『僕のヒーローアカデミア』のエンデヴァーは、長年No.2ヒーローとして君臨しながらも、オールマイトを超えるという野望のために家族を犠牲にした過去を持つ複雑なキャラクターです。個性婚で生まれた子どもたちへの虐待、長男・燈矢の死、そして荼毘として復讐に燃える息子との対峙—これらの苦しみから、多くのファンが「エンデヴァーかわいそう」と感じています。過去の加害者でありながら、現在は贖罪の道を歩む彼の姿は、人間の弱さと成長を描いた感動的な物語です。2025年10月から放送されるアニメFINAL SEASONでは、轟家の完結が描かれます。本記事では、エンデヴァーが「かわいそう」と言われる7つの理由と、彼の変化・成長の軌跡を徹底解説します。
エンデヴァーがかわいそうな7つの理由
『僕のヒーローアカデミア』のエンデヴァーは、長年No.2ヒーローとして活躍してきた実力者です。しかし、オールマイトを超えるという野望のために家族を犠牲にし、その結果として想像を絶する苦しみを背負うことになりました。過去の加害者でありながら、現在は贖罪の道を歩む彼の姿に、多くのファンが「かわいそう」という複雑な感情を抱いています。
2025年10月から放送されるアニメFINAL SEASONでは、エンデヴァーと轟家の物語がついに完結を迎えます。ここでは、なぜエンデヴァーが「かわいそう」と言われるのか、その7つの理由を詳しく見ていきましょう。
かわいそうな理由①個性婚で家族を犠牲にした過去
エンデヴァーの悲劇の始まりは、「個性婚」という選択にありました。20歳でNo.2ヒーローの座についた彼は、どれだけ努力してもオールマイトという絶対的な壁を超えられない現実に直面します。そこで考えついたのが、自分の夢を子どもに託すという歪んだ計画でした。
炎の個性「ヘルフレイム」を持つエンデヴァーには、「体に熱がこもり続ける」という致命的な弱点がありました。この弱点を克服するため、彼は強力な氷の個性を持つ女性・冷の家族を金と権力で説得し、個性婚を迫ります。エンデヴァーが家族を持った最大の理由は「オールマイトを超えるため」であり、家庭内でもそれ以外のことには目もくれませんでした。
長男・燈矢、長女・冬美、次男・夏雄と子どもが生まれましたが、エンデヴァーが望む炎と氷のハイブリッド個性は現れません。そして四人目に生まれた三男・焦凍が、ついに「半冷半燃」という理想の個性を持って生まれたのです。エンデヴァーは焦凍を「最高傑作」と呼び、他の兄姉から隔離して幼少期から常軌を逸した英才教育を施しました。
この歪んだ家族関係は、エンデヴァー自身にも重くのしかかります。愛ではなく野望のために作った家族は、次第に彼を憎むようになりました。自分で選んだ道とはいえ、家族全員から疎まれる孤独は、想像を絶するものだったでしょう。
かわいそうな理由②長男・燈矢を死なせた罪悪感
エンデヴァーの最も深い傷は、長男・燈矢との関係にあります。燈矢はエンデヴァー以上の火力を持つ天才児でした。しかし、体質が母親の冷に似てしまい、自分の炎で自分を焼いてしまうという致命的な欠陥を抱えていたのです。
当初、エンデヴァーは燈矢に愛情を持って訓練をしていました。燈矢も父親に憧れを抱き、「必殺技を教えて」と積極的に訓練を求めるほど前向きでした。しかし、4歳のとき訓練中に火傷を負ったことで、エンデヴァーは燈矢の訓練を中止します。医師から「このまま個性を使い続ければ命に関わる」と告げられたためです。
ところが、焦凍が生まれたことで状況は一変しました。エンデヴァーの関心は完全に焦凍に移り、燈矢は「失敗作」として放置されます。父親に認められたい一心で個性を使い続けた燈矢は、13歳のとき瀬古杜岳の山で個性が暴走し、大火事を引き起こしました。駆けつけたエンデヴァーが見たのは、遺体すら残らないほどの炎の跡だけでした。
「燈矢は死んだ」—その事実は、エンデヴァーに消えない罪悪感を植え付けました。自分の野望のために息子を追い詰め、結果として死なせてしまった。この罪は、No.1ヒーローになってもなお、彼の心を苛み続けることになります。
かわいそうな理由③焦凍から憎まれ続けた日々
「最高傑作」として生まれた焦凍に対するエンデヴァーの教育は、虐待と呼べるレベルのものでした。まだ幼い焦凍を他の兄姉から完全に隔離し、吐くまで訓練を強要する日々。焦凍が苦しむ様子を見て訓練を止めようとした母・冷にも手を上げ、ついには彼女を精神的に追い詰めて病院に入院させてしまいます。
その結果、焦凍はエンデヴァーを深く憎むようになりました。体育祭での緑谷との戦いで、焦凍は「俺はあんたの傀儡じゃない」と叫びます。エンデヴァーにとって、自分の夢を託した息子から全否定されることは、想像以上の痛手だったはずです。
No.1ヒーローになった後、エンデヴァーは焦凍との関係を修復しようと不器用な努力を始めます。しかし、焦凍からのLINEは既読スルーされ続け、事務所のメンバーからは「ショート患い」と不安視される始末。家族と向き合おうとファンサービスを試みたり、冷の好きな花を病院に送ったりしますが、長年の溝は簡単には埋まりません。
愛する息子に憎まれ続ける日々は、エンデヴァーにとって最も辛い罰だったでしょう。しかも、それが全て自分の行いの結果であることを、彼自身が誰よりも理解していたのです。
かわいそうな理由④荼毘の正体が燈矢だった衝撃
超常解放戦線との全面戦争の最中、エンデヴァーは人生最大の衝撃を受けます。ヴィラン連合の幹部・荼毘が、死んだはずの長男・燈矢だったという事実が明らかになったのです。
荼毘は全国のテレビをジャックし、エンデヴァーの過去を暴露しました。個性婚で家族を作り、子どもたちを失敗作扱いし、妻を精神的に追い詰めた事実。そしてNo.1ヒーローの息子がヴィランになったという衝撃的な真実は、日本中を震撼させました。
エンデヴァーにとって、燈矢が生きていたことは希望であると同時に、最悪の形での再会でした。3年間眠り続けた後、瀬古杜岳に戻った燈矢が見たのは、自分抜きで成立している轟家の姿。エンデヴァーは焦凍の訓練に夢中で、誰も燈矢のことを見ていなかったのです。「自分は本当に失敗作だったのだ」と悟った燈矢は、その日から「荼毘」として生きることを決めました。
死んだと思っていた息子が、自分への復讐のためにヴィランになっていた。しかもそれは、全て自分の行いが原因だった。この事実は、エンデヴァーを完全に打ちのめしました。記者会見で涙を流しながら謝罪する彼の姿は、かつての傲慢なNo.2ヒーローとは別人のようでした。
かわいそうな理由⑤世間からの激しいバッシング
荼毘の告発により、エンデヴァーは一夜にしてヒーロー社会の象徴から「諸悪の根源」へと転落しました。ヴィランからも市民からも「おまえが悪い」と元凶扱いされ、心無い言葉を投げつけられる日々が始まります。
ベストジーニスト、ホークスとともに挑んだ記者会見では、荼毘の告発を認め謝罪しました。「みんなで俺を見ていてくれ」と毅然と宣言しますが、世論の敵対視は収まりません。街を蹂躙するヴィランを倒しても、市民からは感謝ではなく非難の声が返ってきます。
最終章では、デクとチームアップしてヴィランと戦い続けますが、戦えば戦うほど悪役のような扱いを受けてしまいます。ヒーローとして命をかけて戦っているのに、世間からは憎しみの目を向けられる。この理不尽な状況は、見ている読者の心を痛めました。
しかし、エンデヴァーは逃げませんでした。全ての批判を受け止め、それでもヒーローとして戦い続ける姿は、ある意味で最もヒーローらしい姿だったのかもしれません。償いとは、このように辛く厳しいものなのだと、彼の背中が語っています。
かわいそうな理由⑥荼毘との最終決戦での悲痛な叫び
最終決戦で、エンデヴァーはオール・フォー・ワンと死闘を繰り広げます。何度も技を叩き込み追い詰めますが、「巻き戻しの薬」で全盛期の身体を取り戻したオール・フォー・ワンに右脇腹を抉られ、右腕を失う重傷を負います。それでも、失われた右腕を炎で形作った義腕「バニシングジェットバーン」で反撃し続けました。
満身創痍の状態で現れたのが、荼毘でした。焦凍との戦いで一度は敗北したものの、黒霧のワープゲートで群訝山荘跡へ転送されてきた燈矢は、身体の限界を超えた火力でエンデヴァーに襲いかかります。「お前の大切なものを全て焼き尽くす」という復讐の炎は、死をも恐れぬ勢いでした。
エンデヴァーは、燃え広がる荼毘の炎から他のヒーローを守るために戦います。全身を焼かれ、意識すら朦朧としながらも、幼い燈矢の面影を見たエンデヴァーは、二人だけで爆死することを決意しました。これ以上、誰も巻き込まない。せめて自分の罪は自分で終わらせようとしたのです。
爆発寸前のところで駆けつけたのは、轟家の家族全員でした。冷、冬美、夏雄の冷却、そして焦凍の「大氷海嘯」によって、辛くも爆発を免れます。奇跡的に家族全員が揃った場で、エンデヴァーはようやく家族に向けて謝罪を口にしました。
「燈矢…!悪かった…」「瀬古杜岳 行かなくて……ごめんな…!!」という悲痛な叫びは、10年以上抱え続けてきた罪悪感と後悔の全てが込められていました。初めて家族全員に囲まれながら、燈矢は譫言のように家族への想いをぶつけます。「…大嫌いだ…お父さんなんか… 家族なんか…!」という言葉は、燈矢の深い傷と同時に、決して消えない家族への愛情を示していました。
かわいそうな理由⑦失った身体と背負った傷
最終決戦後のエンデヴァーの姿は、凄惨なものでした。全身に重度の熱傷、右腕の欠損、さらに戦闘中の無理が祟って肺を一つ失い、車椅子生活を余儀なくされます。かつて炎をまとい、空を駆けていたNo.1ヒーローの面影はもうありません。
最終決戦の前から、エンデヴァーはケジメとしてヒーロー引退を決めていました。冷に車椅子を押されながら、巨大な生命維持装置に繋がれた燈矢と面会する姿は、多くのファンの涙を誘いました。「おまえの炎は誰よりも強かった」と称賛しますが、燈矢には「事が済んでから諂うなよ…卑怯者…」と一蹴されます。
それでもエンデヴァーは言葉をかけることを諦めませんでした。「これから───…毎日来る。話をしよう。あまりに遅すぎたけれど話そう」という約束は、彼が残りの人生をかけて償い続ける決意の表れです。
身体的な傷だけでなく、ヒーローとしてのキャリア、社会的地位、そして何よりも家族との時間—全てを失ったエンデヴァー。しかし、それは彼が自ら選んだ罰でもありました。子供達に降りかかる火の粉をできる限り己が受けること、そして燈矢から誘われた「地獄でのダンス」に応じること。これが、エンデヴァーが残りの人生をかけて歩む贖罪の道なのです。
オールマイトを超えるという夢のために全てを犠牲にし、結果として全てを失った男。しかし、失ってようやく本当に大切なものに気づき、それを取り戻すために残りの人生を捧げる。エンデヴァーの物語は、不完全な人間の贖罪と成長の物語として、多くのファンの心に深く刻まれています。
エンデヴァーの変化と成長の軌跡

過去の過ちによって多くの苦しみを背負ったエンデヴァーですが、彼の物語は単なる悲劇では終わりません。No.1ヒーローになってから、彼は少しずつ変化し、成長していきました。オールマイトとは違う形のヒーロー像を模索し、家族と不器用ながらも向き合い、周囲の人々から認められていく姿は、人間の贖罪と成長の可能性を示しています。
完璧ではないからこそ人間らしい、そんなヒーローの姿が、FINAL SEASONでどのように描かれるのか。エンデヴァーの変化と成長の軌跡を見ていきましょう。
オールマイトとは違う形のNo.1ヒーロー像
オールマイトが引退してNo.1ヒーローとなったエンデヴァーは、当初「繰り上がりのNo.1」と揶揄されました。支持率はホークス以下で、ファンサービスをせず媚びない姿勢は、多くの市民にとって冷たく映りました。しかし、エンデヴァーは自分なりのヒーロー像を確立していくことになります。
ヒーロービルボードチャートの発表会で、エンデヴァーは「みんなで俺を見ていてくれ」と宣言しました。この言葉には、オールマイトのように「私が来た」と言って全てを解決するのではなく、自分の弱さを認めつつも戦い続ける姿を見せることで、人々に希望を与えるという新しいヒーロー像が示されています。
オールマイトに「平和の象徴とはなんだ?」と問いかけたエンデヴァーは、その答えを自分なりに見つけようとしていました。完璧な超人ではなく、弱さを抱えながらも立ち続ける人間としてのヒーロー。家族に過ちを犯し、世間からバッシングを受けながらも、それでも戦い続ける姿は、ある意味でオールマイト以上に人々の心に響くものがありました。
ハイエンド戦では、満身創痍になりながらも「PLUS ULTRAプロミネンスバーン」を放ち、勝利を収めます。その姿を見た市民たちは、不完全ながらも必死に戦うエンデヴァーに希望を見出しました。エンデヴァーは、「完璧なヒーロー」ではなく「人間らしいヒーロー」として、新しい時代のヒーロー像を切り開いていったのです。
不器用ながらも家族と向き合った誠実さ
No.1ヒーローになってから、エンデヴァーは家族との関係修復に向けて不器用な努力を始めます。過去を変えることはできないが、未来は変えられる。その信念のもと、彼は家族に謝罪し、償い続ける姿勢を貫きました。
焦凍に対しては、「おまえが胸を張れるヒーローになろう」と心に誓います。しかし、焦凍からのLINEは既読スルーされ続け、事務所のメンバーからは「ショート患い」と心配される始末。それでもエンデヴァーは諦めず、焦凍の成長を見守り続けました。雄英の体育祭で焦凍が炎の個性を使ったときには、嬉しさのあまり興奮して叫ぶ親バカな一面も見せています。
妻の冷とは面会を拒まれていましたが、エンデヴァーは冷が好きだと言っていた花を病院に送り続けました。この小さな行動は、彼なりの誠意の表現でした。冷も、本心が見えないエンデヴァーに恐怖を感じつつも、家族に向き合おうとしている気持ちを少しずつ感じ始めていました。
荼毘の告発後、病室で家族会議が開かれたとき、エンデヴァーは「燈矢とは戦えない」と弱気になります。しかし、冷は「それを言うなら私も」と、罪を共有する姿勢を見せました。焦凍も号泣するエンデヴァーに手を差し伸べ、「義務感で来たんじゃねぇから!」と家族として支える決意を示します。
家族と向き合うことは、エンデヴァーにとって最も辛い償いでした。しかし、彼は逃げませんでした。不器用ながらも誠実に向き合い続けた結果、家族との関係は少しずつ改善していったのです。ぎこちないながらも、やっと家族として歩み始めた轟家の姿は、多くのファンに感動を与えました。
ホークスが認めたエンデヴァーの努力
エンデヴァーの変化と成長を最も深く理解していたのが、No.2ヒーローのホークスでした。ホークスにとってエンデヴァーは、単なる仕事上のパートナー以上の存在だったのです。
ホークスの幼少期は壮絶なものでした。虐待する父親と貧しい生活の中で、彼を支えたのは「ヒーロー」という存在でした。そして、その父親を捕まえたのが他でもないエンデヴァーだったのです。エンデヴァー人形を満面の笑みで抱きしめる幼少期のホークスの姿は、彼がどれだけエンデヴァーに救われたかを物語っています。
ホークスはエンデヴァーを「ただひとりオールマイトを超えようと不器用に努力してきた」と評価しました。多くのヒーローがオールマイトを別次元の存在として諦めた中で、エンデヴァーだけは挑み続けた。その姿勢を、ホークスは深く尊敬していたのです。
ハイエンド戦では、ホークスとエンデヴァーの連携が光りました。ホークスは最速で市民を救助し、エンデヴァーが戦闘に集中できる環境を整えます。「エンデヴァーがいたからこそ勝てた」という評価は、決してお世辞ではありませんでした。ホークスもまた、「ホークスがいなかったら勝てなかった」とエンデヴァーに思わせるほどの活躍を見せ、二人は最高のコンビとなりました。
ビルボードチャートの発表会では、ホークスは会場を煽りに煽ってエンデヴァーにマイクを渡します。試すような視線を送りながらも、エンデヴァーが100点満点の返しをしてくれたことを心から喜びました。「安心しました。かっこよかったですよ」という言葉には、ホークスのエンデヴァーに対する深い信頼が込められています。
ホークスは、エンデヴァーが「平和の象徴」になれる資質を持っていると信じていました。パワーのない自分には、市民に何よりも大切な「安心感」を与えることができない。しかし、エンデヴァーなら、その役割をこなせる。そう確信していたホークスは、エンデヴァーを盛り立てるために尽力しました。
荼毘の告発でエンデヴァーの過去が明らかになっても、ホークスの態度は変わりませんでした。虐待親父だったが、ヒーローとしては本物。その事実を、ホークスは受け入れました。「まず俺の原点から… エンデヴァーさんが困ってる」という言葉は、ホークスにとってエンデヴァーがどれだけ大きな存在だったかを示しています。
エンデヴァーの努力と成長を、誰よりも近くで見守り、支え続けたホークス。二人の関係性は、単なるヒーロー同士の連携を超えた、深い信頼と尊敬で結ばれていました。そして、そのホークスに認められたという事実は、エンデヴァーにとって大きな救いとなったはずです。
エンデヴァーは完璧なヒーローではありません。過ちを犯し、多くの人を傷つけました。しかし、そこから立ち上がり、変化し、成長しようとする姿勢は、決して否定されるべきものではありません。不完全だからこそ人間らしく、だからこそ共感できる。エンデヴァーの物語は、そんな人間の可能性を示す物語なのです。
エンデヴァーに関するよくある質問

エンデヴァーと轟家の物語については、多くのファンが疑問を抱いています。ここでは、特によくある質問に対して、原作の情報をもとに回答していきます。2025年10月から放送されるFINAL SEASONでこれらのシーンが描かれることを楽しみに待ちましょう。
エンデヴァーは最後死亡するの?
エンデヴァーは原作最終回(42巻)でも生存しています。最終決戦で右腕の欠損、全身の重度熱傷、肺を一つ失うという重傷を負い、車椅子生活を余儀なくされましたが、死亡はしていません。
ヒーローとしては引退しましたが、これは最終決戦の前から視野に入れていたケジメでもありました。「おまえの炎は誰よりも強かった」と燈矢に伝え、「これから───…毎日来る。話をしよう。あまりに遅すぎたけれど話そう」と約束します。
エンデヴァーは残りの人生を、償いと謝罪に捧げることを決めました。子供達に降りかかる火の粉をできる限り己が受けること、そして燈矢から誘われた「地獄でのダンス」に応じることが、彼の選んだ道です。妻の冷に車椅子を押されながら、毎日燈矢のもとを訪れる姿は、多くのファンの心を打ちました。
荼毘(燈矢)は最終回でどうなった?
荼毘こと轟燈矢は、最終決戦で焦凍の「大氷海嘯」によって冷却され、生命維持装置に繋がれた状態で生存しています。全身の大部分が炭化し、巨大な医療機器で拘束された異様な姿となりましたが、奇跡的に一命を取り留めました。
焦凍との戦いでは、身体の限界を超えた火力で攻撃を繰り出し続けました。「赫灼熱拳」を放ち、神野区のオールマイトの銅像を融解させるほどの熱を発しましたが、焦凍の新技「赫灼熱拳・燐」で熱を中和され、最終的に焦凍の「大氷海嘯」で完全に冷却されました。
その後、黒霧のワープゲートでエンデヴァーのもとに現れ、家族全員が駆けつける中で初めて全員に囲まれます。「…大嫌いだ…お父さんなんか… 家族なんか…!」と叫びながらも、その言葉には決して消えない家族への愛情が込められていました。
最終回では「緩やかに死に向かっている」と表現されており、8年後のエピソードでは描かれていないため、燈矢が最終的にどうなったかは明確に描かれていません。しかし、エンデヴァーが毎日訪れ続けていることから、家族の支えの中で残された時間を過ごしていることがわかります。
エンデヴァーと焦凍は和解できた?
完全な和解とは言えませんが、エンデヴァーと焦凍の関係は大きく改善しました。最終決戦で荼毘の暴走を止める際、焦凍は「義務感で来たんじゃねぇから!」と言い、家族として父を支える決意を示します。
体育祭編では「俺はあんたの傀儡じゃない」と全否定していた焦凍でしたが、雄英での経験を通じて成長し、エンデヴァーの努力する姿を認めるようになりました。冬休みにはエンデヴァーの事務所をインターンに選び、プロヒーローとしてのエンデヴァーを間近で見ることになります。
最終回では、轟家で一緒に蕎麦を食べに行くなど、少しずつ距離が縮まっている様子が描かれました。焦凍が燈矢に「燈矢兄、好きな食べ物何?」と聞き、燈矢が「蕎麦」と答えると、焦凍は「おんなじだ」と笑顔を見せます。この何気ない会話は、轟家が少しずつ家族としての絆を取り戻しつつあることを示しています。
エンデヴァーの妻・冷はエンデヴァーを許した?
冷はエンデヴァーを完全に許したわけではありませんが、向き合おうとする姿勢を見せています。荼毘の告発後の病室での家族会議で、エンデヴァーが「燈矢とは戦えない」と弱気になったとき、冷は「それを言うなら私も」と、罪を共有する姿勢を示しました。
個性婚を受け入れ、デザインベイビーを4人も産んだことについて、冷も自分の責任を感じていました。エンデヴァーだけが悪いのではなく、自分も「加担」していたという認識です。最終決戦では、燈矢を救うために駆けつけ、自ら火傷を負いながらも息子を冷却しました。
最終回では、冷がエンデヴァーの車椅子を押している姿が描かれています。これは、二人が夫婦として少しずつ関係を再構築しつつあることを示唆しています。エンデヴァーが好きだと言った花を送り続けてきたこと、そしてそれに冷が少しずつ心を開いてきたことが、二人の関係改善のきっかけとなりました。
エンデヴァーはアニメで何話に登場する?
エンデヴァーの初登場はアニメ第2期(体育祭編)で、轟家の複雑な家族関係が明らかになります。以降、物語の重要な局面で登場し、特に第4期以降は主要キャラクターとして活躍します。
主なエピソードは以下の通りです。
- 第2期:体育祭編・職場体験(ステイン編) – 焦凍の父親として初登場。過去の家族への仕打ちが明らかになり、当初は嫌われ役として描かれます。焦凍のインターン先としても登場。
- 第4期:ハイエンド戦(第88話) – No.1ヒーローとなったエンデヴァーが、ハイエンド脳無と死闘を繰り広げます。「PLUS ULTRAプロミネンスバーン」で勝利し、新しいヒーロー像を示す重要な回。
- 第6期:荼毘の正体判明(第130話) – 荼毘が轟燈矢であることが明らかになり、エンデヴァーの過去が全国に暴露されます。記者会見で謝罪する姿が描かれる衝撃的な展開。
- 第7期:轟家決着(第157話「I AM HERE」) – 轟家の戦いの決着が描かれます。エンデヴァーと燈矢、焦凍、そして轟家全員が集結する感動的なエピソード。2024年9月に放送され、大きな話題となりました。
- FINAL SEASON(2025年10月放送予定) – 燈矢との和解、エンデヴァーのヒーロー引退、そして轟家のその後が描かれる最終章。原作42巻の内容がアニメ化される予定です。
FINAL SEASONでは、エンデヴァーが毎日燈矢のもとを訪れるシーンや、轟家で蕎麦を食べに行くシーンなど、家族としての再出発が描かれるでしょう。2025年10月の放送開始を楽しみに待ちましょう。
エンデヴァーかわいそうな理由まとめ

『僕のヒーローアカデミア』のエンデヴァーは、過去の加害者でありながら、現在は贖罪の道を歩む複雑なキャラクターです。個性婚で家族を犠牲にし、長男・燈矢を死なせ(と思っていた)、焦凍から憎まれ続けた日々。そして荼毘の正体が燈矢だったという衝撃、世間からの激しいバッシング、荼毘との最終決戦での悲痛な叫び、そして失った身体と背負った傷—これら7つの理由が、エンデヴァーを「かわいそう」と感じさせる要素です。
しかし、エンデヴァーの物語は単なる悲劇では終わりません。オールマイトとは違う形のNo.1ヒーロー像を確立し、不器用ながらも家族と向き合い、ホークスをはじめとする周囲の人々から認められていく姿は、人間の成長と贖罪の可能性を示しています。
エンデヴァーは完璧なヒーローではありません。むしろ、欠点だらけの人間です。しかし、過ちを認め、償い続け、それでも立ち上がろうとする姿は、多くの人々の共感を呼びました。「弱さと戦い続けた男」として、彼は『僕のヒーローアカデミア』において最も人間らしいヒーローの一人となったのです。
2025年10月から放送されるアニメFINAL SEASONでは、エンデヴァーと轟家の物語がついに完結を迎えます。毎日燈矢のもとを訪れ、家族で蕎麦を食べに行き、少しずつ絆を取り戻していく轟家の姿が描かれるでしょう。その結末を、ぜひ自分の目で確かめてください。
エンデヴァーの物語は、誰もが過ちを犯しうること、そしてそこから立ち直ることができるということを教えてくれます。不完全だからこそ美しい、人間の物語。それが、エンデヴァー・轟炎司という男の生き様なのです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。FINAL SEASONで、エンデヴァーと轟家の最後の戦いを、共に見届けましょう。
ゼンシーア
