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呪術廻戦に登場する最強クラスの術式の一つ、「呪霊操術」。夏油傑が使いこなし、そして羂索へと受け継がれたこの術式は、数千から数万の呪霊を自在に操る圧倒的な物量戦と、状況に応じた多彩な戦術で敵を翻弄します。アニメ2期「懐玉・玉折」編では夏油の過去が、そして渋谷事変編では羂索による恐るべき活用が描かれ、多くのファンがその強さと恐ろしさに震撼しました。本記事では、呪霊操術の発動条件から極ノ番「うずまき」の真価、夏油が使役した主な呪霊、羂索による進化、そして宿儺の術式との意外な関係性まで、この最強術式のすべてを徹底解説します!アニメ3期に向けて、呪霊操術の魅力を完全網羅しましょう。
呪霊操術とは?

呪術廻戦に登場する術式の中でも、その圧倒的な汎用性と破壊力で異彩を放つ「呪霊操術」。この術式こそが、夏油傑を特級呪術師の座へと押し上げ、そして後に「最悪の呪詛師」と呼ばれる存在へと変貌させた根源となる能力です。降伏させた呪霊を自らの支配下に置き、無限とも言える戦力を蓄積していく——呪霊操術は単なる戦闘術式を超えた、戦略兵器級の恐ろしい力なのです。
降伏した呪霊を取り込み自在に操る生得術式
呪霊操術の本質は、その名の通り「呪霊を操る」能力にあります。しかし、単に呪霊に命令を下すだけの術式ではありません。この術式の真価は、降伏させた呪霊を自らの体内に取り込み、完全な支配下に置くという点にあります。
取り込まれた呪霊は術者の意思に完全に従属し、いつでも自由に呼び出して使役することが可能です。呪霊自身が持つ固有の術式や能力も、そのまま使用できるという驚異的な特性を持っています。つまり、強力な呪霊を一体取り込めば、それはそのまま術者の新たな戦術オプションとなるのです。
夏油傑の場合、高専時代から呪詛師として活動するまでの間に、実に4,000体以上もの呪霊を保有していたことが明らかになっています。この膨大な数の呪霊軍団を一人で使役できる——それが呪霊操術の恐ろしさを端的に示しています。
階級差2級以上なら降伏不要で取り込み可能
呪霊操術には、効率的な呪霊収集を可能にする重要なルールが存在します。それが階級差による取り込み条件の違いです。
術者よりも2級以上格下の呪霊に対しては、降伏させる過程を省略し、直接取り込むことが可能となります。特級呪術師である夏油傑にとって、2級以下の呪霊は無条件で取り込める対象となるため、弱小呪霊を効率的に収集し、物量戦の基盤を築くことができました。
一方で、準1級以上の強力な呪霊を取り込む場合は、戦闘によって完全に降伏させる必要があります。特級呪霊ともなれば、その降伏には術者自身も特級クラスの実力が求められます。夏油が特級呪霊「化身玉藻前」や「虹龍」を使役できていたのは、彼自身が特級術師として、これらの呪霊を戦闘で圧倒し降伏させることができたからに他なりません。
取り込める呪霊の数に上限はなし
多くの術式には何らかの制約や限界が存在しますが、呪霊操術における呪霊保有数には理論上の上限が存在しません。術者の呪力量と精神力、そして管理能力が許す限り、際限なく呪霊を蓄積し続けることが可能なのです。
夏油傑は生前、6,000体以上の呪霊を保有していたとされています。百鬼夜行では新宿と京都にそれぞれ1,000体以上の呪霊を投入しましたが、それでもまだ膨大な数の呪霊をストックとして保持していました。
さらに驚くべきことに、夏油の肉体を乗っ取った羂索は、呪霊操術を継承した後、1,000万体以上もの呪霊を使役していたことが判明しています。これは単なる物量を超えた、もはや国家規模の災厄と呼べる戦力です。
ただし、呪霊の数が増えれば増えるほど、その管理と制御には高度な集中力と精神力が要求されます。特級呪霊のような強力な存在を複数同時に使役する場合、術者への負担は計り知れないものとなるでしょう。
媒介不要で呪霊の術式も使用できる
式神術式の多くは、紙や影などの「媒介」を必要としますが、呪霊操術には媒介が一切必要ありません。取り込んだ呪霊は術者の体内または生得領域内に格納されており、術者の意思一つで即座に召喚・使役が可能です。
さらに注目すべきは、取り込んだ呪霊が持つ固有の術式までも、術者が自由に使用できるという点です。呪霊自身の呪力で術式が発動するため、術者の呪力を消費することなく、多様な能力を行使できます。
例えば、夏油は空を飛ぶエイのような呪霊を移動手段として使用したり、「チューしよーよ」と言いながら対象を捕捉する探索用の呪霊を偵察に活用したりしていました。また、伏黒甚爾が武器庫として使っていた格納呪霊を奪取し、呪具の保管にも利用していました。
この特性により、呪霊操術は戦闘だけでなく、情報収集、移動、物資運搬、結界構築など、あらゆる状況に対応できる万能術式となっています。夏油が「術師だけの世界」という壮大な野望を抱けたのも、この術式の圧倒的な応用範囲があってこそでした。
呪霊操術の発動条件と取り込み方法

呪霊操術の強大な力には、その取得過程における独特の条件と代償が存在します。夏油傑が呪詛師へと堕ちていく過程で、この術式が彼に課した精神的・肉体的な苦痛は計り知れません。アニメ2期「懐玉・玉折」編では、呪霊を取り込む夏油の苦悶の表情が印象的に描かれていましたね。
呪霊を球体にして口から取り込む独特の方法
呪霊操術において、呪霊を取り込むプロセスは非常に特異です。まず、降伏させた(または階級差により支配可能な)呪霊を、一口大の黒い球体状に圧縮します。この球体化した呪霊を、術者が直接口から飲み込むことで、初めて呪霊操術の支配下に置かれるのです。
この取り込み方法は、まるで呪霊を「食べる」行為に他なりません。夏油の公式プロフィールには「ストレス:呪霊を取り込むこと」と明記されており、この行為が術者に多大な精神的負担を強いることが分かります。
アニメや原作では、夏油が呪霊を取り込む際の独特の演出が何度も登場します。黒い球体を手に取り、一瞬躊躇するような表情を浮かべた後、意を決して飲み込む——その一連の動作からは、この術式を扱う者が背負う覚悟と苦痛が伝わってきます。
呪霊が体内または生得領域に格納されると、術者の意思によっていつでも召喚可能な状態となります。召喚時には、格納空間から呪霊が具現化し、術者の指示に従って行動します。
主従関係が成立している呪霊は取り込めない
呪霊操術には重要な制約が存在します。それは、すでに他の術師や呪詛師と主従関係を結んでいる呪霊は、そのままでは取り込むことができないというルールです。
当初、呪術高専側は「主従制約のない自然発生した呪いのみを操れる」と認識していました。しかし実際には、主従関係が成立している呪霊であっても、その「主人」である術師を殺害すれば、主従契約は解除され、呪霊を奪取することが可能になるのです。
この特性は、呪霊操術が単なる呪霊収集術式ではなく、他の術師から戦力を奪い取ることができる略奪型の術式でもあることを示しています。敵対する呪霊使いを倒せば、その呪霊ごと自分の戦力に加えられる——これは戦略的に極めて強力な利点です。
夏油が伏黒甚爾の使っていた格納呪霊を後に使役していたのも、甚爾の死後にこの呪霊を取り込んだためと考えられます。まさに「死人に口なし」ならぬ「死人に呪霊なし」というわけです。
吐瀉物を処理した雑巾のような味がする代償
呪霊操術を扱う上で最も過酷な代償——それが、呪霊を取り込む際の筆舌に尽くしがたい「味覚的苦痛」です。
夏油傑本人の証言によれば、呪霊を飲み込む味は「吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みしているような味」だと表現されています。想像するだけでも吐き気を催すような、この世のものとは思えない悪臭と悪味が、術者の口腔と食道を通過していくのです。
この苦痛は単なる味覚の問題に留まりません。精神的な嫌悪感、生理的な拒絶反応と戦いながら、それでも呪霊を取り込み続けなければならない——これが呪霊操術使いの宿命です。
夏油が高専時代、非術師を守るために日々呪霊を祓い、取り込み続けていた頃、彼は毎日この苦痛に耐えていました。そして、その苦痛の果てに守るべき非術師たちから浴びせられた心ない言葉——「猿が騒いでらあ」という発言が、彼の心を決定的に折ることになります。
公式ファンブックでも「ストレス:呪霊を取り込むこと」と明記されているように、この行為は術者の精神を確実に蝕んでいきます。
呪霊操術は間違いなく強大な力ですが、その力を得るための代償もまた、想像を絶するものなのです。夏油傑という一人の青年が、この苦痛に耐え続けた末に辿り着いた答えが「術師だけの世界」だったとすれば、それは皮肉にも、この術式そのものが彼を闇へと導いたと言えるのかもしれません。
呪霊操術極ノ番「うずまき」の仕組みと真価

呪霊操術には、その膨大な呪霊ストックを一点に集約し、圧倒的な破壊力へと昇華させる奥義が存在します。それが極ノ番「うずまき」です。劇場版『呪術廻戦0』のクライマックスで夏油傑が放ったこの技は、乙骨憂太とリカを追い詰める凄まじい威力を見せつけました。そして、この技には単なる破壊技以上の、恐るべき秘密が隠されているのです。
取り込んだ呪霊を一つにまとめ超高密度の呪力を放つ
極ノ番「うずまき」は、取り込んだ複数の呪霊を一つの渦状のエネルギー体に融合し、超高密度に圧縮された呪力の奔流として解き放つ必殺技です。その威力は、投入する呪霊の数と質に比例して増大します。
夏油が百鬼夜行で使用した「うずまき」には、彼が保有していた4,461体の呪霊のうち、かなりの数が投入されたと推測されます。渦状に圧縮された無数の呪霊が一斉に解放される光景は、まさに呪いの奔流そのもの。乙骨とリカの全力攻撃でなければ防ぎきれない、絶大な破壊力を誇ります。
「うずまき」の恐ろしさは、その不可逆性にもあります。一度この技に投入した呪霊は消滅し、二度と使用できなくなります。つまり、これまで苦労して集めてきた呪霊という貴重な戦力資源を、一瞬の破壊力と引き換えに失うことになるのです。
それでもこの技が「極ノ番(奥義)」と称されるのは、その圧倒的な威力ゆえです。通常の呪霊使役では太刀打ちできない格上の敵、あるいは絶対に倒さなければならない決戦において、「うずまき」は最終兵器として機能します。呪霊操術の物量という強みを、究極の一点突破に変換する——それがこの技の本質なのです。
準1級以上の呪霊なら術式の抽出が可能になる
「うずまき」の真価は、単なる破壊力ではありません。この技には、準1級以上の呪霊を投入した場合に限り、その呪霊が持っていた固有術式を抽出し、術者が永続的に使用可能になるという驚異的な効果が存在するのです。
この特性が明らかになったのは、羂索が夏油の肉体で呪霊操術を使用した際です。羂索は「うずまき」で準1級以上の呪霊を消費することで、その呪霊の術式を自分のものとして獲得していました。これは呪霊操術の真の恐ろしさを示す、極めて重要な能力です。
通常、呪霊操術では呪霊を召喚してその術式を「借りる」ことはできますが、呪霊そのものを失えば術式も使えなくなります。しかし「うずまき」による術式抽出を行えば、呪霊を失っても術式だけは永続的に使用可能となるのです。
例えば、特殊な能力を持つ準1級呪霊を手に入れたとします。この呪霊を通常通り使役し続けることもできますが、「うずまき」で消費して術式を抽出すれば、その後は媒介なしで直接術式を発動できるようになります。呪霊という「リソース」を消費して、術者自身の「スキル」として永続的に獲得する——これはまさに究極の成長システムと言えるでしょう。
手数を捨てる代わりに絶大な威力を得る諸刃の剣
「うずまき」は強力ですが、その使用には慎重な判断が求められます。なぜなら、この技は呪霊操術の最大の強みである「手数の多さ」を自ら放棄する行為に他ならないからです。
数千体の呪霊を保有していたとしても、「うずまき」で大量の呪霊を消費してしまえば、その後の継戦能力は著しく低下します。百鬼夜行で夏油が放った「うずまき」も、乙骨との決戦に全てを賭けた一撃でした。もしこの攻撃が失敗すれば、主力となる呪霊を失った夏油には、もはや乙骨に対抗する手段が残されていなかったでしょう。
また、準1級以上の呪霊から術式を抽出する場合、その呪霊は永久に失われます。強力な特級呪霊を使役できる状態と、その術式だけを使える状態——どちらが有利かは状況次第です。呪霊そのものが持つ独立した戦闘能力や、囮としての価値を考えれば、必ずしも術式抽出が最善とは限りません。
「うずまき」は、呪霊操術という持久戦・物量戦に適した術式において、唯一の「一撃必殺」オプションです。物量で圧倒できない格上の敵、あるいは絶対に外せない決戦の一撃——そんな状況でこそ、この奥義は真価を発揮します。
夏油傑は百鬼夜行という人生最大の賭けにおいて、「うずまき」を選択しました。そして羂索は、呪霊操術を継承した後、術式抽出という隠された能力を活用し、さらなる強化を図っています。同じ「うずまき」でも、使い手の戦略次第で、その意味は大きく変わるのです。アニメ3期では、羂索による「うずまき」の戦術的運用が描かれることでしょう。その時、この奥義の恐ろしさを、ファンは改めて実感することになるはずです。
夏油傑が呪霊操術で使役していた主な呪霊
夏油傑が保有していた6,000体以上の呪霊の中でも、特に印象的で強力な呪霊たちが、アニメや原作で描かれてきました。これらの呪霊は、夏油の戦術の核を成す存在であり、呪霊操術の多様性を象徴するものばかりです。アニメ2期や劇場版で描かれた呪霊たちの活躍を振り返りながら、その特性を見ていきましょう。
虹龍

虹龍(こうりゅう)は、夏油が使役する呪霊の中でも特に強力な存在の一つです。その名の通り、龍のような姿をした呪霊で、水流を自在に操る能力を持っています。
アニメ2期第28話では、星漿体護衛任務の最中、夏油が虹龍を召喚して盤星教の非術師たちを蹴散らすシーンが印象的に描かれました。虹龍が放つ水流攻撃は、広範囲を一掃する破壊力を持ち、集団戦において真価を発揮します。
虹龍の特筆すべき点は、空中移動の手段としても活用できることです。夏油は虹龍の背に乗って移動することで、高速機動や空中からの奇襲を可能にしていました。戦闘能力と移動手段を兼ね備えた、まさに万能型の呪霊と言えるでしょう。
劇場版『呪術廻戦0』でも虹龍は登場し、百鬼夜行における夏油の主力として活躍しました。特級クラスではないものの、準1級程度の実力を持つと推測され、夏油の信頼厚い戦力であったことが窺えます。
化身玉藻前

化身玉藻前(けしんたまものまえ)は、夏油が使役する特級仮想怨霊です。その名は、日本三大悪妖怪の一つである玉藻前(九尾の狐)に由来しています。
劇場版『呪術廻戦0』のクライマックスで、この呪霊は圧倒的な存在感を示しました。巨大な狐のような姿を持ち、妖術による多彩な攻撃を繰り出します。特級呪霊に分類されるだけあって、その戦闘能力は桁違いです。
化身玉藻前の恐ろしさは、単純な物理攻撃だけでなく、妖術という特殊能力を駆使できる点にあります。炎や幻術など、様々な術を操ることができ、対応が非常に困難です。乙骨憂太とリカの猛攻を受けてもなお、一定時間戦闘を継続できる耐久力も持ち合わせています。
夏油が「うずまき」に投入した呪霊の中でも、化身玉藻前は主力の一つだったと考えられます。特級呪霊を複数保有していたことが、夏油の特級呪術師としての実力を証明しています。
口裂け女

口裂け女は、日本の都市伝説をモチーフとした呪霊です。夏油が使役していた呪霊の中でも、特に印象的な姿をしています。
大きく裂けた口と、巨大なハサミが特徴のこの呪霊は、その見た目の恐ろしさもさることながら、ハサミによる切断攻撃が非常に強力です。接近戦において真価を発揮し、素早い動きと鋭い斬撃で敵を翻弄します。
原作での登場シーンは限られていますが、都市伝説という「現代の恐怖」から生まれた呪霊であることが、呪術廻戦の世界観をよく表しています。人々の恐怖や負の感情が呪いを生むという設定において、口裂け女は現代社会の恐怖を象徴する存在と言えるでしょう。
等級としては1級から準1級程度と推測され、夏油の呪霊コレクションの中では中堅どころに位置すると思われます。しかし、その特異な能力と高い機動力は、戦術的に重要な役割を果たしていたはずです。
呪霊保管庫
呪霊保管庫は、戦闘能力よりも実用性に特化した特殊な呪霊です。元々は伏黒甚爾が使用していた格納呪霊で、夏油が何らかの経緯で取り込んだものと考えられます。
この呪霊の最大の特徴は、内部に広大な空間を持ち、様々な物品を格納できることです。甚爾はこの呪霊を使って大量の呪具を保管し、戦闘中に必要な武器を即座に取り出していました。夏油も同様に、この呪霊を呪具や物資の保管庫として活用していたでしょう。
劇場版『呪術廻戦0』では、夏油が三節棍などの特殊武器を使用するシーンがありましたが、これらの武器も呪霊保管庫に格納されていた可能性が高いです。戦闘中に手ぶらの状態から即座に武器を取り出せるというのは、大きな戦術的アドバンテージとなります。
呪霊保管庫の存在は、呪霊操術が単なる戦闘術式ではなく、生活のあらゆる面をサポートできる万能術式であることを示しています。移動手段(虹龍)、戦闘支援(化身玉藻前、口裂け女)、物資管理(呪霊保管庫)——夏油は呪霊操術の可能性を最大限に引き出し、完璧な戦闘システムを構築していたのです。
羂索による呪霊操術の進化と応用

夏油傑の死後、彼の肉体と術式は千年以上を生きる黒幕・羂索の手に渡りました。額の縫い目という不気味な痕跡を残しながら、羂索は呪霊操術を完全に継承し、その能力を夏油時代をはるかに凌駕するレベルまで引き上げています。アニメでは渋谷事変編でその正体が明かされ、多くのファンに衝撃を与えました。
夏油の肉体を乗っ取り呪霊操術を完全継承
羂索の術式は、他者の死体に自らの脳を移植することで、その肉体と生得術式を完全に掌握するというものです。術師本来の術式に加え、肉体に刻まれた生得術式も使用可能となり、さらに記憶まで受け継がれるという恐るべき能力です。
夏油傑が『呪術廻戦0』で五条悟に討たれた後、羂索はその遺体を手に入れ、自らの脳を移植しました。これにより、羂索は自身の術式に加えて、夏油の呪霊操術を完璧に使いこなせるようになったのです。
羂索が夏油の肉体を選んだ理由は明白です。呪霊操術こそが、羂索の壮大な計画——死滅回遊の実行に不可欠だったからです。千年の時を経て練り上げられた計画を実現するため、羂索は夏油という「器」を必要としていました。
さらに、夏油の姿を利用することで、五条悟を精神的に動揺させることも可能になります。渋谷事変で五条が封印される直前、かつての親友の姿に一瞬の躊躇を見せたシーンは、羂索の狡猾さを如実に示していました。肉体だけでなく、その「顔」までも戦略的に活用する——これが千年を生きた黒幕の恐ろしさです。
1000万体以上の呪霊を使役する圧倒的規模
羂索が呪霊操術を継承して最初に行ったことは、呪霊の大量収集でした。その結果、羂索が使役する呪霊の数は、夏油の6,000体を遥かに超える、1,000万体以上という途方もない規模に達しています。
この数字は、もはや個人の術式の範疇を完全に超えています。1,000万体の呪霊を一斉に解き放てば、日本中、いや世界中が呪霊の脅威に晒されることになるでしょう。死滅回遊の開始時に、羂索は大量の呪霊を日本各地に配置し、結界の維持と参加者の監視に活用しました。
夏油が数年かけて集めた呪霊が数千体規模だったのに対し、羂索は千年という時間と、多数の肉体を渡り歩いた経験を活かして、桁違いの呪霊軍団を構築したのです。この物量差は、単純な戦闘力の差以上に、戦略レベルでの圧倒的優位を意味します。
特級呪霊ガネーシャなど未登録の強力な呪霊を保有
羂索が使役する呪霊の中には、呪術高専にも登録されていない未知の特級呪霊が多数存在します。その代表格が、ヒンドゥー教の神をモチーフとした特級呪霊・ガネーシャです。
ガネーシャは象の頭を持つ巨大な呪霊で、その戦闘能力は未知数ながら、特級呪霊に分類されるだけあって極めて強力だと推測されます。羂索がこの呪霊を保有している事実は、彼が世界中から呪霊を収集していることを示唆しています。
日本国内の呪霊だけでなく、海外の信仰や伝承から生まれた呪霊まで取り込んでいる——これは夏油には不可能だったグローバルな呪霊コレクションです。千年という時間があれば、世界各地を巡り、現地の呪霊を収集することも可能でしょう。
アニメ3期で死滅回遊編が描かれる際には、これら未登場の強力な呪霊たちの活躍が期待されます。ガネーシャをはじめ、世界各地の神話や伝承をモチーフとした呪霊が登場すれば、呪術廻戦の世界観はさらに広がりを見せることでしょう。
呪霊操術と宿儺の術式の意外な関係性

呪霊操術の本質を探る上で、避けて通れない考察があります。それは、呪いの王・両面宿儺の術式との類似性です。一見すると全く異なる能力に見える両者ですが、深く分析すると驚くべき共通点が浮かび上がってきます。この関係性が、今後の展開で重要な意味を持つ可能性は決して低くありません。
領域「伏魔御厨子」が示す格納術式の可能性
宿儺の領域展開「伏魔御廚子(ふくまみづし)」——この名称には、呪霊操術との深い関連性を示唆する要素が詰まっています。
まず「御厨子」という言葉の意味を紐解くと、仏具を収める倉庫、あるいは台所を意味します。つまり、「何かを格納し、必要に応じて取り出す」という機能を連想させる名称なのです。これは、呪霊を体内に格納し、必要に応じて召喚する呪霊操術の特性と驚くほど一致します。
さらに「伏魔」は、魔を伏せる、つまり悪しきものを支配下に置くという意味を持ちます。呪霊操術が呪霊を降伏させ支配する能力であることを考えると、「伏魔御厨子」は「魔(呪い)を格納し支配する倉庫」と解釈できるのです。
宿儺の領域内には、様々な生物の頭骨が散乱しています。これらは宿儺が食べた存在の残骸と考えられますが、呪霊操術において呪霊を「食べる」ことで取り込むプロセスと、奇妙な符合を見せています。もし宿儺が敵を食べることで、その力を取り込んでいたとしたら——これは呪霊操術の本質そのものではないでしょうか。
食べることへの執着という共通点
宿儺と呪霊操術を結びつけるもう一つの重要な要素が、「食べる」という行為への執着です。
公式ファンブックによれば、宿儺の快楽は「食べること」にあります。領域展開の煽り文には「万死の厨房」という表現が使われ、料理や調理を連想させる要素が随所に見られます。宿儺の従者・裏梅も、料理の腕を買われて従者となったという設定があり、宿儺の食へのこだわりは作中で繰り返し強調されています。
一方、呪霊操術もまた「食べる」ことが核心となる術式です。呪霊を球体にして口から取り込むという行為は、まさに捕食そのものです。夏油にとって呪霊を取り込むことは最大のストレスでしたが、もし宿儺のような存在であれば、逆に快楽として感じる可能性すらあります。
両者とも、対象を「食べる」ことで力を得る——この共通性は、単なる偶然とは思えません。芥見下々先生の緻密な設定を考えれば、この類似性には深い意味が込められているはずです。
複数の術式を扱える仕組みの類似性
宿儺は「解」「捌」という斬撃技に加え、「竈(カミノ)」という炎の術式を使用します。通常、術師は一つの生得術式しか持ちませんが、宿儺は明らかに異なる性質の術式を複数使いこなしているのです。
この「複数術式の使用」という特性は、呪霊操術の本質と酷似しています。呪霊操術使いは、取り込んだ呪霊の術式を自由に使用できます。化身玉藻前の妖術、虹龍の水流、口裂け女のハサミ攻撃——これら全く異なる術式を一人で扱えるのです。
さらに、「うずまき」による術式抽出という隠し能力を考慮すると、類似性はより鮮明になります。呪霊操術は、呪霊を消費することで、その術式を永続的に獲得できます。もし宿儺の術式にも同様の機能があるとすれば——宿儺が敵を食べることで、その術式を奪い取っていたとしたら、炎の術式の出所も説明がつくのです。
一部の考察では、宿儺が双子の兄弟を食べたことで、二つ目の術式を得たという説もあります。これもまた、「食べることで力を得る」という呪霊操術との共通パターンに当てはまります。
呪いの王と呪霊操術の本質的なつながり
なぜ宿儺は「呪いの王」と呼ばれるのでしょうか? もし宿儺が呪霊操術、あるいはそれに類する格納術式を持っていたとすれば、この称号は完璧に合致します。
呪霊を意のままに支配し、無限に蓄積できる術式を持つ者——それはまさに呪いを統べる王と呼ぶに相応しい存在です。夏油でさえ6,000体の呪霊を使役していたのですから、千年を生きた宿儺が保有していた呪霊の数は想像を絶するものだったでしょう。
また、宿儺が伏黒恵の十種影法術に執着していた理由も、格納術式の観点から説明できます。十種影法術は式神を調伏し使役する術式であり、これもまた「降伏させた存在を支配する」という点で呪霊操術と共通しています。宿儺は自分と似た性質を持つ術式に、本能的に惹かれたのかもしれません。
呪霊操術と宿儺の術式が同じであるとは断言できません。しかし、両者が「格納」「支配」「捕食」という共通の本質を持っている可能性は極めて高いのです。
この考察が正しければ、夏油傑という一人の術師が、図らずも呪いの王と同じ力を扱っていたことになります。そして羂索がこの術式を選んだ理由も、宿儺との深い関連性があるからかもしれません。アニメ3期以降、宿儺の術式の詳細が明らかになる時、この類似性がどのように描かれるのか——ファンとしては今から期待が高まるばかりです。呪霊操術という術式は、我々が想像する以上に、呪術廻戦の世界の根幹に関わる重要な鍵を握っているのかもしれません。
呪霊操術の弱点とリスク
どれほど強大な術式にも、必ず弱点は存在します。呪霊操術もまた例外ではありません。その圧倒的な物量と戦術の幅は確かに脅威ですが、それを支える術者本人に致命的なリスクが集中しているのです。夏油傑の最期も、この弱点が露呈した結果と言えるでしょう。
術者が死亡すると呪霊が暴走する致命的な弱点
呪霊操術の最も危険な弱点——それは術者の死によって、全ての呪霊が制御を失い暴走するという点です。これは味方にとっても、周囲の人々にとっても、極めて危険な事態を引き起こします。
呪霊は本来、人間に害をなす存在です。呪霊操術によって強制的に従属させられているだけで、その本質は変わりません。術者という「鎖」が断たれた瞬間、数千、数万の呪霊が一斉に野に放たれることになるのです。
夏油が五条に討たれた際、彼が保有していた6,000体以上の呪霊がどうなったかは明確に描かれていません。しかし、羂索が夏油の遺体を確保できたということは、呪霊の暴走が起きる前に、遺体を入手し術式を継承したものと考えられます。もし羂索の介入がなければ、新宿周辺は解き放たれた呪霊によって大惨事となっていたでしょう。
この弱点は、呪霊操術使いが常に「単独での任務」を避けられない理由でもあります。仲間と協力して戦う場合でも、自分が死ねば味方を呪霊の暴走に巻き込むことになります。夏油が「術師だけの世界」を目指す過程で孤立していったのも、この術式の性質が一因かもしれません。
特級呪霊の降伏には極めて高い実力が必要
呪霊操術のもう一つの大きな制約が、強力な呪霊を取り込むために必要な実力です。2級以下の呪霊なら無条件で取り込めますが、準1級以上、特に特級呪霊ともなれば、まず戦闘で完全に降伏させなければなりません。
特級呪霊は、それ単体で都市を壊滅させるほどの力を持つ存在です。化身玉藻前や虹龍のような特級クラスの呪霊を降伏させるには、術者自身が特級術師に匹敵する戦闘能力を持っている必要があります。
夏油傑が特級呪術師に認定されたのも、この条件をクリアしていたからです。しかし、裏を返せば、術者の実力が伴わなければ、呪霊操術は弱小呪霊を大量に集めることしかできない術式に成り下がってしまうのです。
また、降伏させるプロセスでは、術者自身が大きなダメージを受けるリスクもあります。特級呪霊との死闘に勝利しても、そこで力尽きてしまえば、せっかく降伏させた呪霊を取り込むことすらできません。呪霊収集は常に命がけの行為なのです。
取り込み時の苦痛は精神的な負担となる
前述したように、呪霊を取り込む際の味覚的苦痛は凄まじいものです。「吐瀉物を処理した雑巾」のような味——この表現だけで、どれほど過酷な行為かが想像できます。
夏油の公式プロフィールに「ストレス:呪霊を取り込むこと」と明記されている通り、この苦痛は単なる一時的な不快感では済みません。呪霊を取り込むたびに、術者の精神は確実に蝕まれていきます。
高専時代の夏油は、毎日のように呪霊を祓い、取り込んでいました。日々蓄積されていく精神的苦痛——それは夏油の心を少しずつ、しかし確実に破壊していったのです。そして、星漿体護衛任務の失敗と、非術師たちからの心ない言葉が決定打となり、夏油は「術師だけの世界」という極端な思想へと転落していきました。
呪霊操術は、使えば使うほど術者の心を蝕む、まさに「呪われた術式」なのです。羂索のように千年を生きる存在でなければ、この苦痛に耐え続けることは不可能かもしれません。
主従関係のある呪霊は主を倒さないと取り込めない
呪霊操術には、他の術師が使役している呪霊を直接奪えないという制約があります。主従関係が成立している呪霊を取り込むには、まずその主人である術師を殺害しなければなりません。
これは戦術的に大きな制約となります。敵対する呪霊使いと遭遇した場合、その呪霊を奪取するためには、必ず本体を倒す必要があるのです。呪霊だけを倒しても意味がなく、むしろ相手の戦力を一時的に削るだけで、時間が経てば再び召喚されてしまいます。
また、この制約は倫理的な問題も孕んでいます。強力な呪霊を欲するがために、その使い手を殺害する——呪霊操術使いは、常にこの誘惑と戦わなければならないのです。夏油が闇落ちした一因も、この術式が持つ「略奪性」にあったのかもしれません。
強力な術式ゆえに背負わされる重荷——呪霊操術は、その力と引き換えに、術者に過酷な運命を強いる術式なのです。夏油傑という一人の青年が、この術式に翻弄され、悲劇的な最期を遂げたことを忘れてはなりません。アニメで夏油の生涯を追う時、この術式の呪いの深さを、視聴者は痛感することになるでしょう。
呪霊操術に関するよくある質問

呪霊操術について、ファンの皆さんから寄せられる疑問や、議論になりやすいポイントをまとめました。アニメや原作を見ていて「ここはどうなんだろう?」と思った部分について、できる限り詳しく解説していきます。
極ノ番「うずまき」は何回使えるの?
「うずまき」は理論上、何度でも使用可能です。ただし、一度使用すると投入した呪霊は全て消滅するため、使えば使うほど保有する呪霊の数は減少していきます。
夏油が百鬼夜行で使用した「うずまき」には、彼が保有していた4,461体のうち、かなりの数が投入されたと推測されます。この一撃で乙骨とリカを追い詰めましたが、同時に夏油の主力戦力も大きく削られました。
「うずまき」の使用回数に制限はありませんが、「どのタイミングで、どれだけの呪霊を投入するか」という戦略的判断が極めて重要になります。物量が強みの呪霊操術において、「うずまき」は手数を捨てて一点突破する博打のような技なのです。
羂索は1,000万体以上の呪霊を保有しているため、「うずまき」を何度も使用できる余裕があります。アニメ3期では、羂索が「うずまき」を複数回使用し、様々な術式を抽出するシーンが描かれるかもしれません。
宿儺の術式と本当に同じなの?
宿儺の術式と呪霊操術が「完全に同じ」とは断言できません。しかし、両者には「格納」「支配」「捕食」という共通の本質が存在する可能性が高いです。
宿儺の領域「伏魔御厨子」は「魔を格納する倉庫」を意味し、呪霊操術の「呪霊を体内に格納する」機能と酷似しています。また、両者とも「食べる」ことに深く関連しており、宿儺の快楽が食事であることは公式設定です。
さらに、宿儺が複数の術式(斬撃と炎)を使用できることも、呪霊操術の「複数の呪霊の術式を使える」特性と一致します。もし宿儺が敵を食べることでその術式を奪っていたとすれば、これは「うずまき」による術式抽出と同じメカニズムです。
ただし、これらはあくまで考察の域を出ません。公式での明言はないため、宿儺の術式の正体が明らかになるまでは、「類似性はあるが、同一かは不明」という結論になります。アニメ3期以降、宿儺の術式の詳細が描かれた時、この謎が解けることを期待しましょう。
呪霊操術の領域展開は存在するの?
夏油傑が領域展開を使用できたかは、作中で明確に描かれていません。公式ファンブックでも言及がなく、大きな謎の一つとなっています。
特級呪術師は通常、領域展開を使用できます。夏油以外の特級術師——五条悟、乙骨憂太、九十九由基——は全員が領域展開を使えることが確認されています。しかし夏油だけは、劇場版『呪術廻戦0』でも領域展開を使用しませんでした。
考えられる理由はいくつかあります。一つは、領域の焼き切れが起こると、支配下の呪霊が暴走する危険性があるため、使用を避けていた可能性です。味方である美々子や菜々子を巻き込むリスクを避けるため、領域展開は温存していたのかもしれません。
もう一つの可能性は、夏油は領域展開を習得していたが、乙骨との戦いではあえて使わなかったというものです。最終的に「うずまき」で決着をつけようとしていたため、領域展開を使うタイミングがなかったとも考えられます。
一方、羂索は領域展開を使用可能であることが確認されています。ただし、それが夏油の呪霊操術に基づく領域なのか、羂索自身の術式による領域なのかは不明です。アニメ3期で羂索の領域展開が描かれれば、この謎の一端が明らかになるでしょう。
呪霊操術を完全解説まとめ

呪霊操術は、降伏させた呪霊を体内に取り込み自在に操る、特級クラスの強大な術式です。その本質は「圧倒的な手数と戦術の幅」にあり、数千から数万の呪霊を使役することで、あらゆる状況に対応できる万能性を持ちます。
夏油傑という一人の青年がこの術式に翻弄され、「術師だけの世界」という極端な思想へと追い込まれた悲劇は、呪術廻戦という物語の根幹を成すテーマの一つです。呪霊を取り込む際の筆舌に尽くしがたい苦痛、術者の死によって呪霊が暴走するリスク——これらの代償と引き換えに得られる力は、確かに強大ですが、その重荷もまた計り知れません。
そして現在、この術式は千年を生きる黒幕・羂索の手に渡り、1,000万体以上という桁違いの規模へと拡大しています。「うずまき」による術式抽出という隠された機能を駆使し、羂索は呪霊操術のポテンシャルを完全に引き出しています。
さらに、呪いの王・両面宿儺の術式との類似性という興味深い考察も存在します。「伏魔御厨子」が示唆する格納術式の可能性、食べることへの執着、複数術式の使用——これらの共通点は、呪霊操術が呪術廻戦の世界観の根幹に関わる重要な術式である可能性を示唆しています。
呪霊操術という術式は、単なる戦闘能力以上の意味を持つ、呪術廻戦という物語の核心に迫る鍵なのです。
ゼンシーア