『銀魂』に登場する真選組局長・近藤勲。「ゴリラ」と呼ばれ、志村妙へのストーカー行為で笑いを誘うギャグキャラとして描かれることの多い彼ですが、実はファンの間では「本当はかっこいい」と絶賛されている隠れた名キャラクターです。普段は三枚目でも、いざという時には誰よりも熱く、誰よりも仲間想い。底なしのお人好しでありながら、真選組を率いる圧倒的なリーダーシップを持ち、土方や沖田が最も尊敬する大将としての器を見せつけます。この記事では、近藤勲の隠れた魅力を徹底解説。ギャグとシリアスのギャップが生む独特のかっこよさ、実在モデルとの関係、声優・千葉進歩さんと実写版・中村勘九郎さんの名演技まで、近藤勲のすべてをお届けします。
近藤勲とは?

『銀魂』に登場する近藤勲は、江戸の治安を守る対テロ用特殊部隊・真選組の局長を務める人物です。一見すると「ゴリラ」と呼ばれる筋骨隆々の外見や、志村妙へのストーカー行為というギャグ要素が目立つキャラクターですが、その本質は誰よりも深い慈悲の心と圧倒的なリーダーシップを持つ真の漢。部下たちから絶大な信頼を寄せられる真選組の大黒柱であり、シリアス展開ではその真価を遺憾なく発揮します。ギャグとシリアスの振れ幅が激しい『銀魂』という作品の中でも、特に両極端な魅力を併せ持つ近藤勲。その隠れたかっこよさを、今こそ深掘りしていきましょう。
武州出身の若き局長・近藤勲の人物像
近藤勲は武州出身の29歳(アニメ設定)で、身長184cm、体重80kgという堂々たる体格の持ち主です。9月4日生まれの乙女座、血液型はA型という設定ですが、その性格は星座のイメージを裏切らない繊細さと優しさを秘めています。
真選組局長という重責を担いながらも、沖田総悟に「底なしのお人好し」と評されるほど寛大な心の持ち主。荒くれ者が集う真選組を一つにまとめ上げた手腕は、まさに天性のリーダー気質と言えるでしょう。土方十四郎や沖田総悟といった個性的な部下たちを導き、組織として機能させる統率力は、若くして局長の座に就いた理由を物語っています。
名前の由来は、幕末の新選組局長・近藤勇。史実の近藤勇も人望厚き指導者として知られており、『銀魂』の近藤勲もその精神性を色濃く受け継いでいます。ただし、作中での扱いは史実とはかけ離れた展開も多く、そのギャップこそが銀魂流の魅力となっています。
「ゴリラ」と呼ばれる外見とそのギャップ
近藤勲を語る上で避けて通れないのが、「ゴリラ」という愛称(?)です。その筋骨隆々とした体格と濃い顔立ちから、作中では頻繁にゴリラ扱いされ、本人も時にはゴリラとして描かれることすらあります。しかし、この外見こそが近藤の魅力を際立たせる重要な要素なのです。
無駄のない鍛え上げられた肉体は、真選組局長としての鍛錬の証。作中では気がつくと服を脱いでいることが多く、モザイク率の高さでも有名ですが、それは単なるギャグではなく、常に戦いに備えた肉体を維持している証でもあります。実写版では中村勘九郎さんが本当に鍛え上げた肉体で近藤を演じ、その迫力ある存在感が話題となりました。
そして何より、この武骨な外見と、志村妙への純粋すぎる恋心とのギャップが素晴らしい。ゴリラと呼ばれようとも、お妙さんを想う気持ちだけは誰よりも真っ直ぐで純粋。このギャップこそが、近藤勲というキャラクターの奥深さを生み出しているのです。外見は豪快、心は繊細。そのコントラストが、ファンの心を掴んで離しません。
声優・千葉進歩と実写版・中村勘九郎の名演技
近藤勲というキャラクターの魅力を最大限に引き出しているのが、アニメ版の声優・千葉進歩さんと実写版の中村勘九郎さんです。
千葉進歩さんは「カメレオン声優」の異名を持つ実力派で、『ヒカルの碁』の藤原佐為のような繊細な役から、近藤勲のような三枚目まで幅広く演じ分けます。大学時代まで野球一筋だったという経歴を持ち、声優としてのキャリアをスタートさせてからは、その探究心の強さで演技の幅を広げ続けてきました。近藤勲役では、ギャグシーンでの間抜けな演技と、シリアスシーンでの重厚な演技を見事に使い分け、キャラクターの多面性を表現しています。
一方、実写版で近藤を演じた中村勘九郎さんは、歌舞伎役者としての確かな演技力を持ちながら、原作への深いリスペクトで役に挑みました。大の銀魂ファンでもある勘九郎さんは、オファーを受けた際に配役を聞く前から「俺、ゴリラでしょ?」と確信していたというエピソードが有名です。撮影では近藤らしさを追求し、全裸シーンでは前貼りを拒否して本当に全裸で撮影に臨むなど、まさに体を張った演技で原作ファンを唸らせました。2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』で藤堂平助を演じた経験も、新選組がモデルの真選組を演じる上で活きたことでしょう。
近藤勲がかっこいいと評価される7つの理由

一見すると「ゴリラ」「ストーカー」というギャグキャラクターとして描かれることの多い近藤勲ですが、ファンの間では「普段は三枚目だが決める時には決める」と絶賛される隠れたかっこよさを持っています。特にシリアス展開では、その真価が遺憾なく発揮され、土方や沖田が最も尊敬する理由が明らかになるのです。ここでは、近藤勲が多くのファンから「本当はかっこいい」と評価される7つの理由を、具体的なエピソードとともに深掘りしていきます。
底なしのお人好し・誰も見捨てない慈悲深さ
近藤勲の最大の魅力は、沖田総悟が評した「底なしのお人好し」という言葉に集約されます。沖田は「人のいいところを見つけるのは得意だが、悪いところを見ようとしない」と近藤の性格を分析していますが、これこそが真選組局長としての器の大きさを示しています。
近藤の慈悲深さは単なる優しさではありません。自分を殺害しようとした相手でさえも「友」と呼び、命がけで助けようとする姿勢は、並大抵の人間には真似できない境地です。作中では「目の前で命狙われてる奴がいたら、いい奴だろーが悪い奴だろーが手ェ差し伸べる。それが人間のあるべき姿ってもんだよ」という名言を残していますが、これは単なる綺麗事ではなく、近藤自身が実践し続けている生き方そのものなのです。
居場所を失った荒くれ者たちを真選組として受け入れ、来る者拒まない人柄で組織をまとめ上げてきた近藤。その慈悲深さは、敵味方を問わず多くの人々の心を動かし続けています。
土方や沖田を導いた圧倒的なリーダーシップ
近藤勲のリーダーシップは、言葉だけでなく行動で示される本物です。かつて剣術道場の跡取りだった近藤は、廃刀令によって道場を失うという絶望的な状況に直面しました。しかし、そこで近藤が選んだのは、自分の夢を捨てることではなく、仲間を決して見捨てないという道でした。
居場所を失っていた土方十四郎や沖田総悟を門下生として迎え入れ、剣の稽古をつけながら彼らの居場所を作り続けた近藤。道場が失われても、その想いは真選組の結成へと繋がっていきます。荒くれ者が集う組織を一つにまとめ上げるには、圧倒的な人望とリーダーシップが必要です。近藤はその両方を兼ね備えていました。
「大将の冠は自分(てめェ)の頭の上にあるんじゃねェ。皆の理想の上にあるもんだ」という近藤の言葉は、真のリーダーシップとは何かを体現しています。自分のためではなく、仲間たちの理想を背負って立つ。その覚悟こそが、隊士たちから絶大な信頼を集める理由なのです。
志村妙への一途すぎる愛情の裏にある男らしさ
近藤勲のストーカー行為は作中で度々ギャグとして描かれますが、その裏には誰にも負けない一途な愛情と、驚くべき男らしさが隠されています。特に象徴的なのが、柳生篇でのトイレシーンです。
トイレで用を足した後、紙がないという絶望的な状況に陥った近藤。手元にあるのは志村妙の写真とやすりのみ。普通なら迷わず写真を使うところですが、近藤は迷うことなくやすりを選択しました。その結果、お尻から大量出血する羽目になりますが、愛する人の写真だけは絶対に汚さないという強い意志を貫いたのです。
この行動は単なるギャグではありません。どんな状況でも愛する女性を汚さず守るという、近藤の男らしさの証明です。お妙への想いは純粋で無垢、そして誰よりも真っ直ぐ。その一途さは、時にストーカーと呼ばれようとも、決してブレることがありません。本気で相手を想い、相手のためなら自分を犠牲にできる。これこそが近藤勲の隠れた男らしさなのです。
ピンチで発揮される冷静な判断力と決断力
普段はおっとりとした印象の近藤ですが、いざという時の判断力と決断力は真選組局長にふさわしい鋭さを持っています。特にシリアス展開では、その冷静さが際立ちます。
「さらば真選組篇」では、将軍・徳川茂茂を守れなかった罪で斬首を命じられるという絶体絶命の状況に陥ります。しかし近藤は、自分がいずれ粛清の対象となることを事前に悟っていました。そして隊士たちを守るため、自身の処刑と引き換えに真選組を存続させる策を密かに練っていたのです。
隊士全員を国葬の警護に就かせ、銀時を通して反乱しないよう諭す冷静さ。自分の命よりも仲間たちの未来を優先する決断力。この一連の行動は、近藤が単なるお人好しではなく、組織のトップとして必要な資質を全て備えていることを証明しています。ピンチの時こそ本性が現れるといいますが、近藤の場合はピンチの時こそ、その真の強さとかっこよさが輝くのです。
仲間を守るためなら命を懸ける覚悟
近藤勲の覚悟は、口先だけのものではありません。仲間を守るためなら、本当に命を懸ける。その姿勢は作中で何度も描かれ、ファンの心を揺さぶり続けています。
「さらば真選組篇」では、「たとえ奴らを見捨てて生き残ったとしても、近藤勲は死ぬんだ。てめェのために傷ついた部下を見捨てる大将に救う価値があるか。奴等は俺のために命を懸けたならば俺も…奴等の信じる近藤勲を、命を懸けて護らなきゃならねェ」という言葉を残しています。
この言葉は、近藤のリーダーとしての覚悟を端的に表しています。部下たちが自分を信じて命を懸けてくれるなら、自分もまた彼らの信じる近藤勲であり続けるために命を懸ける。それが大将としての責任であり、誇りなのです。
実際に近藤は、佐々木異三郎との共闘で顔に大きな傷を負いながらも、仲間たちとの合流を果たします。「三途の川をクロールで戻ってきた」と冗談めかして言う近藤でしたが、土方は思わず涙を流しました。それほどまでに、近藤の覚悟と生き様は、仲間たちの心を打つものだったのです。
敵さえも「友」と呼ぶ器の大きさ
近藤勲の器の大きさは、敵味方の垣根を超えます。自分に刃を向けた相手でさえも「友」と呼び、手を差し伸べる。その姿勢は、単なる甘さではなく、人間としての深い慈悲と理解から生まれるものです。
騙されたことが分かっても驚かず、そのことを根に持たない性格。これは単純さではなく、相手の事情や背景を理解しようとする姿勢の表れです。近藤は、人は誰でも過ちを犯すことを知っています。だからこそ、一度の過ちで相手を切り捨てることをしないのです。
「さらば真選組篇」では、敵方だった見廻り組の佐々木異三郎と共闘し、最終的には多くの元見廻り組隊士たちが近藤の恩に報いるため同行するという展開が描かれます。これは、近藤の器の大きさが、敵対していた相手の心さえも動かした証です。
「誰かがねじ曲がれば他の2人がぶん殴ってまっすぐに戻す。昔からそうだった。だから俺たちは永遠に曲がらねェ。ずっとまっすぐ生きていける」という言葉には、仲間を信じ、支え合って生きていくという近藤の哲学が込められています。
ギャグとシリアスのギャップが生む独特の魅力
近藤勲の最大の魅力は、ギャグキャラとシリアスキャラという両極端な側面を併せ持つギャップにあります。このギャップこそが、『銀魂』という作品全体のテーマを体現し、ファンの心を掴んで離さない理由です。
普段は全裸で登場し、モザイク率の高さで有名な下ネタキャラ。お妙さんへのストーカー行為でドツかれ、ゴリラ扱いされる三枚目。しかし、いざシリアス展開になると、誰よりも熱く、誰よりも仲間想いで、誰よりもかっこいい真選組局長へと変貌します。
この振れ幅の激しさが、近藤というキャラクターに深みを与えています。ギャグシーンでの情けない姿があるからこそ、シリアスシーンでのかっこよさが何倍にも引き立つのです。そして、どちらの近藤も嘘ではなく、本物の近藤勲なのです。
戦闘能力も相当なもので、相手の刀だけでなく鎧さえ切り裂くパワーを持ち、夜兎族の神楽とも対等に渡り合える持久力と走力を誇ります。普段の姿からは想像できない戦闘力の高さも、近藤の隠れた魅力の一つです。「普段は三枚目だが決める時には決める」。このギャップこそが、近藤勲を唯一無二のキャラクターにしているのです。
近藤勲に関するよくある質問

近藤勲について深く知りたいファンから寄せられる質問は数多くあります。ここでは、特に多く問い合わせがある4つの質問に対して、詳しく回答していきます。実在モデルとの関係から、戦闘能力、お妙との関係性、そして声優さんの他の代表作まで、近藤勲をより深く理解するための情報をまとめました。
近藤勲の実在モデルは誰ですか?
近藤勲の実在モデルは、幕末に活躍した新選組局長の近藤勇(こんどういさみ)です。1834年に武蔵国多摩郡上石原村(現在の東京都調布市)で農家の三男として生まれ、本名を宮川勝五郎といいました。16歳の時に天然理心流3代宗家の近藤周助の養子となり、「近藤勇」を名乗るようになります。
史実の近藤勇は、天然理心流4代宗家を継承した実力者で、新選組を率いて幕末京都の治安維持に尽力しました。副長として土方歳三、一番隊組長として沖田総司といった名だたる剣士たちを従え、特に池田屋事件では新選組の名を天下に轟かせる功績を立てています。性格はおおらかで懐が深く、慕ってくる人間を誰でも受け入れる度量の持ち主だったと伝えられています。
『銀魂』の近藤勲も、この歴史上の近藤勇の特徴を色濃く受け継いでいます。真選組という組織のトップとして土方十四郎や沖田総悟を導くリーダーシップ、来る者拒まない人柄、そして底なしのお人好しという性格設定は、まさに史実の近藤勇を彷彿とさせます。ただし、お妙へのストーカー行為やゴリラ扱いされる外見など、『銀魂』らしいアレンジが加えられているのが面白いところです。
近藤勲の戦闘能力はどのくらい強いですか?
近藤勲の戦闘能力は、真選組局長にふさわしい高い水準にあります。作中では相手の刀だけでなく鎧さえも切り裂くパワーを持ち、夜兎族の神楽とも対等に渡り合える持久力と走力を誇ります。普段のギャグシーンでは情けない姿が目立ちますが、シリアス展開での戦闘シーンでは、その真の実力が遺憾なく発揮されるのです。
特筆すべきは、史実の近藤勇が池田屋事件で多くの敵を相手にしながらも大きな傷を負わなかったという逸話と同様に、『銀魂』の近藤勲も長時間の戦闘に耐えうる持久戦能力を持っていることです。剣術の腕前だけでなく、局長として最前線で戦い続ける体力と精神力は、並大抵のものではありません。
また、真選組を率いる立場として、戦闘における判断力や指揮能力も高いレベルにあります。「さらば真選組篇」では、顔に大きな傷を負いながらも仲間たちと合流を果たし、「三途の川をクロールで戻ってきた」と冗談めかして言える精神的な強さも見せています。単純な腕っぷしの強さだけでなく、組織のトップとして必要な総合的な戦闘能力を兼ね備えているのが近藤勲の真の強さと言えるでしょう。
近藤勲とお妙の関係は最終的にどうなりましたか?
近藤勲とお妙の関係は、最終的にも恋愛関係には発展しませんでした。近藤の一途な想いは作品を通じて一貫して描かれ続けましたが、お妙からは完全に拒絶されているわけではないものの、恋愛対象としては見られていないというのが現実です。
しかし、これは単純な片想いの失敗物語ではありません。お妙は近藤の人柄や真選組局長としての責任感、そして自分への純粋な想いを理解しており、完全に嫌っているわけではないのです。作中では何度も近藤を容赦なくドツく描写がありますが、それは近藤のストーカー行為に対する正当な反応であり、近藤という人間そのものを否定しているわけではありません。
むしろ、近藤の一途な愛情は、彼の男らしさを象徴する重要な要素として描かれています。どんなに拒絶されても、どんなに痛い目に遭っても、お妙への想いだけは決してブレない。その純粋さと真っ直ぐさは、近藤勲というキャラクターの魅力の核心部分なのです。最終的に恋愛が成就しなかったとしても、近藤の愛の形は決して報われなかったわけではなく、多くのファンの心に深く刻まれる感動的なストーリーとなりました。
近藤勲の声優・千葉進歩さんの他の代表作は何ですか?
近藤勲を演じる千葉進歩さんは、「カメレオン声優」の異名を持つ実力派声優で、数多くの代表作を持っています。最も有名なのは『ヒカルの碁』の藤原佐為役でしょう。平安時代の天才棋士の霊という繊細で優雅なキャラクターを演じ、近藤勲とは全く異なる魅力を見せています。
その他の代表作としては、『神風怪盗ジャンヌ』の名古屋稚空/怪盗シンドバッド役、『彩雲国物語』の柴彰役、『ヴァンパイア騎士』の一条拓麻役、『戦場のヴァルキュリア』のウェルキン・ギュンター役、『きらりん☆レボリューション』の村西社長役、『アイドリッシュセブン』の小鳥遊音晴役、『カレイドスター』のユーリ・キリアン役などがあります。
これらの役柄を見ると、千葉さんの演技の幅の広さが分かります。繊細な二枚目から、近藤勲のような三枚目、さらには少年役から老人役まで、あらゆるキャラクターを演じ分ける技術は圧巻です。大学時代まで野球一筋だったという異色の経歴を持ちながら、探究心の強さで演技の幅を広げ続けてきた千葉さん。近藤勲役では、ギャグシーンでの間抜けな演技とシリアスシーンでの重厚な演技を見事に使い分け、キャラクターの多面性を完璧に表現しています。藤原佐為と近藤勲という両極端なキャラクターを代表作に持つことが、千葉進歩さんの演技力の高さを何よりも物語っています。
近藤勲のかっこいい魅力まとめ

「ゴリラ」「ストーカー」という表面的なイメージの裏に、真選組局長としての圧倒的なリーダーシップと、誰も見捨てない慈悲深さを持つ近藤勲。ギャグとシリアスの振れ幅が激しい『銀魂』という作品の中でも、特に両極端な魅力を併せ持つ彼の真価は、シリアス展開でこそ輝きを放ちます。
底なしのお人好しでありながら、仲間を守るためなら命を懸ける覚悟を持ち、敵さえも「友」と呼ぶ器の大きさ。土方や沖田といった個性的な部下たちを導き、真選組という組織をまとめ上げた統率力。そして、どんなに拒絶されてもブレない、お妙への一途な愛情。これらすべてが、近藤勲というキャラクターを唯一無二の存在にしています。
史実の新選組局長・近藤勇の精神性を受け継ぎながら、『銀魂』らしいギャグ要素を加えられた近藤勲。声優・千葉進歩さんの名演技と、実写版での中村勘九郎さんの体を張った演技によって、その魅力はさらに深まりました。「普段は三枚目だが決める時には決める」というギャップこそが、多くのファンの心を掴んで離さない理由なのです。
「大将の冠は自分の頭の上にあるんじゃねェ。皆の理想の上にあるもんだ」という近藤の言葉は、真のリーダーシップとは何かを教えてくれます。外見や表面的なイメージではなく、内面の強さと優しさこそが、本当のかっこよさを生み出すのだということを、近藤勲は体現しているのです。
『銀魂』を視聴する際は、ぜひ近藤勲のシリアスシーンに注目してみてください。特に「さらば真選組篇」や「柳生篇」では、彼の隠れた魅力が存分に発揮されています。ギャグキャラとしての近藤も面白いですが、真の漢としての近藤勲を知ることで、『銀魂』という作品の奥深さをより一層楽しむことができるでしょう。
今後も『銀魂』関連の新プロジェクトが発表される可能性があります。スピンオフ作品や記念イベント、配信サービスでの特集など、近藤勲の活躍を再び目にする機会は必ず訪れるはずです。その時のために、今から近藤勲の魅力を再確認し、真選組への愛を深めておきましょう。ゴリラと呼ばれようとも、ストーカーと言われようとも、近藤勲は間違いなく『銀魂』屈指のかっこいいキャラクターなのですから。