弄しました。演劇的な物言いと欺瞞を好む性格で、正面からの戦闘は苦手と自認していますが、それでも個性の汎用性は高いものがあります。
実は彼の先祖は「盗賊王」と呼ばれた張間歐児であり、不正義に立ち向かった義賊の血を引いています。最終決戦では、祖先が成し遂げられなかった「世直し」を死柄木に託すという信念を見せました。
拘束された死柄木たちを逃がすため、自らの両腕と両足を圧縮して逃走経路を作る「脱出ショウ」を決行。見事に作戦を成功させますが、その代償として自身は逮捕されました。義賊の末裔としての誇りを最後まで貫いた、ヴィラン連合の中でも特に印象的なキャラクターです。
スピナー
個性:ヤモリ
スピナーは爬虫類のような風貌を持つヴィランで、本名は伊口秀一といいます。壁に張り付くことができる「ヤモリ」という個性は、戦闘面では特に強力とは言えません。
彼の最大の特徴は、「ヒーロー殺し」ステインへの絶対的な忠誠心です。異形型の個性のせいで幼少期から差別といじめを受け、引きこもりとなっていたスピナーは、ステインの思想に救いを見出しました。ステインの服装やマフラーを真似た姿で活動し、彼の意志を継ぐことを誓っています。
「自分では何も成せない」と自覚するスピナーは、だからこそステインが認めたデクには攻撃しないなど、一貫した信念を貫きました。物語後半では死柄木への忠誠も深め、ヴィラン連合の理想のために戦います。
最終決戦後の生死は明確に描かれていませんが、弱者の視点から社会の矛盾に抗い続けた彼の姿は、多くの読者の心に残っています。
マグネ
個性:磁力
マグネは赤い髪とサングラスが特徴のオネエ口調のヴィランで、本名は引石健磁といいます。半径5メートル以内の対象に磁力を発生させ、男性をS極、女性をN極に変質させる個性の持ち主です。
仲間からは「マグ姉」と呼ばれ親しまれていましたが、過去に29件もの殺人を犯した凶悪犯でもあります。セクシャルマイノリティとして一般常識やルールの押し付けを嫌い、自由を求めてヴィラン連合に加わりました。
死穢八斎會との交渉の場で、オーバーホールが「ルールを作るから従え」と発言した際、マグネは激しく反発して攻撃を仕掛けます。しかしオーバーホールの圧倒的な個性の前に為す術なく、一瞬で分解され死に顔すら残さない形で殺害されました。
マグネの死はヴィラン連合初の犠牲者となり、組織に大きな衝撃を与えます。仲間思いで自由を愛した彼女の死は、メンバーたちの結束をより強固なものとしました。
ヴィラン連合メンバーを支える【協力者・黒幕】の正体

ヴィラン連合の背後には、組織を支える強力な協力者たちが存在します。史上最悪のヴィランから義賊的なカリスマまで、彼らの存在がヴィラン連合を巨大な脅威へと押し上げました。
オール・フォー・ワン
個性:オール・フォー・ワン
オール・フォー・ワンは、ヴィラン連合の事実上の黒幕であり、ヒロアカ世界における最大の脅威です。他人の個性を奪い、別の人間に与えることができる「オール・フォー・ワン」という個性は、文字通り神の領域に達した力といえます。
超常黎明期から暗躍し続けた彼は、無数の個性をストックして併用することで圧倒的な戦闘力を誇ります。個性の組み合わせによって新たな技を生み出すこともでき、かつてオールマイトと激闘を繰り広げた際には、全力の戦いでも日本中に甚大な被害をもたらしました。
死柄木弔を後継者として育て上げたのも彼です。幼い転弧を拾い、「死柄木弔」という名を与え、ヒーロー社会への憎悪を植え付けました。しかし最終的には死柄木を「器」として利用しようと目論んでおり、その冷酷さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
オールマイトとの最終決戦で敗北し特殊刑務所「タルタロス」に収監されていましたが、最終決戦前に脱獄。本体は爆豪勝己との戦いで受精卵まで退化して消滅しますが、死柄木の意識の中に現れ身体の主導権を握り続けています。
ドクター(氏子達磨)
個性:摂生
氏子達磨、通称「ドクター」は、ヴィラン連合のマッドサイエンティストです。表向きは蛇腔総合病院の理事長として慈善事業を展開し、好人物を装っていましたが、その裏では脳無の開発やヴィラン連合の結成に深く関与していました。
ドクターの技術力は驚異的で、死亡した人間を脳無として蘇生させる技術を確立。白雲朧を黒霧として改造したのも彼です。さらに死柄木弔の身体改造を行い、彼を「完成形」へと進化させる手術を施しました。
オール・フォー・ワンへの執着は異常なほど強く、彼のためならどんな非道な実験も厭わない狂気を持っています。最終決戦では、ヒーロー側にアジトを制圧され、プレゼント・マイクに殴られて逮捕されました。最後に死柄木の「魔王化」を確信して狂気の笑い声を響かせた姿は、彼の狂気的な本性を象徴しています。
ギガントマキア
個性:耐久、痛覚遮断、巨大化、犬、エネルギー効率、剛筋、土竜
ギガントマキアは「歩く災害」の異名を持つ、オール・フォー・ワンの忠実な配下です。通常でも3メートルの巨体ですが、戦闘時には25メートルまで巨大化し、7つの個性を武器に周囲を焦土と化します。
複数の個性を移植されているため知能は低下していますが、オール・フォー・ワンに対する忠誠心は危ういほど強固です。主人の命令とあれば、何日も眠らず走り続け、山を砕き、都市を破壊します。
最終決戦では甚大な被害をもたらしましたが、雄英生徒たちの連携による麻酔薬投与、ベストジーニストの拘束、そしてエンデヴァーの渾身のパンチによってようやく活動を停止しました。現在はタルタロスの専用牢獄に収監されています。その圧倒的な力は、ヴィラン連合の脅威を象徴する存在でした。
ステイン(赤黒血染)
個性:凝血
ステインは独自の正義を掲げてヒーローを粛清する、カリスマ的なヴィランです。本名は赤黒血染。対象の血を舐めることで相手を拘束する「凝血」という個性を持ちますが、その強さの本質は個性ではなく、鍛え上げられた肉体と戦闘技術にあります。
元々は雄英高校に通うヒーロー志望でしたが、私利私欲のために活動するヒーローたちに失望し、真のヒーローであるオールマイトのみを認める思想を確立しました。プロヒーロー23人を再起不能にした実績を持ち、「ヒーロー殺し」として恐れられています。
ステインの思想は多くのヴィランに影響を与え、荼毘やトガ、スピナーらがヴィラン連合に加わるきっかけとなりました。デクたちに敗北後、タルタロスに収監されていましたが、オール・フォー・ワンの襲撃で脱獄します。
しかし表立った活動はせず、心が折れたオールマイトの前に現れて彼の魂について説き、希望を与えてから姿を消しました。ヴィランでありながらも筋の通った信念を持つ彼の存在は、単純な善悪では語れない深みを物語に与えています。
死穢八斎會
死穢八斎會は、裏社会で根強い影響力を持つヤクザ組織です。非合法薬物の売買を事業としており、オールマイトの引退とオール・フォー・ワンの逮捕をきっかけに、ヴィラン連合への関与を深めていきました。
組織は組長を頂点とし、オーバーホール、そして実動部隊である「八斎衆」によって構成されています。伝統的なヤクザの価値観を重視し、規律と序列を厳格に守る組織でしたが、若頭のオーバーホールは個性社会以前の世界を取り戻すという野心を抱いていました。
ヴィラン連合との交渉では決裂し、マグネを殺害したことで両者は敵対関係となります。最終的にはデクたちヒーローとオーバーホールの戦いにより組織は壊滅し、メンバーの多くが逮捕されました。伝統と新時代の狭間で揺れた組織の末路は、個性社会の複雑さを物語っています。
オーバーホール
個性:分解・再構築
オーバーホール(本名:治崎廻)は死穢八斎會の若頭で、対象を分解・再構築する恐るべき個性の持ち主です。触れた対象を一瞬で粉砕し、また元通りに修復することもできる万能の力は、戦闘でも治療でも絶大な威力を発揮します。
彼の目的は、壊理の個性を利用して「個性破壊弾」を開発し、個性社会以前の世界を取り戻すことでした。そのために幼い壊理を虐待し続け、彼女の身体を分解と再構築で何度も実験台にするという非道な行為を繰り返していました。
潔癖症で冷酷な性格のオーバーホールは、自らの信念のためなら手段を選びません。育ての親である組長すら昏睡状態に陥れ、組織の実権を握りました。
デクとの戦いでは壊理を利用して圧倒的な力を見せつけましたが、最終的には敗北。逮捕後、護送中にヴィラン連合の襲撃を受け、Mr.コンプレスによって両腕を圧縮されて失いました。個性を使えなくなったオーバーホールは、皮肉にも自らが作り出そうとした「個性のない世界」を一人で体験することになったのです。
ヴィラン連合メンバー【異能解放軍】からの追加戦力5名

「再臨祭」と呼ばれる全面抗争を経て、ヴィラン連合は異能解放軍と合流し超常解放戦線へと進化しました。追加された5名のメンバーは、それぞれが社会的地位と強力な個性を持つ実力者たちです。
リ・デストロ(四ツ橋力也)
個性:ストレス
リ・デストロは異能解放軍の最高指導者であり、表向きはデトネラット社の代表取締役を務める四ツ橋力也という顔を持ちます。ストレスを力に変換する「ストレス」という個性は、溜め込むほどに黒色の巨大な筋肉質の身体へと変貌し、圧倒的なパワーを発揮します。
性格は冷酷で残忍ですが、その破壊衝動を完璧にコントロールする理性も併せ持つ野心家です。「個性を誰もが自由に使える世界」という理念を掲げ、11万人規模の組織を築き上げました。
死柄木との「再臨祭」では激しい戦闘を繰り広げますが、覚醒した死柄木の前に敗北。しかし彼は死柄木の器の大きさを認め、自ら配下となって超常解放戦線の最高顧問に就任しました。企業経営者としての手腕を活かし、組織の資金面や社会的影響力の拡大に貢献します。最終決戦後は逮捕され、その野望は潰えました。
トランペット(花畑孔腔)
個性:煽動
トランペットは異能解放軍の幹部で、本名は花畑孔腔。表向きは「心求党」の党首として政治活動を行っており、その地位を利用して異能解放軍の活動を支援していました。
彼の個性「煽動」は、自分の声を聞いた者を扇動し、士気を高める能力です。政治家としての弁舌とこの個性を組み合わせることで、大衆を操る恐るべき力を発揮します。「再臨祭」では人海戦術を指揮し、数の力でヴィラン連合を追い詰めました。
超常解放戦線では行動隊長として、その統率力と戦略眼を活かします。前線で戦う戦士ではなく、後方で戦略を練る参謀タイプですが、その影響力は組織運営に欠かせないものでした。最終決戦後は逮捕され、政治家としての地位も失いました。
外典
個性:氷操
外典は異能解放軍の潜伏解放戦士で、氷を操る個性を持つメンバーです。作中では本名や詳細な個性の説明がなされていない謎の多い人物ですが、四ツ橋から寵愛を受けて育てられたという背景があります。
氷の生成や操作ができる能力は戦闘において有効で、広範囲への攻撃や防御壁の形成など、汎用性の高い戦術を展開できます。性格や思想についても多くは語られていませんが、リ・デストロへの忠誠心は確かなものでした。
超常解放戦線では目立った活躍は描かれていませんが、組織の一員として活動を続けました。最終決戦後は逮捕されたものと推測されますが、その後の詳細は不明です。今後、スピンオフ作品などで掘り下げられる可能性のあるキャラクターといえるでしょう。
スケプティック(近属友保)
個性:人形
スケプティックは異能解放軍の幹部で、本名は近属友保。表向きはIT企業「Feel Good Inc.」の取締役として活動し、その技術力を解放軍のために利用していました。
個性「人形(ヒトガタ)」は、人間サイズの有機物を操り人形として動かす能力です。この個性とIT技術を組み合わせることで、情報操作や監視網の構築など、裏方での活動に長けています。
性格は理知的ですが神経質で完璧主義。計画通りに進まないと焦りを見せる一面があります。トランペットと同じく参謀タイプですが、カリスマ性で扇動するのではなく、具体的な知略と情報戦で組織に貢献するタイプです。
超常解放戦線ではスライディン・ゴーと共に情報工作や隠蔽活動を担当し、ヒーロー側の動きを妨害しました。最終決戦では敗北し逮捕されています。
スライディン・ゴー(常滑達行)
個性:不明(地面滑走能力)
スライディン・ゴーは異能解放軍の潜伏解放戦士で、本名は常滑達行。表向きはフリーランスのプロヒーローとして活動しながら、裏では異能解放軍の隠蔽工作を行う「傭兵」的な存在でした。
個性の詳細は明かされていませんが、地面をホバリングのように滑走して高速移動する能力が確認されています。この機動力を活かして、スパイ活動や証拠隠滅などの裏工作を担当していました。
性格は明朗快活でヒーローらしく振る舞いますが、それは本来の人格ではなく、裏の活動を隠すためのポーカーフェイスです。ヒーローとヴィランの二重生活を完璧にこなす演技力と冷徹さを併せ持っています。
超常解放戦線ではスケプティックの補佐として情報戦を支えました。ヒーロー社会に深く潜入していたスパイとして、その存在はヒーロー側にも大きな衝撃を与えました。最終決戦後は正体が暴かれ、逮捕されています。
ヴィラン連合メンバーに関するよくある質問

ヴィラン連合で一番強いメンバーは誰ですか?
ヴィラン連合で最強なのは、やはりリーダーの死柄木弔です。特に異能解放軍との戦いで覚醒した後の「崩壊」は、接触していない対象まで連鎖的に崩壊させる圧倒的な破壊力を持ちます。さらにドクターによる身体改造とオール・フォー・ワンからの複数個性の譲渡により、最終決戦時の死柄木は文字通り「魔王」と呼ぶにふさわしい力を獲得しました。黒幕のオール・フォー・ワンを含めれば彼が最強ですが、メンバーとしては死柄木が筆頭でしょう。
ヴィラン連合は全部で何人いますか?
ヴィラン連合の初期メンバーは8名(死柄木弔、黒霧、荼毘、トガヒミコ、トゥワイス、Mr.コンプレス、スピナー、マグネ)でした。その後、異能解放軍と合流して超常解放戦線となり、組織規模は約11万人にまで膨れ上がります。中核となる幹部・行動隊長クラスは十数名程度ですが、末端の構成員まで含めると巨大なテロ組織となりました。物語の進行とともに、小規模な犯罪集団から国家を脅かす勢力へと変貌していったのです。
ヴィラン連合と超常解放戦線の違いは何ですか?
ヴィラン連合は死柄木弔を中心とした初期の小規模な敵組織で、メンバーは10名程度でした。対して超常解放戦線は、ヴィラン連合が異能解放軍と合流して再編された組織で、規模は約11万人に拡大しています。最大の違いは組織名から「ヴィラン」が外れたことで、これは「個性を誰もが自由に使える世界」という理念を表しています。死柄木が最高指導者、リ・デストロが最高顧問となり、9人の行動隊長を配した巨大組織へと進化しました。
荼毘の正体はアニメのいつ明かされますか?
荼毘の正体(轟燈矢であること)が明かされるのは、原作では30巻290話です。アニメでは第6期「ヒーロー全面戦争編」の終盤で描かれました。2023年に放送された第6期の第23話「荼毘の舞」で、エンデヴァーの長男であることが衝撃的に明かされます。第7期(2024年〜2025年放送)では、荼毘とエンデヴァー、焦凍との最終決戦が描かれ、轟家の悲劇に決着がつきます。荼毘の過去や動機が深く掘り下げられる重要なエピソードです。
ヴィラン連合メンバー完全解説まとめ

ヴィラン連合は『僕のヒーローアカデミア』において、単なる「悪の組織」の枠を超えた存在です。死柄木弔を中心とした初期メンバー8名から始まり、異能解放軍との合流により11万人規模の超常解放戦線へと進化した彼らの物語は、ヒーロー社会の光と影を浮き彫りにしました。
各メンバーは個性による差別、家族からの拒絶、社会からの疎外といった深い傷を抱えており、その人間性と動機は読者の共感を呼びます。トガヒミコの「普通の女の子」として認められたいという願い、トゥワイスの仲間への献身、荼毘の父への復讐心、そして死柄木の歪んだ正義――彼らは単純な勧善懲悪では語れない複雑さを持っています。
最終決戦では多くのメンバーが命を落とし、生き残った者も法の裁きを受けることとなりました。しかし黒霧が白雲朧として意識を取り戻し、ヒーローになりたいという本来の夢を思い出したように、彼らの物語には救いと希望も描かれています。
アニメ第7期で描かれる最終決戦の行方、そして原作完結後の余韻は、多くのファンの心に深く刻まれることでしょう。ヴィラン連合メンバーたちの物語を振り返ることで、『ヒロアカ』という作品の奥深さをより一層感じられるはずです。
ゼンシーア
