『銀魂』の人気キャラクター・近藤勲。真選組局長として隊士たちから絶大な信頼を得る一方、お妙さんへのストーカー行為やゴリラネタでファンを笑わせてくれる彼ですが、「さらば真選組篇」での衝撃的な展開に多くのファンが震撼しました。さらし首として晒される近藤勲の姿は、あまりにも残酷で「本当に死んでしまったのか」という不安が広がったのです。この記事では、近藤勲の死亡説が浮上した理由から、さらば真選組篇での真相、そしてその後の運命まで徹底解説します。史実の近藤勇との関係や、黒縄島での壮絶な戦いの全貌を明らかにしていきましょう。
近藤勲のプロフィール

『銀魂』ファンなら誰もが知る真選組局長・近藤勲。一見すると下ネタとストーカー行為ばかりが目立つコミカルなキャラクターですが、実は真選組という組織を支える大黒柱であり、隊士たちから絶大な信頼を寄せられている人物です。身長184cm、体重80kgという筋骨隆々とした体格で、その風貌から「ゴリラ」と呼ばれることが多いものの、内に秘めた仲間想いの優しさと大将としての器量は本物。武州出身で9月4日生まれ、年齢はアニメ設定で29歳という設定です。声優は千葉進歩さんが担当し、その熱量あるお芝居で近藤勲のキャラクター性を完璧に表現しています。
真選組局長として隊士から絶大な信頼を得ている
近藤勲が真選組局長として君臨できるのは、その圧倒的な人望の厚さにあります。土方十四郎や沖田総悟といった個性的で実力も一流の隊士たちをまとめ上げるのは並大抵のことではありません。しかし近藤勲は「底無しのお人好し」と称されるほどの寛大な心と、誰に対しても分け隔てなく接する度量の大きさで、真選組という組織を一つにまとめてきました。
近藤勲の信頼の源は、武州時代にまで遡ります。当時、剣術道場の跡取りだった近藤勲は、居場所を失っていた土方や沖田らを門下生として迎え入れました。その後、廃刀令によって剣も道場も失うという絶望的な状況に陥りますが、近藤勲は決して仲間を見捨てませんでした。むしろ新しい居場所として真選組を結成し、かつての門下生たちに再び居場所を与えたのです。
この過去があるからこそ、土方や沖田は近藤勲を心から慕い、時には命を懸けて彼を守ろうとします。「真選組動乱篇」では、自分の命を狙っていた伊東鴨太郎でさえ「友」と呼び、命がけで助けようとする姿が描かれました。この慈悲深さと人間性の高さこそが、近藤勲が局長として組織を率いる資格を持つ理由なのです。
志村妙への一途な恋心がギャグ要素の中心
近藤勲を語る上で欠かせないのが、志村新八の姉・志村妙への熱烈すぎる恋心です。キャバクラでの接客業で妙が慰めの言葉をかけたことをきっかけに、近藤勲は彼女に一途な想いを抱くようになりました。しかしその想いの表現方法があまりにも度を越しており、本人は「愛の狩人(ハンター)」と主張していますが、周囲からは完全にストーカー認定されています。
妙の家に忍び込んだり、四六時中つきまとったり、時には全裸で現れたりと、その行動は常軌を逸しています。当然ながら妙からは何度も鉄拳制裁を受け、返り討ちに遭うのが常ですが、何度拒絶されても諦めない粘り強さは天下一品。公衆の面前で服を脱ぐなど下ネタ的な言動も目立ち、「局(部)長」という不名誉なあだ名まで付けられてしまっています。
ただし、近藤勲の名誉のために言っておくと、ストーカー行為が全てを台無しにしているとはいえ、お妙への想いだけは紛れもなく本物です。彼女のためならば命を張る覚悟も持ち合わせており、実際に危機的状況では真剣に妙を守ろうとします。お妙も本気で嫌っているわけではなく、むしろ近藤勲の純粋さを理解している節があります。このギャップこそが、近藤勲というキャラクターの魅力を際立たせているのです。
ゴリラと呼ばれながらも仲間想いの優しい性格
「ゴリラ」というあだ名は、近藤勲のトレードマークとも言える呼び名です。その濃い顔立ちとがっしりとした体格から、作中では頻繁にゴリラ扱いされています。「かぶき町野良猫篇」では本物のゴリラになってしまったこともあり、もはや本人も自虐的に自称するようになりました。また「柳生篇」では猩猩族(ゴリラのような天人)の姫君とお見合いさせられるなど、ゴリラネタは作品を通じて健在です。
しかし見た目のネタ要素とは裏腹に、近藤勲の本質は仲間想いで優しい性格にあります。普段は三枚目キャラクターとしてボケ役に回ることが多いものの、いざという時には沖田を殴りつけて諭すなど「漢」らしい一面を見せます。隊士たちが道を誤りそうになった時、近藤勲は決して見捨てず、時には厳しく、時には優しく導いていきます。
剣術の腕前も局長にふさわしい実力を備えており、土方や沖田とは異なりパワーを生かした豪快な戦闘スタイルが特徴です。「柳生篇」では紙やすりで尻を拭いて負傷していながらも、柳生四天王一の実力を誇る東城歩を一撃で倒すという離れ業をやってのけました。身体能力も非常に高く、夜兎族の神楽と互角の速さで走れるほどです。
このように、ゴリラというコミカルな外見の裏に、真選組を支える圧倒的な実力と人間性を秘めているのが近藤勲なのです。
近藤勲死亡説が浮上した理由

「近藤勲 死亡」という検索ワードが生まれたのには、明確な理由があります。『銀魂』史上でも特に重厚なストーリー展開として知られる「さらば真選組篇」において、ファンに衝撃を与える出来事が描かれたのです。普段はギャグキャラクターとして笑いを提供していた近藤勲が、まさかの極刑を宣告されるという展開。しかもそのビジュアルがあまりにも残酷で、視聴者・読者の心に深く刻まれました。史実の新選組局長・近藤勇が斬首されたという歴史的事実も相まって、「近藤勲は本当に死んでしまったのか」という不安が『銀魂』ファンの間で一気に広がったのです。
さらば真選組篇でのさらし首シーンが衝撃的だった
「さらば真選組篇」において、近藤勲の死亡説を決定的なものにしたのが、さらし首のシーンです。将軍暗殺篇の結末で徳川茂茂が暗殺され、その責任を問われる形で、松平片栗虎と近藤勲に「斬首」が言い渡されました。このシーン自体が、普段の『銀魂』のトーンとは大きく異なる重々しい雰囲気で描かれており、視聴者は「まさか本当に…」という恐怖を感じたはずです。
特に衝撃的だったのは、近藤勲がさらし首にされている描写が実際に登場したことです。アニメ・漫画ともに、近藤の首が木の板に晒されている光景が描かれ、多くのファンが「えっ!」と絶句しました。普段はコメディリリーフとして活躍し、お妙さんへのストーカー行為で笑いを誘っていたあの近藤勲が、このような残酷な運命を迎えるとは誰も予想していなかったのです。
さらに、土方十四郎が「もう副長と呼ぶな」と言い放つシーンも、真選組の解体を示唆する重要な場面でした。真選組という組織そのものが消滅の危機に瀕し、局長である近藤勲が処刑されたとなれば、もはや真選組は存在しない。このような絶望的な状況が克明に描かれたことで、視聴者の不安は最高潮に達しました。
モデルの近藤勇が史実で斬首されている
近藤勲の死亡説がリアリティを持って受け止められた背景には、モデルとなった史実の人物・近藤勇の最期が大きく影響しています。新選組局長として幕末の京都で活躍した近藤勇は、慶応4年(1868年)4月25日、板橋刑場で斬首刑に処されました。享年35歳という若さでの非業の死です。
特に残酷だったのは、近藤勇が武士でありながら切腹を許されず、平民の処刑法である斬首を受けたという点です。土佐藩が坂本龍馬暗殺への関与を疑い、厳罰を求めた結果でした。斬首後、近藤勇の首は京都三条河原でさらし首にされ、多くの庶民が見物に訪れたと記録されています。まさに『銀魂』で描かれたシーンと重なる部分が多く、空知英秋先生が史実を意識して描いていることは明白でした。
『銀魂』のキャラクターたちは新選組をモチーフにしており、近藤勲の名前も近藤勇から取られています。土方十四郎は土方歳三、沖田総悟は沖田総司といった具合に、歴史上の人物と対応しているのです。そのため、史実で近藤勇が斬首されたという事実を知っているファンにとって、近藤勲も同じ運命を辿るのではないかという恐怖は現実味を帯びたものでした。
歴史を知る読者ほど、「さらば真選組篇」の展開に戦慄したはずです。なぜなら、史実をなぞるように物語が進行していたからです。新選組が時代の流れに取り残され、最後は散り散りになっていく過程は、まさに幕末の新選組の悲劇を彷彿とさせました。空知先生が史実の近藤勇の最期をどこまで『銀魂』に反映させるのか、ファンは固唾を呑んで見守ることになったのです。
将軍暗殺失敗の責任を一人で背負う覚悟を決めた
近藤勲の死亡説をさらに決定的にしたのが、彼自身の覚悟でした。「さらば真選組篇」で描かれた近藤勲は、隊士たちを守るために自ら処刑を受け入れる決断をしていたのです。これは近藤勲というキャラクターの本質を示す重要な場面でもありました。
将軍茂茂の暗殺を阻止できなかった責任は、警護を担当していた真選組全体にあります。しかし新将軍・徳川喜々の施政下では、真選組が粛清の対象となることは目に見えていました。このまま放置すれば、隊士たち全員が処罰される可能性があったのです。近藤勲はそれを事前に悟り、自分が全ての責任を背負うことで隊士たちの命を守ろうとしました。
局長として、仲間の命を何よりも優先する。これは普段のゴリラネタやストーカー行為からは想像もつかない、近藤勲の真の姿でした。自分一人が犠牲になれば済むのなら、喜んで首を差し出す。その覚悟を決めた近藤の表情は、いつもの三枚目キャラクターとは全く異なる、真の大将の顔でした。
土方や沖田をはじめとする隊士たちは、近藤を救おうと必死になります。しかし近藤勲本人は、すでに死を覚悟していました。真選組という組織のため、そして何より愛する隊士たちのために、自分の命など惜しくない。このような近藤勲の献身的な姿勢が描かれたことで、「本当に近藤勲は死んでしまうのではないか」という緊張感が作品全体を支配しました。普段はギャグキャラクターだからこそ、その覚悟の重さがより一層際立ったのです。
近藤勲は本当に死亡したのか?

結論から言えば、近藤勲は死亡していません! さらし首のシーンで多くのファンが絶望しましたが、これは近藤勲の壮絶な運命の始まりに過ぎませんでした。「さらば真選組篇」では、予想を超えた感動的な展開が待っていたのです。攘夷志士のリーダー・桂小太郎の協力、そして宿敵であったはずの佐々木異三郎との予想外の共闘によって、近藤勲は黒縄島からの脱出に成功します。ただし、その代償として顔に大きな傷を負うことになりました。この傷は「さらば真選組篇」以降、近藤勲のトレードマークとなり、彼が経験した試練の証として刻まれ続けることになります。
桂小太郎の協力で脱獄に成功し生存している
近藤勲の運命を大きく変えたのが、桂小太郎の決断でした。真選組と桂率いる攘夷志士は、長年にわたって対立関係にありました。しかし将軍・徳川茂茂の死をきっかけに、状況は一変します。桂は茂茂の遺志を継ぐことを決意し、なんと自ら身代わりとして捕らえられることで、黒縄島の牢獄に投獄されたのです。
黒縄島で近藤勲と対面した桂は、彼を説得します。「死んでいる場合ではない」と。近藤勲は隊士たちを守るために死を覚悟していましたが、桂は別の道があることを示しました。それは、生き延びて真選組を再び立ち上げ、仲間たちとともに戦い続けることでした。桂の熱意と論理的な説得により、近藤勲は脱獄を決意します。
この展開は、かつて敵対していた攘夷志士と真選組が手を組むという、『銀魂』史上でも特別な意味を持つ瞬間でした。銀時と真選組が共闘することはありましたが、桂と近藤が直接協力するというのは異例のことです。桂自身も想定外だった奈落の参戦によって事態は複雑化しますが、それでも近藤と桂は協力して土方たちと合流し、黒縄島からの脱出を目指すことになります。
桂小太郎という知略に優れた攘夷志士の協力があったからこそ、近藤勲は絶望的な状況から抜け出すことができました。この共闘は後の銀ノ魂篇でも重要な意味を持つことになり、倒幕勢力と真選組という枠を超えた絆の始まりとなったのです。
佐々木異三郎との共闘で黒縄島からの脱出を果たした
近藤勲の生存において、最も予想外だったのが佐々木異三郎との共闘です。見廻組局長であり、真選組のライバル組織のトップである佐々木は、近藤勲にとって対立する立場にありました。しかし黒縄島での戦いの中で、驚くべき展開が待っていたのです。
佐々木異三郎は表向きは冷徹なエリートとして描かれていましたが、実は過去に妻子を失い、国と自分自身への深い悔恨を抱えていました。彼の真の目的は、この国を終わらせること。しかし近藤勲の言葉が、佐々木の奥底にあった感情を呼び覚ましたのです。近藤の真っ直ぐな信念と仲間への愛情が、佐々木の心を動かしました。
最終的に佐々木は、近藤や真選組と共闘することを選びます。佐々木の策によって近藤たちは脱出の道を見出しますが、その過程で近藤勲は顔を斜めに横切る大きな傷を負ってしまいます。この傷は深刻なものでしたが、それでも近藤は生き延びることができました。
佐々木異三郎は最後、見廻組副長・今井信女と弟の鉄之助を庇って飛行船から落下し、命を落とします。しかし彼の犠牲によって、近藤勲と真選組は黒縄島からの脱出に成功したのです。佐々木の最期を見届けた近藤は、彼の思いを胸に刻み、生き続けることを誓いました。
顔に大きな傷を負いながらも真選組を再結成した
黒縄島から生還した近藤勲ですが、無傷ではありませんでした。顔を斜めに横切る大きな傷は、「さらば真選組篇」以降の近藤勲のビジュアルを大きく変えることになります。この傷は佐々木異三郎の策の中で負ったもので、近藤が経験した壮絶な戦いの証です。
普段はゴリラネタでいじられるキャラクターだった近藤勲にとって、この傷は新たな重みを与えました。顔の傷というビジュアル的な変化は、近藤勲というキャラクターが真の意味で「戦う局長」へと成長したことを象徴しています。ギャグキャラクターとしての側面を残しつつも、その奥には深い覚悟と強さが宿っていることを、この傷は物語っているのです。
黒縄島での戦いを生き延びた近藤勲は、桂の提言に従って各地に興った反乱勢力を取りまとめ、倒幕の基盤を築くために江戸を去ります。お妙や万事屋に一時の別れを告げた後、生き残った隊士たちを引き連れて旅立つシーンは、多くのファンの涙を誘いました。興味深いことに、黒縄島で近藤が見廻組の一部メンバーの命も救ったことで、かなりの数の見廻組隊士も近藤に同行したとされています。
真選組は形を変えながらも存続し、後の銀ノ魂篇では再び江戸に帰還して重要な役割を果たすことになります。近藤勲は死ななかった。それどころか、より強く、より深みのある局長として生まれ変わったのです。
さらば真選組篇のあらすじと近藤勲の運命

「さらば真選組篇」は、『銀魂』の長編エピソードの中でも特に人気が高く、シリアスさと感動で多くのファンの心を揺さぶった物語です。原作では第五百二十五訓から第五百五十一訓まで、アニメでは第308話から第316話までの全9話で描かれました。この長編は「将軍暗殺篇」の直接の続編であり、徳川茂茂の死という衝撃的な出来事を受けて、真選組が最大の危機に直面します。近藤勲の処刑、真選組の解散、そして黒縄島での壮絶な戦い。普段はギャグとパロディで笑わせてくれる『銀魂』が、ここでは本気のシリアスストーリーを展開し、ファンに「別れの挨拶」という重いテーマを突きつけました。
将軍暗殺篇の後、真選組が解体の危機に直面する
「さらば真選組篇」は、「将軍暗殺篇」の悲劇的な結末から始まります。徳川茂茂が暗殺され、新将軍として徳川喜々が就任しました。喜々は一橋派の人物であり、春雨という宇宙海賊組織と結託して幕府を牛耳ろうとしていました。茂茂の葬儀は重苦しい雰囲気で執り行われ、そよ姫をはじめ、将軍を守ろうと命を懸けた者たちは深い悲しみに包まれます。
新政権が始動すると、その矛先は真っ先に真選組に向けられました。将軍暗殺を阻止できなかった責任を問われる形で、松平片栗虎警察庁長官と近藤勲真選組局長に「斬首」が言い渡されたのです。さらに真選組は解散を命じられ、警察業務は佐々木異三郎率いる見廻組に引き継がれることになりました。真選組の屯所は封鎖され、隊士たちはバラバラになってしまいます。
土方十四郎は同心・小銭形平次のもとで岡っ引として働き始め、沖田総悟も別の部署に配属されるなど、真選組の面々は散り散りになりました。一方、一連の事件に関わったとして万事屋銀ちゃんも封鎖され、銀時、新八、神楽もそれぞれ別々の道を歩むことになります。江戸の街は喜々政権の下で急速に変化し、多くの侍たちが幕府を去り始めていました。
隊士を守るため自ら処刑を受け入れる決断をした
近藤勲は、喜々の施政下では真選組がもう長くないこと、そして自分がいずれ粛清の対象となることを事前に悟っていました。近藤は局長として、ただ一つの選択をします。それは、自身の処刑と引き換えに隊士たちを守ることでした。
葬儀の警備にかり出される隊士たちを横目に、近藤は銀時と二人で飲みに出かけます。スナックすまいるで杯を傾けながら、近藤は銀時にその思いを託しました。この静かな場面は、嵐の前の静けさのようで、ファンの胸を締め付けました。そして近藤は覚悟を決め、見廻組に自ら出頭します。
真選組局長として、茂茂暗殺を防げなかった責任を取り、斬首されることを選んだ近藤。それはひとえに、この国、そして何より愛する真選組を護るための苦渋の決断でした。近藤は隊士たちが全員処罰されるのではなく、自分一人が責任を背負うことで組織を守ろうとしたのです。この自己犠牲の精神こそが、近藤勲というキャラクターの真骨頂でした。
しかしスナックすまいるで土方、銀時、小銭形たちが飲んでいると、佐々木率いる見廻組と喜々がやってきます。喜々の横暴ぶりに思わず手が出そうになる土方の代わりに、銀時が喜々を殴り飛ばしました。銀時は連行されそうになりますが、そこに突如現れた桂小太郎が自ら身代わりとして捕らえられたのです。これが、近藤勲救出作戦の始まりでした。
黒縄島での壮絶な戦いと脱出劇が展開される
松平片栗虎、近藤勲、そして桂小太郎は、監獄の島・黒縄島へ幽閉されました。桂は牢獄で近藤と接触し、茂茂の遺志を継いで彼を救出することを提案します。桂の説得と協力により、近藤は脱獄を決意しました。
一方、江戸では真選組と桂一派が手を組むという前代未聞の事態が発生します。宿敵であった攘夷志士と真選組が、近藤と桂を救い出すために協力することになったのです。万事屋の銀時、神楽、新八も加わり、彼らは黒縄島へ向かいます。後方支援としてお妙、小銭形、ハジらも同行しました。
黒縄島では、佐々木異三郎率いる見廻組と天照院奈落が待ち構えていました。激しい戦闘が繰り広げられる中、佐々木の真の目的が明らかになります。彼は国と自分自身への悔念から、倒幕勢力の決起を煽り、自身ごとこの国を終わらせようとしていたのです。
戦いの最中、奈落最強の先代首領・虚が黒縄島に降臨します。虚の圧倒的な力の前に、一行は手も足も出ません。銀時は虚と互角に渡り合いますが、その仮面の下の素顔を見て茫然自失となります。それは銀時の師・吉田松陽にそっくりの顔だったのです。なんとか一太刀を浴びせて逃れることに成功しますが、その先には倒れ伏す佐々木と近藤の姿がありました。
絶望する真選組でしたが、銀時の叱咤で戦意を取り戻します。「前向け 剣握れ 戦え 万事屋 俺たちと」という銀時の言葉は、真選組の隊士たちを奮い立たせました。最後は仮死状態から蘇生した近藤や、一命を取り留めていた佐々木と共に脱出を目指します。
しかし後一歩のところで、佐々木は見廻組副長・今井信女と弟の鉄之助を庇い、飛び立つ飛行船から落下して死亡しました。彼の犠牲によって、近藤たちは辛くも脱出に成功します。佐々木の抗いによって生まれた倒幕の火は国中へ広がり、喜々政権に疑問を抱く家臣たちは次々と幕府を去ることになりました。
江戸を去る真選組を万事屋とお妙が見送る感動シーン
黒縄島からの脱出に成功した真選組でしたが、彼らはもはや江戸にいることはできませんでした。喜々政権の魔の手を逃れるため、そして各地に興った反乱勢力を取りまとめ倒幕の基盤を築くため、真選組は江戸を離れることを決意します。
最終話では、江戸を去る真選組と万事屋の別れが描かれました。これまで腐れ縁のような関係だった両者ですが、この別れのシーンでは多くのファンが涙を流しました。特に土方十四郎と銀時の別れは印象的で、二人はお互いの好物(マヨネーズと甘い物)を交換し合い、清々しい表情で別れを告げました。
そして近藤勲とお妙の別れも、ファンの心を揺さぶりました。普段はストーカー扱いされている近藤ですが、この時ばかりは真剣な表情でお妙に別れを告げます。お妙も近藤の覚悟を理解し、涙ながらに彼を見送りました。この場面は「近妙」ファンにとって特別な意味を持つシーンとなりました。
生き残った隊士たちを引き連れて江戸を去る近藤勲。顔には大きな傷が刻まれ、その表情にはこれまでにない決意が宿っていました。興味深いことに、黒縄島で近藤が見廻組の一部メンバーの命も救ったことで、相当数の見廻組隊士も近藤に同行したと言われています。
「さらば真選組」というタイトルの意味がここで明らかになります。これは真選組の終わりではなく、新たな始まりだったのです。彼らは江戸を去り、倒幕という大きな目標に向かって歩み始めました。そして後の銀ノ魂篇で、真選組は再び江戸に帰還し、最終決戦に挑むことになります。
近藤勲の死亡に関するよくある質問

「近藤勲 死亡」で検索してきたファンの皆さんが気になるであろう疑問に、Q&A形式でお答えします。さらば真選組篇での衝撃的な展開を経て、近藤勲のその後や関連情報について詳しく解説していきます。
近藤勲は銀ノ魂篇でも生存していますか?
はい、近藤勲は銀ノ魂篇でも生存しており、重要な役割を果たしています。さらば真選組篇で江戸を去った近藤勲と真選組は、銀ノ魂篇において再び江戸に帰還します。アルタナ解放軍が江戸に侵攻してきた際、近藤率いる真選組は颯爽と現れ、最終決戦に参加しました。
銀ノ魂篇では、近藤勲は顔の傷を残したまま登場し、さらば真選組篇で経験した試練を経て、より強くなった姿を見せてくれます。真選組として江戸の人々を守るという使命は変わらず、最後まで局長としての責任を全うしました。戦後は桂小太郎が初代内閣総理大臣に就任したこともあり、真選組は一時的に解散という形を取りますが、これも桂との約束に基づいた戦略的な判断でした。
実際には、近藤勲は生き続け、『銀魂』という物語の最後まで重要なキャラクターとして活躍します。さらば真選組篇で死亡説が浮上したものの、その後も元気に(そしていつものストーカー行為も継続しながら)物語を盛り上げてくれたのです。
近藤勲が死亡すると予想されていた理由は何ですか?
近藤勲の死亡が予想された理由は主に3つあります。第一に、さらば真選組篇でのさらし首シーンという視覚的なインパクトです。実際に近藤の首が晒されている描写が登場したことで、多くのファンが「本当に死んでしまったのか」と不安になりました。『銀魂』は普段ギャグ作品ですが、シリアス展開では容赦なく重い展開を描くため、この不安は現実味を帯びていました。
第二に、モデルとなった史実の近藤勇が実際に斬首されて死亡したという歴史的事実です。新選組局長・近藤勇は慶応4年に板橋で斬首刑に処され、首は京都三条河原でさらし首にされました。『銀魂』のキャラクターは史実をなぞる形で展開することが多いため、近藤勲も同じ運命を辿るのではないかという推測が広がったのです。
第三に、近藤勲自身が隊士を守るために死を覚悟していたという物語上の必然性です。将軍暗殺の責任を一人で背負い、自ら処刑を受け入れる覚悟を決めた近藤の姿は、まさに死亡フラグそのものでした。これらの要素が重なったことで、「近藤勲は本当に死ぬのではないか」という予想が強まったのです。
近藤勲のモデルとなった歴史上の人物は誰ですか?
近藤勲のモデルは、幕末に活躍した新選組局長・近藤勇です。近藤勇は1834年に武蔵国多摩郡で農家の三男として生まれ、天然理心流の道場に入門後、養子となって近藤姓を名乗るようになりました。その後、京都の治安維持のために結成された新選組の局長として活躍し、池田屋事件などで名を馳せました。
新選組は幕府側の組織として倒幕派の志士たちと対立しましたが、時代の流れには逆らえず、最終的に近藤勇は捕らえられて斬首刑に処されました。享年35歳という若さでの死でした。『銀魂』の近藤勲は、この近藤勇をモデルにしつつも、ゴリラネタやストーカー要素などコミカルな味付けが加えられています。
ただし、史実の近藤勇が死亡したのに対し、『銀魂』の近藤勲は生き延びるという大きな違いがあります。空知英秋先生は史実を参考にしながらも、『銀魂』らしい独自のアレンジを加え、近藤勲に別の運命を与えました。これにより、近藤勲というキャラクターは歴史上の人物へのオマージュでありながら、まったく新しい魅力を持つ存在となったのです。
近藤勲はなぜゴリラと呼ばれているのですか?
近藤勲が「ゴリラ」と呼ばれる理由は、その濃い顔立ちとがっしりした体格にあります。身長184cm、体重80kgという筋骨隆々とした体型で、顔つきも非常に濃いため、作中では頻繁にゴリラに例えられています。最初は他のキャラクターからゴリラ呼ばわりされていましたが、後には近藤本人も自虐的に自称するようになりました。
「柳生篇」では猩猩族(ゴリラのような天人)の姫君とお見合いさせられ、「かぶき町野良猫篇」では実際に本物のゴリラになってしまうなど、ゴリラネタは作品を通じて健在です。ゴリラという外見的特徴がギャグ要素として機能する一方で、その裏にある仲間想いの優しさや局長としての器量の大きさが、近藤勲というキャラクターの魅力を際立たせています。
見た目はゴリラでも、中身は誰よりも人間的で温かい。このギャップこそが、近藤勲が多くのファンに愛される理由の一つです。ゴリラというあだ名は、もはや近藤勲のトレードマークとして定着し、『銀魂』を代表するネタの一つとなっています。
近藤勲の声優は誰ですか?
近藤勲の声優は千葉進歩さんです。千葉進歩さんは1970年9月13日生まれの声優で、数多くのアニメ作品に出演されています。近藤勲役では、コミカルなシーンでの三枚目演技から、シリアスな場面での重厚な芝居まで、幅広い演技力を発揮されています。
千葉さんの代表作としては、『キューティーハニーF』の早見青児、『ヒカルの碁』の藤原佐為などがあります。また『銀魂』では近藤勲だけでなく、バブルス王女、長老、ゴリさんなど複数の役を演じられており、作品への貢献度は非常に高いです。
ちなみに「性転換篇」で近藤勲が女性になった際は、女性声優のたかはし智秋さんが「近藤ゴリ子」の声を担当しました。また幼少期の近藤勲は國立幸さんが演じています。実写映画版では歌舞伎役者の中村勘九郎さんが近藤勲を演じ、原作ファンからも高評価を得ました。
千葉進歩さんの熱量あるお芝居があったからこそ、近藤勲というキャラクターはここまで愛されるキャラクターになったと言えるでしょう。
近藤勲は死亡した?さらば真選組篇の真相まとめ

この記事で詳しく解説してきたように、近藤勲は死亡していません。さらば真選組篇での衝撃的なさらし首シーンは、多くのファンに「近藤勲 死亡」という不安を抱かせましたが、実際には桂小太郎の協力と佐々木異三郎との共闘によって、黒縄島からの脱出に成功しています。顔に大きな傷を負うという代償を払いながらも、近藤勲は生き延び、真選組を率いて新たな戦いへと向かっていきました。
さらば真選組篇で描かれたのは、近藤勲というキャラクターの真の姿でした。普段はゴリラネタやストーカー行為でギャグを提供する三枚目キャラクターですが、その本質は仲間想いで自己犠牲の精神を持つ、真の大将でした。隊士たちを守るために自ら死を覚悟し、全ての責任を背負おうとした近藤の姿は、多くのファンの心を打ちました。そして同時に、仲間たちの想いに応えて生き延びることを選んだ近藤の決断も、彼の人間性の深さを物語っています。
モデルとなった史実の近藤勇が斬首されて死亡したのに対し、『銀魂』の近藤勲は異なる運命を歩みました。これは空知英秋先生が、歴史をなぞりながらも独自のストーリーを描くことで、キャラクターに新しい命を吹き込んだ結果です。近藤勲は死なず、その後の銀ノ魂篇でも重要な役割を果たし、物語の最後まで真選組局長として活躍し続けました。
さらば真選組篇は、『銀魂』の長編エピソードの中でも特に人気が高く、感動的なストーリーとして語り継がれています。近藤勲の運命に一喜一憂したファンの皆さんにとって、この篇は忘れられない思い出となったことでしょう。もしまだ視聴していない方や、もう一度見返したい方がいれば、ぜひアニメや原作でさらば真選組篇を体験してみてください。近藤勲の魅力、真選組の絆、そして万事屋や攘夷志士との熱い共闘が、あなたの心を揺さぶるはずです。
近藤勲は死亡しなかった。そして今も、『銀魂』ファンの心の中で生き続けています。顔の傷は、彼が経験した試練の証であり、同時に成長の証でもあります。ゴリラと呼ばれながらも、誰よりも人間らしく、誰よりも優しい。そんな近藤勲というキャラクターを、これからも応援し続けていきましょう!