「地上最強の男」と恐れられるS級ヒーロー・キング。しかしその正体は、戦闘力ほぼゼロのゲームオタク――ワンパンマン屈指のギャップキャラです。本記事では、キングがなぜ“最強”と呼ばれるようになったのかという経緯から、怪人協会編以降に見せた変化、筋トレ開始による覚醒・パワーアップの可能性、さらには死亡説や「運の能力」覚醒説まで、最新情報と考察を交えて徹底解説します。キングは本当に強くなるのか、一緒に追いかけていきましょう。
キングとは?

「地上最強の男」と呼ばれ、S級7位に君臨するプロヒーロー・キング。一方で、その正体は戦闘経験ほぼゼロのゲームオタクというギャップだらけのキャラクターです。まずは、そんなキングがなぜ“最強”と勘違いされるようになったのか、そして代名詞である「キングエンジン」や声優情報まで整理していきます。
実は戦闘力ゼロ!サイタマの功績を横取りした経緯
キングはもともと「怪人をワンパンで倒すような超人」ではありません。
彼は災害レベル鬼〜竜級クラスの事件現場に、偶然何度も居合わせてしまった“ただの一般人”。そのたびに、たまたま近くにいたサイタマが怪人をワンパンで倒してくれたことで、周囲は「現場にいつもいるあの男=キングがやった」と勘違いしてしまいます。
その誤解がヒーロー協会にまで伝わり、「数々の怪人を葬った無敗のヒーロー」としてS級にスカウト。本人も否定するタイミングを逃し続けた結果、気づけば“地上最強の男”として担ぎ上げられてしまいました。
実力は喧嘩すらしたことがないレベルで、戦闘力だけを見れば一般人以下。それでも“実績”だけはサイタマ級という、ワンパンマンらしい皮肉の効いた設定になっています。
キングエンジンの正体は恐怖による心臓の鼓動
キングと言えば、怪人たちを震え上がらせる「ドッドッドッドッ…」という重低音――通称「キングエンジン」。
作中では「キングが本気を出す前兆」「この音を聞いて帰った怪人はいない」とまで恐れられていますが、その正体は極度の恐怖で高鳴った心臓の鼓動にすぎません。
怪人やヒーローたちは、キングの強面と「地上最強」という肩書きにビビりきっているため、この心音を「とんでもない気迫」だと誤解。噂が噂を呼び、「謎の必殺技『煉獄無双爆熱波動砲』を持つ」「タツマキ級の実力を隠している」など、根も葉もない設定が勝手に盛られていきます。
この「ハッタリ込みのカリスマ性」こそが、キングの“別種の強さ”と言えるでしょう。
アニメ版のキングの声優は安元洋貴さん!
アニメ版『ワンパンマン』でキングを演じているのは、低く渋い声が魅力の声優・安元洋貴さんです。『鬼灯の冷徹』鬼灯役や『FAIRY TAIL』エルフマン役など、豪快で頼れるキャラを多数演じてきた安元さんの声は、キングの「地上最強感」と「内心ビビりまくり」というギャップを完璧に表現しています。
インタビューでは、「本当は二面性があるわけではなく、一生懸命背伸びして“強い自分”を演じているキャラだからこそ共感できる」とキングの魅力を語っており、その解釈が芝居にも色濃く反映されています。アニメ3期のキャラビジュアルでも、キングは存在感抜群の立ち姿を披露しており、今後の活躍にも期待が高まっています。
キングが強くなろうと決意した理由

「実は戦闘力ゼロ」という真実を抱えたまま、“地上最強の男”として周囲から崇められ続けるキング。当然、その心の負担は限界に近づいていきます。怪人協会編をきっかけに、彼はついに「このままではダメだ」と強くなる決意を固めることになります。
怪人協会編での限界を感じた瞬間
怪人協会編では、S級ヒーローたちが命を懸けて人質救出と怪人殲滅に挑む中、キングは相変わらず「ハッタリと虚像」で場をしのぐしかありませんでした。黄金精子を前にしても何一つ戦えない自分と、命を張って戦う仲間たち。その対比が、キングに強烈なコンプレックスを突き付けます。
また、サイタマからは「強くなればいい」とまっすぐに背中を押されつつ、何も行動できない自分への嫌悪感も積もっていきます。「自分は運と誤解でヒーローになっただけだ」という事実が、怪人協会編の修羅場を通して、より強くキングを追い詰めることになったのです。
アトミック侍との一件で覚悟を固める
アトミック侍とのやり取りも、キングの大きなターニングポイントです。
S級4位の剣士・アトミック侍は、ガロウ編で黒い精子と激突するほどの実力者。その人物に対しても、キングは“最強の男”として振る舞わざるを得ません。ですが、内心は「自分よりはるかに強い本物のヒーローたちと同じテーブルに立っていること」への罪悪感でいっぱいです。
そんな中で、仲間たちが命を懸ける戦場に、自分だけが“何もできないまま立ち尽くしている”という現実を突きつけられ、キングはついに「このままではヒーローを名乗る資格がない」と悟ります。この覚悟が、後の「筋トレしてでも強くなろう」という決意につながっていきます。
自分の弱さを隠し通すことへの疲弊
キングは常に、
「自分は最強だと勘違いされている」
「一度でもボロを出したら全てが崩壊する」
という極限のプレッシャーの中で生きています。
地上最強と讃えられる一方で、実際は怪人を前にすると失禁してしまうほどの小心者。G4に遭遇したときも真っ先に逃げ出し、その後サイタマに正体を見抜かれたことで、ようやく一人だけには弱さを打ち明けることができました。
しかし、世間や他のヒーローには相変わらず“伝説級の強者”として扱われます。
そのギャップを埋めるために嘘を重ね続け、心身ともに追い詰められていったキングは、やがて「このまま誤魔化し続けるか、強くなるか」の二択に行きつきます。
そして彼は、後者――本当に強くなる道を選ぶのです。
キングの筋トレ開始!バングへの弟子入り失敗とサイタマの助言

決意を固めたキングは、「地上最強」の肩書きを“中身のあるもの”に変えるため、ついに行動を起こします。向かった先は、格闘技の達人たちが集う道場。そして、ワンパンマン世界屈指の武術家・バング(シルバーファング)のもとでした。ここから、キングの“筋トレ物語”が静かに動き出します。
シルバーファング(バング)に「強くしてください」と頼むも断られる
キングはまず、S級ヒーローで流水岩砕拳の達人・バングの元を訪れます。目的はただひとつ、「自分の弱さを踏まえたうえで、強くなる方法を教えてもらうこと」。
しかしバングは、キングをすでに完成された超越者だと勘違いしています。
そのため、キングの「強くなりたい」という言葉を「すでに頂点にいる男が、さらに高みを目指そうとしている」と受け取り、「もう十分すぎるほど強いから、これ以上鍛える必要はない」とやんわり断ってしまうのです。
ここでもまた、キングの“虚像”が、本人の成長の足を引っ張ってしまうことになります。
「次元違いの強さ」と誤解され複数の道場をたらい回しに
バングに断られたキングは、紹介を頼りに他の道場も訪ね歩きます。
ところがどこへ行っても、キングが口にした「強くなりたい」という一言は、「次元の違う強者が、さらなる境地を求めて来た」という意味に捻じ曲げられてしまいます。
その結果――
- 師範たちが震え上がり「うちでは教えられることはもうない」と断られる
- 「キングが道場破りに来た」「ヒーロー協会の圧力では?」といった噂が一人歩き
- 真面目に修行を求めているのに、誰一人として正面から向き合ってくれない
こうして、「強くなりたいのに、虚像のせいで鍛えてもらえない」という悲劇が生まれます。
サイタマから「筋トレしろ」と普通すぎるアドバイスを受ける
道場をたらい回しにされたキングは、心が折れかけながらサイタマに相談します。
「もう詰みかもしれない。鍛えてくれる相手もいないし、残された手は何もない」と泣き言を漏らすキングに対し、サイタマが返したのはあまりにもシンプルな一言でした。
「筋トレしろ」
地獄のような3年間のトレーニングでリミッターを外し、無敵の力を手に入れたサイタマだからこそ、この言葉には重みがあります。一方で、読者視点から見ると「結局そこかよ!」という王道ギャグでもあり、ワンパンマンらしい笑いと熱さが同居した名シーンになっています。
原作ONE版130撃目で自宅で腕立て伏せに取り組む姿が描かれる
サイタマのアドバイスを受けたキングは、原作ONE版130撃目でついに実際の行動に移ります。物語本編ではしばらく消息不明のように見えますが、その裏では自宅マンションで必死に腕立て伏せに励んでいる姿が描かれているのです。
- キングの筋トレ描写から読み取れること
- 「地上最強の男」が、一般人レベルの基礎トレーニングからスタートしている
- それでもやろうとしている時点で、彼のメンタルは以前よりも確実に前進している
このワンシーンは、“キングが本気で変わろうとしている”ことを象徴する重要なカットとして、多くのファンに語り継がれています。
キングは本当に強くなるのか?覚醒・パワーアップの可能性を考察

ここからは、原作・リメイク版・周辺情報を踏まえつつ、「キングが本当に強くなる未来はあるのか?」というファン最大の関心に切り込んでいきます。筋トレによるリミッター解除説、ゾンビマンとの対比、そして“運”の能力覚醒説まで、現在出ている材料を整理しながら考察していきましょう。
サイタマと同じ筋トレでリミッターは外れるのか?
サイタマの強さの源は、作中でもおなじみの「1日100回×3種の筋トレ+10kmランニング×3年間」という狂気のメニュー。理屈はともかく、常人離れしたトレーニングの末に「リミッター」が外れたとされています。
一方キングは、現状ではまだ「腕立て伏せを頑張り始めた段階」。
同じメニューをこなせばリミッターが外れる可能性もゼロではありませんが、作品全体のバランスを考えると、サイタマと同じ方向のインフレが起きる可能性は低いと見るのが妥当です。
とはいえ、「筋トレを始めたこと自体が大きな一歩」であることは間違いありません。
キングがほんの少しでも戦えるようになれば、ハッタリと虚像に頼ってきたこれまでの在り方から、一歩ずつ“本物のヒーロー”へ近づいていく物語が描けるからです。
ゾンビマンとの対比から見る覚醒の難易度
リミッター解除の文脈でよく引き合いに出されるのが、不死身のS級ヒーロー・ゾンビマンです。彼は鬼級怪人を何体も相手にする戦闘力を持ちながら、それでもさらに上を目指すべく、死線をさまようレベルの過酷な実験・修行を受けているとされています。
- ゾンビマン:命を削る実験でリミッター解除を目指す
- キング:自宅で腕立て伏せからスタート
この極端な差を踏まえると、「筋トレだけでリミッターが外れてしまったら、ゾンビマンがさすがに不憫」という意見も多く、公式側もむやみにキングを戦闘面でインフレさせることはしないだろうと考えられています。
その一方で、「戦闘力ではなく、別の形で覚醒する」という可能性は十分に残されています。
最強の運を持つキングならではの成長の可能性
キングの真骨頂は何よりも“運とハッタリ”です。
怪人が勝手にビビって撤退したり、周囲の誤解と噂だけで戦況が有利に傾いたり――彼の存在はすでに「戦わずして戦争を終結させる力」に近づきつつあります。
考察勢の間では、
- 「幸運」や「確率操作」が能力として覚醒する
- キングエンジンが、単なる心音から“何かしらのエネルギー”に変質する
- ゲームで鍛えた“戦略眼”が、実戦の采配や作戦立案にフル活用される
といった“非肉体的な覚醒”の可能性が語られています。
もしキングが覚醒するとすれば、それは筋肉ムキムキのバトルマシーンになるのではなく、
「そこにいるだけで怪人側の戦意を削ぎ、味方の士気を上げる存在」としての進化ではないか――そんな未来像は、ワンパンマンらしい皮肉とギャグを兼ね備えた展開として、非常にあり得そうです。
強くなるより「運」の能力が開花する説
最新話周辺の描写では、「神」と呼ばれる存在との関わりや、宇宙規模の脅威に対するキングの立ち位置についても、わずかに匂わせるような描写が見られます。ここから、
- 「人類最弱にして最強扱いの男」が、世界の命運を左右するキーマンになる
- 彼の“死亡フラグ”が発動しかけた瞬間、サイタマの時間逆行で世界そのものが巻き戻る
といった構図が浮かび上がっており、「運命に守られている男」としてのキング像が強まっています。
この流れを踏まえると、
- 戦闘力:あくまで一般人+αレベルのまま
- 運とカリスマ:物語が進むほど、どんどん規模が大きくなっていく
という方向性がもっとも自然です。
つまり「キングは戦闘面で最強にはならないが、“世界を左右する一般人”という意味で別ベクトルの最強に近づいていく」というのが、現時点での有力な解釈と言えるでしょう。
キングに関するよくある質問

ここでは、「ワンパンマン キング 強くなる」で検索したファンが気になりがちなポイントをQ&A形式で整理していきます。ネタバレを含む部分はありますが、できるだけ分かりやすく現在の結論と今後の展望をまとめました。
キングが筋トレで強くなる可能性は何%ですか?
現時点の描写だけを見るなら、「筋トレでサイタマ級に強くなる可能性はかなり低い」と考えるのが妥当です。
原作ONE版130撃目で腕立て伏せに励んでいるシーンは、あくまで“覚悟と成長の象徴”としての意味合いが強く、戦闘面のインフレを示す決定的な伏線とは言い切れません。
一方で、「一般人レベルから、一応は戦える程度にまで強くなる」可能性は十分あり得ます。
虚像だけで戦場に立つのではなく、自分の身体と努力で得た力を少しでも上乗せできれば、それだけでキングにとっては大きな前進だからです。
サイタマのようにハゲても強くなれますか?
ファンの間では「キングもサイタマ式トレーニングを続けたらハゲて最強になるのでは?」というネタがよく語られますが、作中では“ハゲ=強さの象徴”というギャグ演出に近く、科学的根拠はもちろんありません。
サイタマのリミッター解除は、「三年間、一日も休まず狂気のように鍛え続けた」という異常な継続力と、“ヒーローになりたい”という強烈な動機が合わさった結果。キングが同じ道を辿るには、精神面も含め相当ハードルが高いと言えます。
キングの死亡フラグは本当にありますか?
キングの死亡説は、主に以下の要素から生まれています。
- 原作ONE版130話以降、しばらく出番が無くなったこと
- ガロウ編終盤で、多くのヒーローが宇宙線で死亡した世界線が描かれ、その中にキングも含まれていたこと
- 「もう詰みかも」と嘆くキングのセリフが、読者に“死亡フラグ”っぽく見えたこと
ただし、ガロウの暴走によって一度死んだ世界線は、サイタマの時間逆行によって“なかったこと”になっているため、正史のキングは現時点で生存しています。
むしろ「キングが死ぬような世界は、ワンパンマンの世界が壊れる合図」として演出されている節もあり、物語上、そう簡単には退場しない重要キャラだと考えられます。
キングは強くなるのか?まとめ

キングがこれから「強くなる」のかどうか――その答えは、現時点では「肉体的には未知数だが、精神的・社会的にはすでに強くなり始めている」と言えるでしょう。
彼は怪人協会編を経て、自分の弱さを直視し、バングや他の道場に頭を下げてまで強くなろうとしました。
たらい回しにされても諦めず、最終的にはサイタマの「筋トレしろ」というアドバイスを受け入れ、実際に腕立て伏せを始めています。戦闘力こそゼロに等しいものの、「運」と「カリスマ」と「ハッタリ」が合わさることで、戦わずに戦況を変える唯一無二の存在になりつつあります。
筋トレでムキムキのバトルキャラになるのか、それとも“運命に愛された一般人”として別ベクトルの最強に到達するのか――。
どんな未来が待っていても、キングというキャラクターの物語がこれからもっと面白くなることだけは間違いありません。
ゼンシーア
