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『僕のヒーローアカデミア』のスピンオフ作品『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』が、2025年春のアニメ化で再び注目を集めています。非合法ヒーロー「ヴィジランテ」として活動する灰廻航一の成長物語は、本編とは異なる視点からヒーロー社会の光と影を描き出す珠玉の作品です。
本記事では、原作漫画全15巻のあらすじを最終回まで完全ネタバレで徹底解説!さらにオールマイトの全盛期、ステイン誕生の秘密、イレイザーヘッドの過去など、本編ファン必見の情報も満載です。アニメ第2期制作も発表され、今こそ『ヴィジランテ』の世界を深く知る絶好のタイミング。この記事で物語の全貌を把握し、さらなる感動に備えましょう!
『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』とは?

『僕のヒーローアカデミア』の熱狂的なファンなら見逃せない、もう一つのヒーロー物語が『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』です。この作品は本編とは異なる視点から、ヒーロー社会の光と影を描き出す珠玉のスピンオフ作品となっています。
脚本を古橋秀之、作画を別天荒人が担当し、『ヒロアカ』原作者の堀越耕平が監修を務めるこの作品は、少年ジャンプ+で連載され全15巻で完結しました。本編のキャラクターも多数登場するため、堀越先生の監修により世界観の一貫性が保たれているのが大きな魅力です。
非合法ヒーロー「ヴィジランテ」の世界観と本編との違い
『ヴィジランテ』最大の特徴は、プロヒーローの華々しい活躍の裏側で暗躍する「非合法ヒーロー」たちの物語を描いている点です。本編では正規のヒーロー免許を持つプロヒーローが中心ですが、本作では無免許で自警活動を行う「ヴィジランテ(自警団)」にスポットライトが当たります。
彼らは法的にはグレーゾーンの存在でありながら、プロヒーローが手の届かない場所で人々を救う活動を続けています。この設定により、本編では描かれなかったヒーロー社会の複雑な側面や、正義とは何かという深いテーマが浮かび上がってきます。主人公の灰廻航一をはじめとするヴィジランテたちは、警察やプロヒーローから追われる立場でありながらも、純粋な正義感で行動する姿が心を打ちます。
原作漫画全15巻とアニメ化の情報
原作漫画は2016年から2022年まで少年ジャンプ+で連載され、全15巻で完結しています。そして2025年春、多くのファンが待ち望んでいたアニメ化がついに実現しました。制作は本編と同じくボンズが担当し、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』で総監督を務めた鈴木健一さんが監督を務めています。
アニメ第1期は高い評価を受け、早くも第2期の制作が発表されました。第1期では主に序盤から中盤のエピソードが描かれ、特にナックルダスターと蜂須賀九印の因縁、そして相澤消太の過去編が丁寧に映像化されています。OPテーマをこっちのけんとさん、EDテーマをyutoriさんが担当し、作品の世界観を盛り上げています。本編『ヒロアカ』のクオリティを受け継ぎながらも、独自の魅力を放つアニメーションに仕上がっており、2026年の第2期放送に向けて期待が高まっています。
本編「ヒロアカ」との時系列はデク入学の4~5年前
『ヴィジランテ』の時間軸は、本編の主人公・緑谷出久(デク)が雄英高校に入学する約4~5年前に設定されています。つまり、オールマイトがまだ完全なる平和の象徴として君臨し、No.1ヒーローとして昼夜を問わず多忙を極めていた全盛期の時代です。
この時代設定により、本編では既に引退していた初代インゲニウム(飯田天晴)が現役ヒーローとして活躍する姿や、教師になる前のイレイザーヘッド(相澤消太)のヒーロー活動、さらには若き日のミッドナイトやプレゼント・マイクといった雄英高校の先生たちの学生時代を見ることができます。
本編との繋がりも深く、『僕のヒーローアカデミア』424話では『ヴィジランテ』の主人公・灰廻航一が登場し、アメリカの大統領の指示を受けて日本の復興支援に参加している姿が描かれました。この登場により、『ヴィジランテ』は単なるスピンオフではなく、本編の世界観を補完する重要な作品であることが証明されています。本編ファンにとっては、過去の出来事や伏線の答え合わせができる必読の物語なのです。
『ヴィジランテ』の主要キャラクター
『ヴィジランテ』の物語を彩る魅力的な主要キャラクターたちを紹介します。それぞれが異なる背景と動機を持ちながらも、人を救いたいという純粋な想いで繋がっている3人のヴィジランテたち。彼らの成長と絆が、この作品の大きな見どころとなっています。
灰廻航一(ザ・クロウラー)

本作の主人公である灰廻航一は、ヒーローへの憧れを捨てきれない冴えない大学生です。かつて雄英高校を目指していたものの、受験に失敗して夢を諦めた彼は、それでも人助けへの情熱を失いませんでした。夜になるとオールマイトのコスプレ姿で街を徘徊し、プロヒーローを気取って小さな善行を重ねる日々を送っています。
ビルの屋上にあるペントハウスを改装して一人暮らしをしていますが、その独特な生活スタイルもあって大学では孤立気味。しかし、その心優しい性格と正義感の強さは本物で、困っている人を見過ごすことができません。個性は「滑走」という地味なもので、三点以上を接地させることで高速移動が可能になります。
物語が進むにつれ、母親から「昔は空を飛んでいた」という衝撃の事実が明かされ、中盤で本来の個性「飛行」が覚醒します。ナックルダスターとの出会いをきっかけに本格的なヴィジランテ活動を始め、数々の戦いを通じて真のヒーローへと成長していく姿は、まさに王道の少年漫画主人公と言えるでしょう。最終的にはアメリカで正式なヒーローとして活躍することになります。
ポップ☆ステップ

羽根山和歩、通称ポップ☆ステップは、定期的に非合法ゲリラライブを開催する自称アイドルです。彼女の個性「跳躍」を活かした派手なパフォーマンスが特徴で、足場を蹴り上げることで高く飛び跳ねながらステージを縦横無尽に動き回ります。歌唱力は特別高いわけではありませんが、そのダイナミックなパフォーマンスと「尻が目立つ」ことでファンを獲得しています。
性格は絵に描いたようなツンデレで、航一に対して素直になれない様子が微笑ましいキャラクターです。普段のアイドル活動では目元を隠す派手なメイクをしていますが、素顔はボサボサ髪の眼鏡女子という、いわゆる「芋女子」設定。しかし多くの読者は素顔のほうが可愛いと感じているはずです。
実は彼女には航一との重要な過去があります。中学生の頃、川で溺れていたところを航一に助けられたのです。その時の航一は雄英高校の入試に向かう途中でしたが、試験を犠牲にしてでも彼女を救いました。この出来事がポップの心に深く刻まれており、彼女が航一に特別な感情を抱く理由となっています。航一のペントハウスにライブの準備場所として入り浸るようになり、ヴィジランテ活動にも協力するようになります。
ナックルダスター

雄黒巌、通称ナックルダスターは自称「掃除屋」として活動する謎多き中年男性です。筋骨隆々の肉体を持ち、驚異的な身体能力でヴィランと渡り合いますが、実は無個性という衝撃の事実が明かされます。それでもプロヒーロー・イレイザーヘッドと互角に戦えるほどの実力を持ち、「その辺のヒーローならステゴロでぶちのめせる」レベルの格闘センスを誇ります。
両手に装着したナックルダスター、移動に使うフックロープ、そしてゴミ捨て場などで着地の衝撃を和らげるという工夫を凝らした戦闘スタイルは、無個性だからこそ培われたもの。昼間は仕事をこなし、夜はヴィジランテ活動に勤しむという驚異的なバイタリティの持ち主です。
その正体は元ベテランプロヒーロー「オクロック」。かつて個性「オーバークロック」を持っていましたが、オール・フォー・ワン(AFO)との戦いで敗北し、個性を奪われてしまいました。彼がヴィジランテ活動を続ける理由は、違法薬物「トリガー」を追い、そして個性「女王蜂」に寄生されて操られている娘・雄黒珠緒(蜂須賀九印)を救うため。父親として、そして元ヒーローとしての覚悟を持って、危険な戦いに身を投じ続けているのです。
ヴィジランテをネタバレ全巻解説
ここからは『ヴィジランテ』全15巻のストーリーを、重要なネタバレを含めて徹底解説していきます。物語は大きく4つの編に分かれており、それぞれが主人公・灰廻航一の成長と、彼を取り巻く人々の運命を描き出しています。まだ作品を未読の方は、ここから先はネタバレ情報が満載ですのでご注意ください。
①:ヴィジランテ活動スタート編(1~3巻)

物語は冴えない大学生の灰廻航一が、チンピラに絡まれるところから始まります。絶体絶命のピンチに陥った航一を救ったのは、自称「掃除屋」の謎の覆面男・ナックルダスター。圧倒的な格闘能力でチンピラを一蹴する彼の姿に、航一はヒーローの片鱗を見出します。その後、非合法ゲリラライブを開催する自称アイドル・ポップ☆ステップも加わり、3人でヴィジランテ活動をスタートさせることになります。
このスタート編で衝撃的なのは、ナックルダスターが実は無個性だという事実です。プロヒーロー・イレイザーヘッド(相澤消太)が個性「抹消」を発動した際に何の変化もなかったことで判明するのですが、それでもステゴロでプロヒーローと互角に戦える彼の実力は本物。フックロープを使った移動や、ゴミ捨て場での着地で衝撃を和らげるなど、無個性だからこその工夫が光ります。
ナックルダスターが追っているのは、違法薬物「トリガー」を流通させているヴィラン・蜂須賀九印。左目に眼帯をつけた女子高生の彼女は、個性「女王蜂」を使って民間人にトリガーをばら撒き、街を混乱に陥れています。ナックルダスターには蜂須賀を追う特別な理由があるようですが、この時点では明かされません。
また、この編では本編『ヒロアカ』のキャラクターたちも続々登場します。爽やかなインゲニウム(飯田天晴)は航一にブレーキの重要性をアドバイスし、良き友人として関わっていきます。堀内警部は航一の大学の先輩である妹・真とともに登場し、ヴィジランテたちを見守る存在に。そしてアメリカからやってきたお騒がせヒーロー・キャプテン・セレブリティの登場で、航一の周りはますます騒がしくなっていきます。
②:蜂須賀戦・相澤消太過去編(4~9巻)

ポップ☆ステップのアイドル活動が軌道に乗り始め、大規模ライブイベント「なるフェス」への出演が決まります。しかしその裏で、ナックルダスターはついに蜂須賀九印との直接対決に臨むことになります。そこで明かされる衝撃の真実——蜂須賀九印の正体は、ナックルダスターの娘・雄黒珠緒が個性「女王蜂」に寄生されて操られている姿だったのです。
自分と向き合わなかった父への怒りを募らせる蜂須賀(珠緒)は、本気の殺意でナックルダスターに襲いかかります。しかし父親としての覚悟を決めたナックルダスターは、実の娘が相手でも容赦なく拳を叩き込みます。激闘の末、ナックルダスターは一度自分の心臓を止めて女王蜂を体外に引きずり出し、その後AEDで心肺蘇生を施すという命がけの荒業で娘を取り戻すことに成功します。
娘を救出できたナックルダスターは、当初の目的を果たしたため航一たちの元を去ってしまいます。師匠の背中を見送る航一とポップ。2人きりになった彼らですが、ヴィジランテ活動は続いていきます。
7巻ではキャプテン・セレブリティが深く掘り下げられ、8・9巻では本編ファン必見のエピソードが展開されます。それは教師になる前のイレイザーヘッド(相澤消太)の高校生時代の物語。本編でも語られた親友・白雲朧との友情が詳細に描かれ、3人でつけるようになったおそろいのゴーグルの由来も明かされます。
白雲朧はイレイザーヘッドとプレゼント・マイクの親友で、明るく前向きな性格の持ち主でした。しかしインターン中の交戦で、相澤の目の前で白雲が命を落としてしまいます。この悲劇的な出来事が、相澤消太という人間の根幹を形作ったことが分かる、非常に重要なエピソードです。本編で見せる相澤先生の慎重さや生徒への厳しくも優しい態度の原点が、ここにあったのです。
③:航一覚醒編(10~12巻)

アイドルとして順調に人気を獲得していくポップ☆ステップでしたが、黒幕が蜂須賀の次に差し向けた新たな刺客によって危機に陥ります。その刺客とは改造人間「No.6」。彼はポップに寄生蜂を寄生させ、彼女を操り人形にしてしまいます。操られたポップは事件を起こし、指名手配犯となってしまうのです。
航一をはじめとしたヴィジランテの仲間たち、そしてイレイザーヘッドの協力もあり、ポップは無事に救出されます。この戦いの中で、航一に眠っていた本来の個性「飛行」がついに覚醒します。母親から「昔は空を飛んでいた」と言われていた記憶が蘇り、三点接地の「滑走」ではなく、真の力である「飛行」能力が目覚めたのです。
覚醒した航一は、No.6をエンデヴァーの前に引きずり出すという離れ業を成功させます。しかし同時に、自分たちヴィジランテの存在もエンデヴァーに知られてしまい、その場から逃走することに。この一連の出来事で、航一は大きく成長しましたが、No.6は航一への憎悪をさらに募らせてしまいます。
そしてこの編で、ナックルダスターの過去が全て明かされます。彼の本当の名前は「オクロック」、かつてベテランプロヒーローとして活躍していた人物でした。個性は「オーバークロック」という強力な能力。しかしオール・フォー・ワン(AFO)との戦いに敗れ、その個性を奪われてしまったのです。さらに衝撃的なことに、奪われた「オーバークロック」は今、No.6に与えられています。
無免許での自警活動は当然違法行為。航一たちは警察やプロヒーローから追われる立場となり、さらに厳しい状況へと追い込まれていきます。それでも人を救いたいという純粋な想いは変わらず、航一は次なる戦いへと向かっていくのです。
④:最終決戦編(13~15巻)

物語はついにクライマックスへ。ザ・クロウラーとなった航一とNo.6の最終決戦「鳴羽田ロックダウン」が幕を開けます。No.6は個性「オーバークロック」の加速状態を維持するため、どんどん異形の姿へと変貌していきます。常人では追いつけないスピードで襲いかかるNo.6ですが、航一はその攻撃を次々と回避していきます。
それは決して超人的な反射神経ではなく、考えなしに人を救い続けてきた航一が会得した「怪物級の条件反射」によるもの。目の前で苦しむ人がいれば、考えるより先に体が動く——その積み重ねが、No.6の猛攻を避け続ける力となっていたのです。まさにヒーローの本質を体現する戦いぶりでした。
戦いにはナックルダスター(オクロック)も参戦します。かつての弟子であるNo.6、そして自分の個性を奪ったAFOへの因縁。すべてを清算する時が来たのです。さらに1話で登場したチンピラで、今ではすっかり頼れる仲間となった釘崎爪牙も成長した姿を見せます。
仲間たちの奮闘、そして航一の個性のさらなる進化によって、ついにNo.6を追い詰めることに成功します。最後まで航一はNo.6を救おうとしますが、その想いは届かず、No.6は自爆という形で最期を迎えます。航一の純粋な正義感は、敵であるNo.6にすら向けられていました。しかしそれが報われることはなく、これもまた非情なヒーロー社会の現実を示しています。
航一の可能性を目の当たりにしたAFOは、この戦いから得た知見を活かし、本編時間軸へ向けて改造脳無の開発に注力していくことになります。『ヴィジランテ』の戦いが、本編の脅威へと繋がっていく恐ろしい伏線です。
すべての戦いを終えた航一は、キャプテン・セレブリティのサイドキックとして渡米し、アメリカでヒーロー活動を行っていくことを決意します。非合法のヴィジランテから、正式なヒーローへ。航一の新たな人生が、遠い異国の地で始まるのです。そして後に本編424話で、彼は日本の復興支援のため帰国することになります。
本編「ヒロアカ」に登場する重要キャラクターたちの過去

『ヴィジランテ』の大きな魅力の一つは、本編『ヒロアカ』のキャラクターたちの過去や若き日の姿が描かれることです。本編では既に伝説となっているヒーローたちの全盛期、あるいは教師になる前の学生時代など、ファンなら誰もが「見てみたい」と思っていたエピソードが満載。ここでは特に重要な4人のキャラクターに焦点を当てて紹介します。
全盛期のオールマイト
本編では既に負傷の影響で弱体化していたオールマイトですが、『ヴィジランテ』では完全なる平和の象徴として君臨する全盛期の姿が描かれます。この時代のオールマイトは別格の強さを誇り、どんな事件も一瞬で解決してしまう圧倒的な存在です。
ただし、その強さゆえに昼夜を問わず休む暇もないほどの多忙を極めていました。事務所は六本木タワーの頂上という超一等地にあり、堀内警部が事務処理を手伝うほどの激務ぶり。サー・ナイトアイと決別した後の時期でもあり、サイドキックもいない中で孤軍奮闘する様子が描かれています。
興味深いのは、トゥルーフォーム(本来の痩せた姿・八木俊典)を「秘書」ということにして隠していた点。本編では雄英高校の教師として八木俊典の姿も市民権を得ていましたが、この時代はまだオールマイトの正体を隠す必要があったのです。平和の象徴としてのプレッシャーと、一人の人間としての限界——その両方を抱えながら戦い続けるオールマイトの姿は、本編を知るファンにとってより一層感慨深いものがあります。
ステイン誕生の秘密
本編で大きな衝撃を与えたヴィラン・ステインですが、『ヴィジランテ』では彼がステインになる前の姿が描かれます。当時の彼は「スタンダール」という名で独自にヴィジランテ活動を行っており、仮面を被った侍のような姿で登場します。
スタンダールは序盤で航一を助けたこともあり、航一からは憧れの対象として見られていました。しかし本質的には既に殺人鬼の素質を持っており、正義の仮面を被っているだけの存在でした。そんな彼に転機が訪れたのは、ナックルダスターとの戦いです。
ナックルダスターに「贋物」だと指摘されたスタンダールは、大きな気づきを得ます。それは「英雄紛い」こそが罪深いという思想。真のヒーローではない者がヒーローを名乗ることこそが許されない——この歪んだ正義感が、後のステインの思想の根幹となりました。この戦いの後、スタンダールはアジトに戻って自分の鼻を削ぎ落とすという狂気的な行動に出ます。こうして本編で見せた異様な外見のステインが誕生したのです。
最初は正義のヴィジランテとして描かれながらも、次第にその狂気が明らかになっていく過程は、読者に強烈な印象を与えます。ステインというヴィランの「誕生の瞬間」を目撃できるのは、『ヴィジランテ』ならではの醍醐味と言えるでしょう。
初代インゲニウム(飯田天晴)
本編では飯田天哉の兄として登場し、既にヴィランに襲われて再起不能となっていた初代インゲニウム・飯田天晴。本編ファンにとっては「もっと活躍する姿が見たかった」と思わせるキャラクターでしたが、『ヴィジランテ』ではその願いが叶います。
天晴は現役ヒーローとして颯爽と活躍する姿で登場し、準レギュラーキャラクターとして物語に関わっていきます。初登場はジョギング中に偶然、個性の特訓をしていた航一と出会ったシーン。航一の「滑走」という個性を見て、ブレーキの重要性についてアドバイスを送ります。これは自身の個性「エンジン」を使いこなす上で得た経験からの助言でした。
天晴は航一を自身のチーム「チームIDATEN」にスカウトしようとしますが、航一には既にナックルダスターという師匠がいると知ると、無理強いはせず良き友人として関わっていくことを選びます。爽やかで正義感が強く、後輩思いな性格——まさに理想のヒーロー像を体現する人物として描かれています。弟の天哉がなぜあれほど兄を尊敬していたのか、その理由が痛いほど分かる描写です。
教師になる前のイレイザーヘッド
本編では雄英高校1-A組の担任教師として生徒たちを厳しくも温かく見守るイレイザーヘッド(相澤消太)。『ヴィジランテ』では教師になる前、鳴羽田エリアでプロヒーローとして活動していた時代が描かれます。
当初、相澤はヴィジランテに対して否定的でした。法を無視した自警活動は秩序を乱すと考えていたのです。しかし航一の純粋な正義感と行動力を目の当たりにし、次第に彼のことを気に入るようになります。何かと世話を焼くようになり、航一にとっても頼れる先輩ヒーローとなっていきます。実は相澤が教師職に前向きになったのも、航一の存在が大きく影響していました。
そして8・9巻で描かれる相澤の高校生時代編は、本編ファン必見のエピソードです。親友の白雲朧、そしてプレゼント・マイク(山田)とよくつるんでいた3人の学生時代が描かれ、白雲の発案でつけるようになったおそろいのゴーグルのエピソードも明かされます。
しかしインターン中の交戦で、相澤の目の前で白雲が命を落としてしまいます。この悲劇的な出来事が相澤消太という人間を形作り、本編で見せる慎重さや生徒への厳しくも優しい態度の原点となったのです。本編では既に遺体を脳無に改造されてしまった白雲朧の、生前の明るく前向きな姿を見られるのは『ヴィジランテ』だけ。相澤のオリジンストーリーとして、涙なしには読めないエピソードとなっています。
『ヴィジランテ』最終回のその後と本編への繋がり

『ヴィジランテ』は全15巻で完結しましたが、キャラクターたちの物語はそこで終わりではありません。最終回でそれぞれの道を歩み始めた登場人物たちは、その後どうなったのか。そして本編『僕のヒーローアカデミア』との繋がりはどう描かれたのか。ファンが最も気になるポイントを徹底解説します。
灰廻航一はアメリカで正式なヒーローとして活動開始
No.6との最終決戦を終えた航一は、大きな決断を下します。それはキャプテン・セレブリティのサイドキックとして渡米し、アメリカでヒーロー活動を行うという選択でした。日本では非合法のヴィジランテとして追われる立場だった航一にとって、これは正式なヒーローになれる大きなチャンスです。
キャプテン・セレブリティは序盤から航一の可能性を見抜いていたキャラクターで、彼のもとでなら航一は正しい形でヒーローの道を歩めます。個性「飛行」も完全に覚醒した航一は、アメリカで新たなヒーローとしてのキャリアをスタートさせました。かつて雄英高校の受験に失敗し、ヒーローの夢を諦めた冴えない大学生が、遠い異国の地で本物のヒーローとして認められる——この展開は、航一の成長物語の完璧な結末と言えるでしょう。
アメリカという新天地で、航一がどのような活躍を見せるのか。日本を離れることで、ポップ☆ステップとの関係はどうなるのか。最終回は希望に満ちた別れのシーンで締めくくられますが、ファンの想像を掻き立てる余韻を残しています。
ヒロアカ本編424話での再登場!日本の復興支援に参加
そして『ヴィジランテ』ファンを歓喜させる出来事が、本編『僕のヒーローアカデミア』424話で起こります。なんと灰廻航一が本編に登場したのです!これは両作品の世界観が完全に繋がっていることを証明する、記念すべき瞬間でした。
本編424話の時点で、航一はアメリカで正式なヒーローとして活躍していることが確認できます。そして大統領の指示を受けて日本の復興支援に参加しているという設定。本編の最終章で日本は大きな戦いを経て復興の途上にあり、そこに航一が戻ってきたのです。
かつて日本で非合法のヴィジランテとして活動していた青年が、今度は正式なヒーローとして、しかもアメリカからの支援という形で母国に帰ってくる。この展開には、航一の成長と、彼が歩んできた道のりの全てが凝縮されています。『ヴィジランテ』を読んでいたファンにとっては感動の再会であり、本編しか知らない読者にとっては「このヒーローは誰だ?」と興味をそそられる登場の仕方でした。
この再登場により、『ヴィジランテ』は単なるスピンオフではなく、本編の世界観を補完する正式な物語であることが確定しました。
ポップ☆ステップは左目を失うも前を向いて歩み出す
ポップ☆ステップにとって、最終決戦は大きな代償を伴うものでした。No.6との戦いの中で、彼女は左目を失ってしまいます。アイドルとして活動する上で、そしてまだ若い女性として、これは非常に辛い出来事です。
しかしポップは決して絶望に沈むことはありませんでした。左目を失ったという事実を受け入れ、それでも前を向いて歩み出す強さを見せます。この姿勢こそが、ポップ☆ステップというキャラクターの本質です。彼女は決して完璧なヒーローではなく、むしろ普通の女の子として描かれてきました。それでも困難に立ち向かい、自分の道を進んでいく——その姿は多くの読者の心を打ちました。
航一がアメリカに旅立った後、ポップがどのような人生を歩んでいるのかは明確には描かれていません。しかしアイドル活動を続けている可能性は高く、ファンの前でまた歌っているのではないかと想像されます。左目を失っても、ポップの前向きな精神は失われていないはずです。いつか航一と再会する日を夢見ながら、自分の道を進んでいる——そんなポップの姿が目に浮かびます。
ナックルダスターのその後と表舞台からの引退
ナックルダスター、本名・雄黒巌、かつてのプロヒーロー・オクロック。彼のヴィジランテ活動の目的は、最初から娘の雄黒珠緒を救うことでした。そして蜂須賀九印との決戦で、彼はその目的を達成しました。娘から寄生蜂を除去し、珠緒を取り戻すことに成功したのです。
目的を果たしたナックルダスターは、表舞台から引退することを選びます。かつてAFOに敗れて個性を奪われ、プロヒーローとしてのキャリアを失った男。それでも諦めずに、無個性のまま戦い続け、ついに最愛の娘を救い出しました。彼の物語は、ここで一つの完結を迎えたと言えるでしょう。
最終決戦では航一のために再び戦場に立ちましたが、これが本当に最後の戦いとなりました。娘を救えたこと、そして航一という素晴らしい弟子を育て上げたこと——ナックルダスターは十分すぎるほどの仕事を成し遂げました。
入院中の妻、そして回復した娘・珠緒との3人での穏やかな生活。それがナックルダスターの求めていた未来であり、今は静かにその日々を送っているはずです。表舞台からは姿を消しましたが、彼の教えは航一の中に生き続けています。師匠としての役目を全うしたナックルダスター——その後の人生が平穏であることを、すべてのファンが願っているでしょう。
『ヴィジランテ』に関するよくある質問

『ヴィジランテ』を読み進める中で、多くの読者が抱く疑問や気になるポイントがいくつかあります。ここでは特によく検索される質問に対して、明確な回答を提供します。ネタバレを含む内容もありますので、未読の方はご注意ください。
灰廻航一は最終回で死亡した?
いいえ、灰廻航一は死亡していません。No.6との激しい最終決戦を生き延び、その後キャプテン・セレブリティのサイドキックとしてアメリカに渡りました。アメリカでは正式なヒーローとして活動しており、本編『ヒロアカ』424話では日本の復興支援のために帰国した姿が描かれています。航一の物語は『ヴィジランテ』完結後も続いており、彼は立派なヒーローとして成長を遂げています。
ポップ☆ステップの左目はどうなった?
ポップ☆ステップは最終決戦において左目を失ってしまいました。No.6との戦いの中で受けた傷が原因です。アイドルとして、そしてまだ若い女性として大きな代償を払うことになりましたが、彼女は決して絶望することなく前を向いて歩み出す強さを見せています。左目を失ったという事実を受け入れ、それでも自分の道を進んでいく姿は、ポップというキャラクターの芯の強さを表しています。
ナックルダスターの個性「オーバークロック」とは?
「オーバークロック」は、ナックルダスター(本名・雄黒巌、元ヒーロー名・オクロック)がかつて持っていた強力な個性です。思考と身体の動きを極限まで加速させる能力で、まるで時間が止まったかのような超高速戦闘が可能になります。しかし彼はオール・フォー・ワン(AFO)との戦いで敗北し、この個性を奪われてしまいました。奪われた「オーバークロック」は後にAFOによって改造人間No.6に与えられ、最終決戦で航一を苦しめることになります。
No.6の正体とオール・フォー・ワンとの関係は?
No.6は、オール・フォー・ワン(AFO)によって作られた改造人間です。AFOはナックルダスター(オクロック)から奪った個性「オーバークロック」をNo.6に与え、彼を強力な駒として利用しました。No.6は加速状態を維持するために次第に異形の姿へと変貌していき、最終的には人間性を失いかけます。AFOにとってNo.6は実験体であり、その後の改造脳無開発のためのデータ収集の対象でした。航一との最終決戦後、No.6は自爆という形で最期を迎えます。
アニメ第1期はどこまで描かれた?
2025年春に放送されたアニメ第1期は、主に序盤から中盤のエピソードが描かれました。具体的には、ヴィジランテ活動のスタートから、ナックルダスターと蜂須賀九印の決戦、そして相澤消太(イレイザーヘッド)の過去編までがメインとなっています。原作で言えば概ね1巻から9巻あたりまでの内容です。第2期の制作も発表されており、今後は航一覚醒編や最終決戦編が映像化されると期待されています。特に航一の個性「飛行」覚醒シーンや、No.6との迫力の最終決戦がアニメでどう表現されるのか、ファンの期待は高まるばかりです。
ヴィジランテネタバレ最終回までまとめ

『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』は、非合法ヒーローという独特の視点から描かれた珠玉のスピンオフ作品です。冴えない大学生だった灰廻航一が、ナックルダスターやポップ☆ステップとの出会いを通じて真のヒーローへと成長していく物語は、王道でありながらも深い感動を与えてくれます。
本編『ヒロアカ』のキャラクターたちの過去や全盛期の姿が描かれ、特にイレイザーヘッドの過去編やステイン誕生の秘密、全盛期のオールマイトの活躍は本編ファン必見の内容です。そして航一が本編424話で再登場したことにより、『ヴィジランテ』は単なるスピンオフではなく、本編の世界観を補完する重要な作品であることが証明されました。
2025年春にアニメ第1期が放送され、早くも第2期の制作が発表されています。航一覚醒編や最終決戦編の映像化に向けて、今から原作を読み返すには絶好のタイミングです。ヒーロー社会の光と影、そして正義とは何かを問いかける『ヴィジランテ』の世界を、ぜひ体験してください!
ゼンシーア
