2018年10月7日に放送された銀魂アニメ第367話について、「ひどい」という評価を目にしたことはありませんか?12年以上続いた人気アニメの最終回がなぜそう言われるのか、その真相が気になっている方も多いはずです。実は「ひどい」という言葉には、作品への愛情と失望、そして「やっぱり銀魂だな」という複雑な感情が込められています。本記事では、第367話が「ひどい」と評される理由、映画「THE FINAL」との違い、そして2025年から2026年にかけて展開される新作情報まで、銀魂アニメ最終回の全貌を徹底解説します。長年のファンも、これから見る方も必見の内容です。
銀魂とは

『銀魂』は、空知英秋が週刊少年ジャンプで2004年から2019年まで約15年間にわたって連載した大人気漫画作品です。SF設定を取り入れた架空の江戸を舞台に、万事屋を営む坂田銀時と仲間たちが繰り広げる痛快エンターテインメント作品として、コミックスの累計発行部数は7300万部を突破しています。抱腹絶倒のギャグと壮絶アクション、そして人情や絆を描いた物語は、長年にわたって多くのファンの心を掴んできました。
原作からアニメ化までの軌跡
空知英秋の初連載作品となった『銀魂』は、2004年に週刊少年ジャンプで連載をスタートしました。独特な世界観とキャラクター、そしてメタ的なギャグが話題を呼び、瞬く間に人気作品へと成長していきます。連載開始からわずか2年後の2006年4月には、早くもテレビアニメ化が実現しました。
アニメ版は当初テレビ東京系で火曜19時台に放送されていましたが、同年10月からは木曜18時台の枠に移動。原作の人気を反映して視聴率も好調で、休止期間を挟みながらも長期シリーズとして愛され続けることになります。制作はサンライズが担当し、原作の魅力を余すことなく映像化することに成功しました。
367話に及ぶ長期シリーズ
銀魂のテレビアニメシリーズは、2006年の第1期から2018年10月7日の最終回まで、実に12年以上にわたって放送されました。その間、放送休止や再開を繰り返しながらも、最終的には全367話という膨大な話数を積み重ねています。
第1期は2006年から2010年まで全201話、第2期「銀魂’」は2011年から2012年まで全51話、第2期延長戦は2012年から2013年まで全13話、第3期「銀魂゜」は2015年から2016年まで全51話、そして第4期「銀魂.」は2017年から2018年まで放送されました。この間、深夜枠への移動や放送形態の変更もありましたが、原作のほぼすべてのエピソードがアニメ化されるという快挙を成し遂げています。
さらに劇場版アニメも3作品が公開されており、2010年の『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』、2013年の『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』、そして2021年には原作の真のラストを描いた映画『銀魂 THE FINAL』が公開され、多くのファンが劇場に足を運びました。
ギャグとシリアスが融合した独自の世界観
銀魂最大の魅力は、爆笑必至のギャグと骨太なシリアスストーリーを絶妙なバランスで融合させた独自の世界観にあります。天人(宇宙人)が襲来し、江戸幕府が開国を余儀なくされた架空の江戸時代を舞台に、侍の魂を持ち続ける銀時たちの活躍が描かれます。
日常回では下ネタやパロディネタを惜しみなく投入し、アニメならではのメタ発言で視聴者を笑わせる一方、長編シリアスエピソードでは熱い友情や絆、過去の因縁などを丁寧に描き込みます。この振り幅の大きさこそが、銀魂が幅広い層のファンを獲得できた理由です。また、史実の新選組や攘夷志士をモチーフにしたキャラクターたちが織りなす人間ドラマは、時代劇ファンの心も掴みました。
作者・空知英秋自身がアニメスタッフや声優陣との関係性を作品内でネタにするなど、製作サイドとファンの距離感が近いことも銀魂の特徴です。こうした「終わる終わる詐欺」に代表される独特のノリは、後の最終回騒動へとつながっていくことになります。
銀魂アニメ最終回が「ひどい」と言われる背景

2018年10月7日に放送されたテレビアニメ第367話は、多くのファンに衝撃を与えました。「ひどい」という評価が飛び交ったのは、決して作品のクオリティが低かったからではありません。むしろ、銀魂らしさ全開の展開こそが、ファンに複雑な感情を抱かせる結果となったのです。その背景には、作品が長年にわたって積み重ねてきた「終わる終わる詐欺」の歴史と、原作とアニメの制作事情が深く関わっています。
「終わる終わる詐欺」の歴史と最終回への期待値
銀魂における「終わる終わる詐欺」という言葉は、アニメ第1期の第125話「最終章 突入!」から始まりました。この時から作品は「終わる」と煽りながら続くという独特のスタイルを確立していきます。第1期4年目には第150話から最終回に向けたカウントダウンが始まり、タイトル文字の片隅に残り回数まで表示されていました。
2013年には『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』が公開され、「アニメ銀魂ラストエピソード」と銘打たれます。しかしその1年半後、第3期「銀魂゜」が何事もなかったかのように放送開始。第1話では銀時が七三分けの髪型で謝罪会見を開き、「完結しなくてすみませんでした!」と深々と頭を下げる場面からスタートしました。この時点で、すでに「終わる終わる詐欺」は銀魂を象徴するネタとして定着していたのです。
第4期では深夜枠への移動という大きな変化もありましたが、原作とアニメを同時に完結させるという壮大な計画が進行していました。アニメスタッフは当時の担当編集者から「今度こそ本当に原作が終わる」と告げられ、限られた予算とスケジュールで最終章の制作に取り掛かります。オープニングとエンディングも最終回仕様に変更され、いよいよ本当の最終回を迎える雰囲気が高まっていきました。
ところが、原作者・空知英秋が週刊少年ジャンプで「あと5話で完結」と宣言したものの、実際には完結せずジャンプGIGAへ移籍。この展開は朝の情報番組「ZIP!」でも取り上げられるほど話題になり、ファンの間では「またか」という諦めと「さすが銀魂」という賞賛が入り混じった複雑な反応が広がりました。こうした経緯により、367話放送時点でのファンの期待値は異常なまでに高まっていたのです。
TV367話とTHE FINALの間にあるギャップ
テレビアニメ第367話「悪役にもやっていい事と悪い事がある」は、前半パートで銀時が高杉に扮して江戸の女性陣と再会するコメディを展開し、後半パートでは新八がかっこいいシーンを披露しようとした瞬間に「緊急特番」が割り込むという衝撃の展開でした。
残り約10分を使って始まったのは「銀魂終わる終わる詐欺裁判」。これまでの詐欺行為を銀時自身が法廷で裁かれるという、完全にメタな内容です。アニメ第3期から現在に至るまでの制作事情を克明に振り返り、原作が終わらなかったせいでアニメが中途半端な場所で終わらざるを得なくなった経緯を、制作陣の愚痴を代弁する形でキャラクターたちが語っていきます。
このエピソードは虚との最終決戦の途中、まさに「これからが本番」というタイミングで終了しました。原作に追いついてしまい、物理的にこれ以上アニメ化できないという現実を、銀魂らしいギャグで包んで視聴者に提示したのです。一方、2021年に公開された映画『銀魂 THE FINAL』は、原作の真の完結までを描いた正真正銘のラストエピソード。虚との壮絶な戦い、高杉との別れ、そして万事屋の絆を描いた感動的な結末が用意されていました。
この2年以上のギャップが、ファンにとっては大きな問題でした。テレビで中途半端に終わり、完結を見るには映画館に足を運ぶか配信を待つしかない。この構造自体が「ひどい」と評される一因となったのです。
ファンが求めていた「完結」とは何だったのか
長年銀魂を追いかけてきたファンが求めていたのは、きちんとした物語の完結でした。虚との因縁にけりをつけ、攘夷戦争時代からの絆を確認し、万事屋の未来を見届ける。そうした王道の結末を、テレビアニメの枠内で見たかったというのが本音だったはずです。
しかし第367話は、銀魂というメタギャグ作品の集大成として、「完結できない」という現実そのものをネタにしてしまいました。制作側の苦労や原作者の悪行(?)を包み隠さず暴露し、「続きは原作で!」というオチで終わるこの展開は、確かに銀魂らしいといえば銀魂らしい。でも、真摯に物語の結末を期待していたファンにとっては、裏切られたような気持ちになったのも無理はありません。
「ひどい」という言葉には、作品への愛情と失望、そして「やっぱり銀魂だな」という諦めにも似た感情が複雑に絡み合っています。終わる終わる詐欺をネタにし続けてきた銀魂が、最終回でもそのスタイルを貫き通したことに対する、ファンの正直な反応だったのです。
THE FINALの高評価ポイント

2021年1月8日に公開された映画『銀魂 THE FINAL』は、テレビアニメ第367話の未完の物語を見事に完結させ、多くのファンから絶賛される作品となりました。Filmarksでは平均スコア3.9点、初日満足度ランキング1位を獲得し、公開初日には鬼滅の刃を超えてぶっちぎりの興行収入1位を記録。長年銀魂を愛してきたファンの期待に応える、感動と笑いが詰まった真の完結編だったのです。
高杉との別れシーンに涙が止まらない
THE FINALで最も多くのファンの涙を誘ったのが、銀時と高杉の最後の対話シーンです。攘夷戦争時代からライバルであり、時に敵対し、時に共闘してきた二人。虚との最終決戦を経て、高杉は自らの命を犠牲にして銀時たちを救います。
瓦礫の中で倒れる高杉に銀時が駆け寄り、二人だけの時間が訪れます。素直になれない二人が、ようやく吐き出した本音。銀時が「酒を酌み交わしてみたかった」と語るシーンは、長い長い物語を経てようやく到達した、二人の関係性の到達点でした。何かを語り合うよりも、同じ時を共有するだけでいい。できれば楽しい時間を。そんな銀時の想いが伝わる一言に、多くのファンが胸を詰まらせました。
高杉を演じた子安武人の演技も素晴らしく、最期まで不器用で強がりな高杉の姿を見事に表現。銀時役の杉田智和との掛け合いは、二人のキャラクターの深い絆を感じさせるものでした。この別れのシーンは原作でも屈指の名場面でしたが、映画ではさらに演出が加わり、BGMと相まって涙なしには見られない感動的なシーンとなっています。
攘夷四天王として共に戦い、松陽先生を失い、それぞれの道を歩んできた銀時と高杉。長い物語の中で描かれてきた二人の複雑な関係性が、この一つの場面に凝縮されています。「銀魂」という作品、そして「坂田銀時」というキャラクターの人生の区切りとして、この別れはあまりにも相応しく、そして美しいものでした。
万事屋の絆を描いた最終決戦
THE FINALのもう一つの見どころは、銀時・新八・神楽の万事屋トリオが見せる絆の強さです。虚との戦いの中で、一度は離れ離れになった三人が再会するシーン。定春の体内で銀時が驚異の分離と合体を見せる場面では、シリアスな展開の中にも銀魂らしいギャグが盛り込まれ、観客を笑わせます。
新八と神楽が銀時のピンチを救うため駆けつける場面は、これまで万事屋が積み重ねてきた日々の重みを感じさせる名シーンです。銀時一人では決して勝てなかった虚との戦いを、三人の力を合わせることで乗り越えていく展開は、まさに王道の熱さ。お互いを信頼し、支え合う万事屋の姿に、多くのファンが「これが見たかった」と感動しました。
戦闘シーンのアクション作画も見応え十分で、殺陣の演出やカメラワークは劇場版ならではのクオリティ。BGMとして流れるDOESやSPYAIRの楽曲も銀魂の世界観にマッチしており、戦いを盛り上げます。真選組やかぶき町の仲間たちも総出演し、銀魂ファミリーが一丸となって地球を救うクライマックスは、まさに集大成と呼ぶにふさわしい内容でした。
エンディング映像とラストの銀八先生
THE FINALのエンディングは、ファンへの最高のプレゼントとも言える演出が施されています。SPYAIRの主題歌「轍」が流れる中、スタッフロールの背景には銀魂の名場面やキャラクターたちの日常が次々と映し出されます。この映像が非常に丁寧に作り込まれており、「物語は終わっても、かぶき町ではこれからも皆が支え合いながら歩み続けていく」というメッセージが伝わってくる演出でした。
虚討伐後のかぶき町の様子も丁寧に描かれ、たまの復活シーンでは思わず涙がこぼれたファンも多かったはず。お登勢、キャサリン、長谷川といったお馴染みのキャラクターたちの何気ない日常が戻ってくる安堵感は、長年作品を追いかけてきたファンだからこそ味わえる特別な感動です。
そして最後の最後に用意されていたのが、スピンオフ作品「3年Z組銀八先生」の映像。万事屋メンバーが学生服姿で登場し、学園コメディを繰り広げる場面が挿入されることで、「銀魂の世界はまだまだ続いていく」という希望を残して幕を閉じます。この演出により、完結の寂しさを和らげつつ、新たな展開への期待も持たせる絶妙なバランスが実現されていました。
実際、2025年10月からは「3年Z組銀八先生」のテレビアニメ放送が決定しており、THE FINALのラストシーンはその布石でもあったのです。
2025-2026年の銀魂新作情報

「銀魂 THE FINAL」で完結したはずの銀魂が、再び動き出しています。2023年3月に発表された「銀魂20周年プロジェクト」の一環として、2025年から2026年にかけて新作が続々と展開されることが決定しました。「終わる終わる詐欺」の系譜は健在で、ファンに新たな興奮と期待をもたらしています。
2025年10月「3年Z組銀八先生」TVアニメ放送
2025年10月6日より、テレビ東京系列にて毎週月曜24時から「3年Z組銀八先生」のテレビアニメ放送がスタートします。これは空知英秋原作、大崎知仁著による人気スピンオフ小説のアニメ化作品で、銀魂ファンが長年待ち望んでいた企画の実現です。
舞台は銀魂高校3年Z組。だらしない白衣と死んだ魚のような目がトレードマークの担任教師・坂田銀八のもと、本編でお馴染みのキャラクターたちが生徒として登場します。志村新八はメガネをかけた真面目な生徒、神楽は元気いっぱいの女子生徒、土方十四郎や沖田総悟、桂小太郎といった面々も学生服姿で学園コメディを繰り広げるという設定です。
「陽キャも陰キャも関係ない、銀魂流の青春がここにある!」というキャッチコピーの通り、銀魂らしいパロディやメタネタを盛り込みながら、学園という新しい舞台で展開される物語に注目が集まっています。総監督は森脇真琴、監督は東田夏実が務め、キャラクターデザイン総作画監督には竹内進二が参加。アニメ制作はBN Picturesが手がけます。
オープニング主題歌はぼっちぼろまるの「お前の恋愛偏差値25未満」、エンディング主題歌はLONGMANの「Underclass HERO」が担当。ぼっちぼろまるは「銀魂をはじめて読んだ時、自分の漫画だと思った」「銀さんみたいな大人になりたかったし、神楽ちゃんに恋していました」とコメントしており、ファンとしての熱い想いを曲に込めているとのことです。
原作小説は現在8巻まで刊行されており、2024年12月には6年ぶりの新刊「銀魂 3年Z組銀八先生 すぺしゃる それゆけ大球技大会」が発売されました。さらに2025年10月3日には、アニメ放送に合わせて最新刊「銀魂 3年Z組銀八先生でらっくす おいでよ林間学校」も発売予定です。
2025年夏・秋に4DX版が劇場上映
銀魂ファンに嬉しいニュースとして、過去の劇場版作品が4DX版として再上映されることが決定しています。2025年夏から秋にかけて、「劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ」と「銀魂 THE FINAL」の4DX版が全国の劇場で公開される予定です。
4DXとは、映画のシーンに合わせて座席が動いたり、風や水しぶき、香りなどの特殊効果を体感できる上映システムです。銀魂の激しいアクションシーンや爆発シーンを4DXで体験できるとあって、既に作品を見たファンからも「もう一度劇場で見たい」という声が多数上がっています。
特に「THE FINAL」は虚との最終決戦や、銀時たちが繰り広げる壮大なバトルシーンが見どころ。4DXの演出により、これまで以上に臨場感あふれる体験ができることが期待されています。また、マダオ役の立木文彦による完全新録ナレーションが聴ける最新予告も公開されており、新たな要素も追加されているようです。
2026年「新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-」公開決定
2025年8月16日に開催された「銀魂まるちばーす祭り」で発表された最大のニュースが、2026年公開の完全新作映画「新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-」です。原作史上”最も熱い”と称される「吉原炎上篇」を、完全新規作画で映画化するという大型プロジェクトとなっています。
吉原炎上篇は、テレビアニメでも第139~146話で放送された人気エピソードです。夜王・鳳仙に支配され光を失った地下遊郭都市・吉原を舞台に、万事屋と月詠、神威たちが繰り広げる熱いバトルと人情ドラマが描かれます。監督は安藤尚也、監修は藤田陽一、脚本は岸本卓、キャラクターデザイン/総作画監督は竹内進二が担当し、THE FINALと同じくBN Picturesがアニメーション制作を手がけます。
注目すべきは、銀魂アニメ史上初となるシネマスコープサイズ(アスペクト比2.35:1)での制作です。通常の映画よりも横長の画面により、迫力満点のアクションシーンとスケールの大きな映像表現が実現されます。特報映像では、原作では登場しなかった桂や真選組メンバー(近藤・土方・沖田・山崎)の姿も確認でき、映画オリジナルの展開も期待できそうです。
原作者・空知英秋のコメントも話題を呼んでいます。「連載が終了してから6年もたつ作品が、未だに汚い大人達の小銭稼ぎの道具になり、味がしなくなるまでしゃぶり尽くされているのを見るのは、それはそれで作家冥利に尽きるなと通帳を眺めながら感じております」という、いかにも空知先生らしい自虐的かつユーモアあふれるメッセージに、ファンからは笑いと共感の声が上がっています。
これらの新作展開により、銀魂の世界はまだまだ続いていくことが確定しました。「終わる終わる詐欺」は伊達ではなかったのです。
銀魂アニメ最終回に関するよくある質問

銀魂の最終回については、多くのファンが様々な疑問を抱いています。ここでは、特に多く寄せられる質問について、詳しく解説していきます。
銀魂のアニメは本当に完結したの?
結論から言えば、物語としては2021年公開の映画「銀魂 THE FINAL」で完結しています。この作品で虚との最終決戦が描かれ、攘夷戦争時代からの因縁や、銀時・高杉・桂の物語にけりがつきました。原作の最終話までが映像化され、真の意味での完結を迎えたのです。
ただし、2018年10月のテレビアニメ第367話は、物語の途中で終わっています。これは原作が完結していなかったために、アニメが原作に追いついてしまったことが原因です。そのため「テレビアニメは未完で終わった」「映画で完結した」というのが正確な表現となります。
さらに、2025年10月からは「3年Z組銀八先生」という学園パロディのスピンオフアニメが放送開始し、2026年には「新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-」も公開予定です。本編は完結したものの、銀魂の世界はまだまだ広がり続けているというのが現状です。
THE FINALは原作の最終回と同じ内容?
「銀魂 THE FINAL」は、基本的には原作の最終章を忠実に映像化した内容となっています。虚との最終決戦、高杉との別れ、松陽先生との再会、そして万事屋の未来といった核となるストーリーは原作通りです。
ただし、映画ならではの追加シーンや演出の違いはあります。冒頭のあらすじ説明部分でドラゴンボールのパロディを全面に押し出したり、戦闘シーンの尺を調整したりと、2時間の映画作品として成立させるための工夫が随所に見られます。また、声優陣の演技やBGMの使い方など、アニメならではの魅力も加わっているため、原作を読んだファンでも新鮮な感動を味わえる内容になっています。
エンディングの演出も映画オリジナルで、たまの復活シーンや、かぶき町の日常が戻ってくる様子が丁寧に描かれています。最後の「3年Z組銀八先生」のシーンも映画版で初めて追加されたもので、その後のアニメ化への布石となりました。
最終回を見る前に見ておくべき必須エピソードは?
「銀魂 THE FINAL」を十分に楽しむためには、いくつかの重要なエピソードを押さえておくことをおすすめします。まず絶対に外せないのが「将軍暗殺篇」(第300~307話)です。このエピソードから物語が大きく動き出し、シリアス展開の起点となります。
続いて「さらば真選組篇」(第308~316話)では、真選組の解散と土方の旅立ちが描かれます。そして「烙陽決戦篇」(第317~328話)では、神楽の兄・神威や父・星海坊主との関係性、高杉の過去などが明らかになる重要なエピソードです。
さらに第4期「銀ノ魂篇」(第342~367話)は、THE FINALに直接つながる最終章の序盤部分。虚の正体、松陽先生との関係、天導衆の陰謀などが描かれます。時間がない場合は、最低でも「烙陽決戦篇」と「銀ノ魂篇」を見ておけば、THE FINALのストーリーを理解できるでしょう。
また、攘夷戦争時代の銀時・桂・高杉・坂本の関係性を知るには、「紅桜篇」(第58~61話)や「バラガキ篇」(第244~247話)なども重要です。特にバラガキ篇では真選組結成の経緯や、土方と銀時の因縁が描かれており、THE FINALでの共闘シーンがより深く味わえます。
THE SEMI-FINALを見ないとTHE FINALは理解できない?
「銀魂 THE SEMI-FINAL」は、THE FINAL公開前にdTVで独占配信された特別編です。「万事屋篇 後先考えずに風呂敷を広げるもんじゃない」と「真選組篇 直前になって大事なことを決めるもんじゃない」の2編で構成されており、THE FINALの前日譚という位置づけになっています。
結論から言えば、SEMI-FINALを見なくてもTHE FINALの理解に支障はありません。映画本編では冒頭にこれまでのあらすじが説明されるため、初見の人でもある程度ストーリーを追うことができます。ただし、SEMI-FINALには映画では描かれなかった補完エピソードが含まれており、見ておくことでより深く物語を楽しめるのは確かです。
万事屋篇では、銀時が江戸を離れて2年間どのように過ごしていたのか、新八と神楽がどんな思いで銀時の帰りを待っていたのかが描かれます。真選組篇では、土方が万事屋を探しに行く決意をするまでの経緯や、真選組メンバーとの絆が改めて確認できる内容です。
特に真選組ファンにとっては、THE FINALでは土方たちの出番がそれほど多くないため、SEMI-FINALで彼らの活躍を見ておくことで満足度が高まるでしょう。また、THE FINALを見た後に「もっと銀魂の世界に浸りたい」と思った人が、SEMI-FINALを後から見るという楽しみ方もおすすめです。現在はdTV以外の配信サービスでも視聴可能になっている可能性があるため、各配信サービスをチェックしてみてください。
銀魂アニメ最終回が「ひどい」評価の真相まとめ

2018年10月7日に放送された銀魂アニメ第367話が「ひどい」と評される理由は、決して作品のクオリティの低さではありません。むしろ、銀魂というメタギャグ作品の本質を体現した、ある意味で「最も銀魂らしい最終回」だったからこそ、ファンに複雑な感情を抱かせたのです。
長年にわたる「終わる終わる詐欺」の歴史、原作が完結しなかったことによる制作事情、そしてストーリーの途中で終わらざるを得なかった状況。これらすべてを「銀魂終わる終わる詐欺裁判」というメタ展開でネタにしてしまう度胸と開き直りは、まさに銀魂ならではのものでした。真面目に物語の完結を期待していたファンにとっては裏切られたような気持ちになったかもしれませんが、それもまた銀魂が貫いてきたスタイルの延長線上にあったのです。
しかし、2021年公開の「銀魂 THE FINAL」で、ファンが待ち望んでいた真の完結が描かれました。虚との壮絶な戦い、高杉との感動的な別れ、万事屋の絆、そしてかぶき町に戻る日常。笑いあり涙ありの、銀魂らしい素晴らしいラストでした。第367話の「ひどい」最終回があったからこそ、THE FINALの感動がより一層際立ったとも言えるでしょう。
そして2025年からは「3年Z組銀八先生」のアニメ放送、4DX版の劇場上映、2026年には完全新作映画「新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-」の公開と、銀魂の新たな展開が続々と控えています。「終わる終わる詐欺」は今も健在で、銀魂の世界はまだまだ終わりそうにありません。
結局のところ、第367話の「ひどい」最終回も含めて、すべてが銀魂という作品の魅力なのです。完璧に計画された美しい幕引きではなく、グダグダでメチャクチャでも、最後まで自分たちのスタイルを貫き通す。それこそが、坂田銀時という主人公が体現してきた生き方そのものであり、私たちが愛してやまない銀魂の本質なのかもしれません。