歴代キャストで死亡した2名の俳優を追悼
1999年から25年以上続く長寿ドラマ「科捜研の女」。このシリーズが多くのファンに愛され続けてきた理由の一つは、魅力的なキャラクターたちを演じた俳優陣の存在です。しかし、その輝かしい歴史の中で、レギュラー出演中に惜しまれながらこの世を去った俳優が2名います。泉政行さんと深浦加奈子さん――この2人の俳優は、科捜研のメンバーとして視聴者の心に深く刻まれ、今なお多くのファンの記憶に生き続けています。
2人が遺した演技と思い出は、科捜研の女の歴史そのものと言えるでしょう。再放送や配信サービスで彼らの姿を目にするたび、当時の感動が蘇ります。本記事では、泉政行さんと深浦加奈子さんの功績を振り返りながら、彼らへの追悼の意を込めて、科捜研の女での活躍と軌跡をご紹介します。
レギュラー出演中に惜しまれながら旅立った2人の俳優
科捜研の女のレギュラーキャストで亡くなったのは、泉政行さん(乾健児役)と深浦加奈子さん(小向光子役)の2名です。泉さんは2015年7月28日に35歳という若さで、深浦さんは2008年8月25日に48歳でこの世を去りました。
2人に共通するのは、ドラマの中で科捜研チームに欠かせない存在だったということです。泉さんが演じた乾健児は、榊マリコの頼れる助手として8年間活躍し、「マリコの飼い犬」という愛称で親しまれました。一方、深浦さんが演じた小向光子は、科捜研の会計係として5年間出演し、イケメンに甘く経費に厳しいというコミカルな演技で場を和ませてくれました。
両名とも、ドラマを降板した後に亡くなったわけではなく、レギュラーとして活躍していた時期、あるいはその直後に病で倒れています。深浦さんは2002年にがんと診断されながらも5年間病気を隠して演じ続け、泉さんも2011年のドラマ卒業時には既に体調に異変があったのではないかと推測されています。
泉政行と深浦加奈子が遺した演技と思い出
泉政行さんと深浦加奈子さんが科捜研の女で見せた演技は、今でも多くのファンの心に残っています。泉さんの乾健児は、真面目で一生懸命な研究員でありながら、時にはマリコに振り回される姿がコミカルで愛らしく、若手俳優として成長していく姿をファンは温かく見守っていました。「仮面ライダー555」で既に人気を得ていた泉さんでしたが、科捜研の女では全く異なる魅力を発揮し、8年という長期間レギュラーを務めたことは、彼の演技力の証明でもありました。
深浦さんの小向光子は、科捜研の中で母親的な存在として描かれ、マリコに頼まれると断れずに鑑定を手伝うというシーンが印象的でした。経費の無駄遣いには厳しいが、イケメンには甘いという設定は、深浦さんのコミカルな演技力があってこそ活きるキャラクターでした。闘病中であることを隠しながら演じ続けたプロ意識は、共演者たちにも深い感銘を与えました。
2人が遺した演技は、今も配信サービスや再放送で視聴可能です。TELASAやU-NEXTなどで過去シーズンを観ることができ、ファンは彼らの姿を何度でも目にすることができます。科捜研の女が25年以上続く長寿ドラマとなった背景には、泉さんや深浦さんのような素晴らしい俳優たちの献身的な演技があったことを、私たちは決して忘れてはなりません。
科捜研の女シリーズ25年の歴史を振り返る

科捜研の女は、1999年10月のスタートから2024年のseason24まで、四半世紀以上にわたって日本のテレビドラマ界に輝かしい足跡を残してきました。現行連続ドラマとしては最多のシリーズ記録を更新し続けるこの作品は、主演の沢口靖子さんが25年間演じ続ける榊マリコと、科学捜査を武器に事件を解明する科捜研メンバーたちの活躍が、世代を超えて愛される理由となっています。
長寿シリーズだからこそ、キャストの入れ替わりや制作スタイルの変化があり、それぞれの時代に合わせて進化を遂げてきました。初期の試行錯誤の時代から、人気が安定した転換期、そしてレギュラー陣が長期定着する成熟期へ――科捜研の女の25年の歴史は、日本のテレビドラマ史そのものと言えるでしょう。
1999年スタート、25周年を迎えた長寿ドラマ
科捜研の女の記念すべき第1話が放送されたのは、1999年10月21日。テレビ朝日の木曜20時台「木曜ミステリー」枠でスタートしました。京都府警科学捜査研究所を舞台に、DNA鑑定や画像解析など最新の科学技術を駆使して事件を解明する法医研究員・榊マリコの活躍を描くという、当時としては斬新な設定でした。
しかし、スタート当初の道のりは決して平坦ではありませんでした。season1の平均視聴率は9.3%、season2は9.2%と、2期連続で一桁台の視聴率に留まりました。season3では12.3%まで上昇したものの、season4では再び10.2%まで落ち込むなど、視聴率は不安定な状態が続いていました。当時はテレビ全体の視聴率が今よりも高かった時代であり、この数字での継続は異例とも言えます。
それでも制作を続けられた背景には、「木曜ミステリー」枠の事情や、科学捜査という題材の将来性への期待がありました。そして2004年、「新・科捜研の女」としてリニューアルしたseason5から、このドラマの運命は大きく変わっていくことになります。
科捜研の特徴:人事異動によるキャスト入れ替わり
科捜研の女の大きな特徴の一つが、科学捜査研究所という組織を舞台にしているため、人事異動という形でキャストの入れ替わりが自然に行われることです。これは他の刑事ドラマとは異なる、科捜研ならではの設定と言えるでしょう。
実際の科捜研も公的機関であるため、研究員の異動や退職、新規採用は日常的に行われます。ドラマでもこの設定を活かし、シーズンごとにレギュラーメンバーが入れ替わることで、新鮮さを保ちながらシリーズを継続してきました。泉政行さんが演じた乾健児も、season11で「父親の看病のため故郷に帰る」という設定で退職し、深浦加奈子さんの小向光子も産休などを経て科捜研を去っています。
この人事異動システムは、俳優の事情やドラマの方向性に柔軟に対応できる仕組みとして機能してきました。新しいキャラクターが加わることで視聴者の興味を引き続け、長期シリーズでありながらマンネリ化を防ぐことに成功しています。season24でも新レギュラーとして加藤諒さんが加わるなど、25年経った今でもこの伝統は受け継がれています。
沢口靖子が25年演じ続ける榊マリコの存在感
キャストが入れ替わる中で、唯一変わらぬ存在が主演の沢口靖子さんが演じる榊マリコです。25年間、一度も降板することなく主役を演じ続けるという記録は、日本のドラマ史上でも極めて稀有な偉業と言えるでしょう。
榊マリコというキャラクターは、科学への絶対的な信念を持ち、「科学は嘘をつかない」という信条のもと、どんな困難な事件にも立ち向かっていきます。FBI帰りの実力を持ちながらも、仕事以外では天然でだらしない一面もあり、完璧すぎないところが視聴者に親しまれてきました。沢口さんは20代半ばでこの役に出会い、マリコとともに成長し、今では「人生の半分以上を共に過ごしている分身のような存在」と語っています。
マリコの存在があるからこそ、周りのキャストが入れ替わっても、視聴者は安心してドラマを楽しむことができます。マリコが真実を追い求める姿勢は25年間一貫しており、それがこのシリーズの揺るぎない軸となっています。沢口さんの情熱と献身があってこそ、科捜研の女は25年という長寿を誇ることができたのです。新シーズンでも「より分かりやすい科学捜査と心温まる人間ドラマをお届けしたい」という沢口さんの言葉からは、さらなる進化への意欲が感じられます。
①泉政行(乾健児役)の軌跡
泉政行さんは、科捜研の女で8年間にわたってレギュラー出演を続けた、シリーズの歴史に欠かせない俳優です。彼が演じた乾健児という研究員は、榊マリコの最も近くで科学捜査を支え、時にはマリコに振り回されながらも、誠実に職務を全うする姿が視聴者の心を捉えました。
1980年5月12日、東京都荒川区に生まれた泉さんは、高校時代に読者モデルとして芸能界デビュー。2002年に『ごくせん』で俳優デビューを果たし、翌2003年には『仮面ライダー555』で一躍注目を集めます。そして2004年、科捜研の女season5から乾健児役として新たなキャリアを歩み始めました。しかし2015年7月28日、35歳という若さでこの世を去った泉さんの早すぎる死は、多くのファンに衝撃を与えました。
season5~11まで8年間科捜研を支えた研究員
泉政行さんが科捜研の女に初登場したのは、2004年4月15日に放送されたseason5(新・科捜研の女)の第1話でした。この時、泉さんは23歳。京都府警科学捜査研究所の物理研究員・乾健児として、新体制の科捜研メンバーに加わりました。
興味深いことに、season5には『仮面ライダー555』で共演した半田健人さん、溝呂木賢さんも同時にレギュラー出演していました。3人揃っての科捜研入りは、特撮ファンにとっても嬉しいサプライズとなりました。ただし、半田さんと溝呂木さんは刑事役でseason5のみの出演でしたが、泉さんは科捜研の研究員として長期にわたって活躍することになります。
泉さんはseason5から始まり、season6(新・科捜研の女2)、season7(新・科捜研の女3)、season8(新・科捜研の女スペシャル含む)、season9、season10、そしてseason11の第8話まで、実に7シーズン・8年間にわたって乾健児を演じ続けました。この間、乾健児は榊マリコの右腕として、数多くの難事件の解決に貢献してきました。
「マリコの飼い犬」と呼ばれた愛されキャラ
乾健児というキャラクターの最大の魅力は、真面目で一生懸命でありながら、どこか頼りなく、マリコに従順についていく姿でした。劇中では「マリコの飼い犬」という愛称で呼ばれることもあり、マリコから指示されると「はい!」と素直に従う姿が視聴者の笑いを誘いました。
しかし単なるコミカルリリーフではなく、乾は物理研究員としての専門知識を持ち、事件解決に重要な役割を果たしていました。マリコが大胆な推理を展開する際、乾はその科学的な裏付けを提供する存在として不可欠でした。真面目で誠実な性格から、時にはマリコの無茶な要求に困惑しながらも、最終的には全力でサポートする――そんな乾健児の姿は、多くの視聴者に愛されました。
泉さん自身も、この役を通じて俳優として成長していきました。『仮面ライダー555』で見せた熱い演技とは異なる、穏やかで誠実な研究員という役柄を、8年間かけて丁寧に育て上げました。科捜研の女という作品の中で、泉さんは確実に存在感を示していったのです。
2015年7月28日、35歳で死去という衝撃
2015年8月4日、所属事務所が公式サイトとブログで発表した訃報は、多くの人々に衝撃を与えました。「かねてより病気療養中でありました泉政行が去る2015年7月28日午後5時35分に都内病院にて永眠いたしました(享年35歳)」――あまりにも突然の知らせでした。
葬儀は近親者のみで執り行われ、死因は公表されませんでした。ただ「かねてより病気療養中」という記述から、ある程度の期間、病と闘っていたことが推測されます。泉さんが科捜研の女を卒業したのは2011年12月放送のseason11第8話でした。その回では、乾健児が「がんで余命1年と宣告された父親を看取るため」に故郷に帰るという設定で退職します。
今から振り返ると、この卒業のタイミングは唐突で不自然だったとの声もあります。乾の実家は京都府内にあったはずなのに「故郷に帰る」という説明だったこと、急な展開だったことなどから、当時から体調に問題があったのではないかと推測されています。実際、科捜研卒業後の泉さんは仕事のペースを落とし、2012年には舞台に数本出演した程度でした。2014年公開の映画『グレイトフルデッド』が、ファンが泉さんの姿を見た最後の作品となりました。
仮面ライダー555での活躍と俳優としての軌跡
泉政行さんを語る上で欠かせないのが、2003年の『仮面ライダー555(ファイズ)』での木場勇治役です。この作品での演技が、泉さんを一躍有名にしました。木場勇治は、人間とオルフェノクの狭間で苦悩する青年で、泉さんはその複雑な内面を繊細に演じきりました。
劇中で木場が残した名台詞「知ってるかな、夢っていうのは、呪いと同じなんだ。呪いを解くには夢をかなえるしかない。けど、途中で夢を挫折した者は、一生呪われたままなんだ」は、今でも多くのファンの記憶に残っています。この台詞が、泉さん自身の早すぎる死と重なり、より一層胸に響くものとなってしまいました。
『仮面ライダー555』の撮影で最も辛かったのは、第2話で涙を流しながら自転車をこぐシーンを20回以上繰り返したことだったと、泉さんは後に語っています。かつての恋人・智恵の幻影を追いかけて涙ながらに自転車をこぐという、感情表現の難しい場面でした。このエピソードからも、泉さんの演技への真摯な姿勢が伝わってきます。
泉さんは埼玉県春日部市の『かすかべ霊園』に眠っています。今でも命日にはファンが墓前を訪れ、花を手向けているそうです。『仮面ライダー555』のファンも、『科捜研の女』のファンも、それぞれの作品での泉さんの演技を胸に、その功績を称え続けています。35年という短い生涯でしたが、泉政行さんが遺した演技と思い出は、これからも多くの人々の心の中で生き続けるでしょう。
②深浦加奈子(小向光子役)の記憶
深浦加奈子さんは、日本のドラマ界を代表する名脇役として、数多くの作品で印象的な演技を残した女優です。科捜研の女では、科学捜査研究所の会計係・小向光子役として5年間レギュラー出演し、そのコミカルで温かみのある演技で科捜研メンバーに華を添えました。
1959年生まれの深浦さんは、アングラ劇団の看板女優としてキャリアをスタートさせ、その後テレビや映画で活躍の場を広げていきました。『家なき子』『ショムニ』『科捜研の女』など、多くの話題作に出演し、どの作品でも強烈な印象を残す演技力を持っていました。しかし2008年8月25日、48歳という若さで大腸がんのため逝去。その死は多くの芸能関係者やファンに深い悲しみをもたらしました。
season3~7で明るさをもたらした会計係
深浦加奈子さんが科捜研の女に初登場したのは、2001年放送のseason3からでした。京都府警科学捜査研究所の事務員兼会計係・小向光子として、科捜研メンバーの一員となります。小向光子は科学捜査の専門家ではありませんが、会計係として研究所の運営を支える重要な役割を担っていました。
小向光子は小学生の息子を持つシングルマザーという設定で、科捜研の中では母親的な存在として描かれました。経費の無駄遣いには厳しく、予算管理にうるさい一方で、イケメンには甘いというコミカルな一面も持ち合わせていました。この絶妙なキャラクター設定が、深浦さんの演技力によって活き活きと表現され、視聴者に親しまれました。
深浦さんはseason3からseason5まで継続して出演し、season6では産休という設定で出番が減りましたが、最終回には登場しています。そして2008年のスペシャルにも出演し、その後も科捜研の女に関わり続けました。深浦さんの存在は、科学捜査という硬派な世界に、人間的な温かみと笑いをもたらす貴重なものでした。
イケメンに甘く経費に厳しいコミカルな演技
小向光子というキャラクターの最大の魅力は、会計係としての厳しさと、女性としての柔らかさのギャップにありました。予算の無駄遣いには容赦なく厳しい態度を取る一方で、イケメンの刑事や研究員が現れると態度が一変し、甘い顔を見せるという設定は、視聴者に笑いを提供しました。
榊マリコから鑑定の手伝いを頼まれると、最初は断りきれない様子を見せながらも、結局は協力してしまうという優しさも、小向光子の人気の理由でした。会計係という立場でありながら、時には科学捜査の現場に首を突っ込み、マリコをサポートする姿は、彼女の人間的な魅力を表していました。
深浦さんは、このような多面的なキャラクターを、絶妙なバランス感覚で演じきりました。コミカルな場面では視聴者を笑わせ、真面目な場面では母親としての温かみを見せる――そのメリハリのある演技は、深浦さんならではのものでした。『科捜研の女』以外でも、『ショムニ』のお局様役や『家なき子』の陰湿な家政婦役など、深浦さんは多彩な役柄をこなす実力派女優として高く評価されていました。
2008年8月25日、がんとの闘病の末に死去
深浦加奈子さんの死因は、S状結腸がん(大腸がんの一種)でした。2008年8月25日午後10時57分、東京・虎ノ門病院で息を引き取りました。享年48歳という若さでした。
がんが発見されたのは2002年のことでした。当時、深浦さんは福山雅治さんと松嶋菜々子さん主演のドラマ『美女か野獣』をはじめ、NHKの『風子のラーメン』、日本テレビの『平成夫婦茶碗』、フジテレビの『東京物語』など、複数のドラマを掛け持ちして精力的に活動していました。まさにその絶頂期に、がんという診断を受けたのです。
しかし深浦さんは、病気のことを周囲にほとんど知らせませんでした。知らされていたのは親友の戸田恵子さんなど、ごく近しい人々だけでした。深浦さんは「仕事が恋人」と語り、生涯独身を貫いた女優でしたが、その言葉通り、闘病生活が始まった2003年以降も、変わらず多くの作品に出演し続けました。病気に気づかれることさえほとんどなかったと言います。
亡くなる2日前にお見舞いに訪れた戸田恵子さんは、それでも笑顔を見せた深浦さんから「ありがとう」という小さな声を聞いたそうです。そして2008年8月25日、深浦さんはベッドに座ったまま息を引き取りました。最期を看取ったのは、お姉さまでした。
病を隠して5年間演じ続けたプロ意識
深浦加奈子さんが2002年にがんと診断されてから亡くなるまでの6年間、そのほとんどの期間を彼女は女優として舞台に立ち続けました。2003年以降も闘病しながら多くの作品に出演し続けたその姿勢は、まさにプロフェッショナルそのものでした。
2005年、深浦さんはそれまで所属していたシス・カンパニーを退職し、実父が経営する会社に移籍しました。これ以降、家族が総出で深浦さんを支える体制が築かれます。実のお姉さまがマネージャーを務め、栄養管理士の資格を持つお母さまが食事を担当し、医師である義理のお兄さまが病院選びから治療方針まで全面的にバックアップしました。家族の献身的なサポートがあったからこそ、深浦さんは最期まで女優として活動を続けることができたのです。
放射線治療の副作用は強く、吐き気や嘔吐を繰り返し、髪の毛も抜けてしまったそうです。それでも深浦さんは、お見舞いに来る人には心配をかけまいと、必ずかつらを着用していたと言います。このエピソードからも、深浦さんの他人への思いやりと、女優としてのプライドの高さが伝わってきます。
9月2日には近親者と戸田恵子さん、松嶋菜々子さん、森公美子さん、山村美智さん、渡辺いっけいさん、高橋克実さんなどの親しい関係者のみで告別式が執り行われました。9月24日には目黒区のウェスティンホテル東京でお別れの会が開かれ、三浦友和さん、沢口靖子さん、天海祐希さん、陣内孝則さんなど、約550人の芸能関係者が参列しました。小泉今日子さんが涙を流しながら弔辞を読んだその場面は、深浦さんがどれだけ多くの人に愛されていたかを物語っています。
深浦さんの闘病の記録は、実父・深浦栄助さんが著した『加奈子。何をしてやれたかな… – 女優・深浦加奈子の父が綴った、大腸ガン闘病記』(主婦と生活社)にまとめられています。深浦さんが最期まで女優であり続けようとした姿は、今も多くの人々の心に刻まれています。
科捜研の女の歴代キャスト変遷を完全解説

科捜研の女が25年以上続いてきた背景には、時代に合わせたキャスト変遷と、それぞれの時期における試行錯誤がありました。唯一変わらない榊マリコ(沢口靖子)を軸に、科捜研メンバーや刑事たちが入れ替わりながら、ドラマは進化を続けてきました。
ここでは、科捜研の女の四半世紀にわたる歴史を、キャスト変遷という視点から4つの時期に分けて解説します。初期シーズンの試行錯誤、転換期となったseason5、レギュラー陣が長期定着したseason12以降、そして25周年を迎えた最新season24まで――それぞれの時代が持つ特徴と魅力を振り返っていきましょう。
初期シーズン(season1~4):試行錯誤の時代
1999年から2002年まで放送されたseason1~4は、科捜研の女にとって試行錯誤の時代でした。視聴率は一桁台から10%前後を行き来し、キャストやドラマの方向性も頻繁に変更されました。
season1では、榊マリコの上司として解剖医の登場人物がいたり、プロファイラーのキャラクターが存在したりと、後のシリーズとは異なる構成になっていました。また、このシーズンのみオープニング映像が長尺で、主題歌がオープニングとして流れるという特徴がありました。榊マリコの元夫である倉橋拓也が刑事部長として登場するなど、マリコの私生活にも焦点が当てられていました。
season2では榊マリコが主任に昇進し、「科捜研の女王」と呼ばれるようになります。しかし視聴率は伸び悩み、season3では大幅なリニューアルが行われました。このシーズンから深浦加奈子さんが小向光子役で参加し、科捜研に明るさをもたらしました。
season4では再び視聴率が落ち込み、シリーズの存続が危ぶまれる状況でした。この時期のキャストは、榊マリコ以外は比較的短期間での入れ替わりが多く、まだドラマの方向性が定まっていなかったことが伺えます。しかしこの試行錯誤の時期があったからこそ、次の転換期への道が開かれたのです。
転換期(season5~):土門刑事登場で人気安定
2004年にスタートしたseason5「新・科捜研の女」は、このシリーズにとって大きな転換点となりました。最も重要な変化は、内藤剛志さん演じる京都府警捜査一課の刑事・土門薫の登場です。土門刑事の存在が、科捜研の女の人気を安定させる大きな要因となりました。
初登場時の土門薫は、スポーツ刈りで革ジャンを着こなし、関西弁を話す粗暴な熱血刑事でした。取調室で机をひっくり返すほどの荒っぽさを持ちながら、「アメちゃん」(ドロップ缶)を持ち歩いてマリコにあげるという、ワイルドながらも人情味のあるキャラクターでした。当初はマリコとぶつかり合うこともありましたが、次第に信頼関係を築き、科学捜査を重視して協力し合う関係へと発展していきます。
season5からは他にも重要なキャストが加わりました。泉政行さんの乾健児、斉藤暁さんの日野和正(科捜研所長)、そして『仮面ライダー555』から泉さんと共に参加した半田健人さん、溝呂木賢さんなどです。この時期のキャスト陣は比較的若く、フレッシュな印象を与えました。
「新・科捜研の女」というタイトルでリニューアルしたこの時期は、season8(2008年)まで続きます。視聴率も安定し始め、科捜研の女は長寿シリーズへの道を歩み始めました。土門薫とマリコの「友達以上恋人未満」とも言える関係性は、ドラマの大きな魅力の一つとなり、今日まで続く伝統となっています。
成熟期(season12~):レギュラー陣の長期定着
2012年に放送されたseason12以降、科捜研の女は成熟期を迎えます。この時期の最大の特徴は、レギュラーキャストが長期間固定され、チームとしての安定感が増したことです。泉政行さんの卒業後、新たなメンバーが加わりながらも、土門薫、日野和正、そして新しく加わった宇佐見裕也(風間トオル)などが長期にわたって出演を続けました。
season12からは、若村麻由美さんが解剖医・風丘早月役でレギュラー参加し、科捜研メンバーに新たな魅力を加えました。また、映像データ研究員として涌田亜美(山本ひかる)が加わるなど、若手キャストも定着していきます。土門薫の相棒として、蒲原勇樹(石井一彰)という若手刑事も登場し、世代交代を意識した布陣となりました。
この時期のもう一つの特徴は、視聴率の安定です。平均視聴率が10%を超えることが多くなり、スペシャル版では15%以上を記録することもありました。2018年3月14日放送のseason17第17話では、通算200回を達成し、視聴率15.1%を記録するなど、長寿シリーズとしての地位を確立しました。
レギュラー陣が長期定着したことで、キャラクター同士の掛け合いや関係性がより深まり、ドラマに厚みが生まれました。科捜研チームの一体感、土門刑事とマリコの信頼関係、若手の成長物語など、科学捜査だけでなく人間ドラマとしての魅力も増していったのがこの時期です。
科捜研の女に関するよくある質問

科捜研の女の長い歴史の中で、視聴者から寄せられる質問は数多くあります。特に、亡くなったキャストに関する質問や、彼らが出演したエピソードの視聴方法については、多くのファンが関心を持っています。ここでは、科捜研の女に関するよくある質問とその回答をまとめました。
科捜研の女で亡くなったレギュラーキャストは何人ですか?
科捜研の女のレギュラーキャストで亡くなったのは、泉政行さんと深浦加奈子さんの2名です。泉さんは2015年7月28日に35歳で、深浦さんは2008年8月25日に48歳で逝去されました。
泉政行さんはseason5からseason11第8話まで、京都府警科学捜査研究所の物理研究員・乾健児役として8年間レギュラー出演しました。深浦加奈子さんはseason3からseason7まで(season6は産休で出番減)、科捜研の会計係・小向光子役として5年間出演していました。
この2名以外に、レギュラーキャストとして長期出演していた俳優で亡くなった方は、2025年11月時点では確認されていません。ゲスト出演の俳優の中には後に亡くなった方もいますが、レギュラーとして科捜研メンバーや主要な刑事役を演じていた俳優は、泉さんと深浦さんの2名のみです。
泉政行さんの具体的な死因は明かされていますか?
泉政行さんの死因は、公式には明らかにされていません。2015年8月4日に所属事務所が発表した訃報では、「かねてより病気療養中」という記述があるのみで、具体的な病名や死因については公表されませんでした。葬儀も近親者のみの家族葬で執り行われ、詳細は伏せられています。
ネット上では様々な憶測が飛び交っており、肝硬変やがんではないかという説もありますが、いずれも確証のない情報です。泉さんの体調が悪化し始めた時期については、2011年12月にドラマを卒業した頃からではないかと推測されています。ドラマ内で乾健児が「がんで余命1年の父親を看取るため」に退職するという設定だったこと、その後仕事のペースを落としていたことなどから、当時既に体調に問題があった可能性が指摘されています。
ただし、これらはあくまで推測であり、泉さんご本人やご家族が公表していない以上、具体的な死因を断定することはできません。プライバシーに配慮し、泉さんが遺した演技と功績を称えることが、ファンとして最も大切な姿勢だと言えるでしょう。
深浦加奈子さんの病気はいつから患っていたのですか?
深浦加奈子さんは、2002年にS状結腸がん(大腸がんの一種)と診断されました。つまり、科捜研の女のseason3に出演していた時期に、既にがんを患っていたことになります。診断から亡くなるまでの約6年間、深浦さんは闘病しながら女優業を続けていました。
2002年当時、深浦さんは福山雅治さんと松嶋菜々子さん主演の『美女か野獣』をはじめ、複数のドラマに出演する多忙な時期でした。がんと診断されてもなお、深浦さんは仕事のペースを落とすことなく、2003年以降も多くの作品に出演し続けました。病気のことを周囲にほとんど知らせず、親友の戸田恵子さんなど、ごく限られた人にしか告げていませんでした。
2005年には所属事務所を退職し、実父が経営する会社に移籍しました。この時点から、家族が総出で深浦さんをサポートする体制が整いました。実のお姉さまがマネージャーを務め、栄養管理士の資格を持つお母さまが食事を担当し、医師である義理のお兄さまが治療方針を支えました。放射線治療の副作用で髪が抜けても、お見舞いに来る人にはかつらを着用して心配をかけないようにしていたという深浦さんのプロ意識は、多くの人々の胸を打ちました。
亡くなったキャストが出演した回を視聴できるサービスは?
泉政行さんと深浦加奈子さんが出演した科捜研の女のエピソードは、現在いくつかの配信サービスで視聴可能です。最も充実しているのは、テレビ朝日系の動画配信サービス「TELASA(テラサ)」です。TELASAでは、科捜研の女の過去シーズンが多数配信されており、泉さんが出演したseason5~11、深浦さんが出演したseason3~7の一部を視聴することができます。
また、U-NEXTやAmazon Prime Videoなどの大手配信サービスでも、科捜研の女の一部シーズンが配信されています。ただし、配信されているシーズンはサービスによって異なり、また配信期間も変動するため、事前に各サービスのラインナップを確認することをおすすめします。
残念ながら、科捜研の女は2023年時点で、season7及び劇場版以外はDVDが発売されていません。そのため、配信サービスが過去シーズンを視聴する主な手段となっています。再放送も各地方局で不定期に行われていますが、地域やタイミングによって視聴できるシーズンが異なります。
泉さんと深浦さんの姿を見たいファンは、TELASAなどの配信サービスに加入するか、再放送情報をこまめにチェックすることをおすすめします。特に、season5は土門刑事が初登場したシーズンでもあり、泉さん、深浦さん、そして内藤剛志さんの初々しい演技を同時に楽しめる貴重なシーズンです。
【科捜研の女】歴代キャストで死亡した俳優2名を追悼まとめ

科捜研の女の25年以上にわたる歴史の中で、レギュラーキャストとして活躍しながら惜しまれてこの世を去ったのは、泉政行さん(乾健児役)と深浦加奈子さん(小向光子役)の2名です。
泉政行さんは2015年7月28日、35歳の若さで亡くなりました。season5からseason11第8話まで8年間、物理研究員・乾健児として科捜研を支え、「マリコの飼い犬」という愛称で親しまれました。『仮面ライダー555』での活躍を経て科捜研の女に参加した泉さんは、真面目で誠実な研究員という役柄を丁寧に演じ、多くのファンの心に残る演技を見せてくれました。
深浦加奈子さんは2008年8月25日、48歳で逝去されました。season3からseason7まで5年間、会計係・小向光子として科捜研に明るさをもたらしました。2002年にがんと診断されながらも、5年間病気を隠して演じ続けたプロ意識は、今も多くの人々の胸を打ちます。イケメンに甘く経費に厳しいというコミカルな演技は、深浦さんならではの魅力でした。
2人に共通するのは、ドラマの中で欠かせない存在であったこと、そして最後まで俳優としての誇りを持ち続けたことです。彼らが遺した演技は、TELASAなどの配信サービスや再放送を通じて、今も視聴可能です。科捜研の女が25周年を迎え、さらなる展開が期待される中、泉さんと深浦さんが築いた歴史は、このシリーズの礎として永遠に語り継がれていくでしょう。
改めて、泉政行さんと深浦加奈子さんのご冥福をお祈りするとともに、2人が科捜研の女で見せてくれた素晴らしい演技に、心からの感謝と敬意を表します。彼らの演技を通じて、科捜研の女というドラマがいかに多くの人々に愛され、支えられてきたかを実感することができます。これからも、泉さんと深浦さんが出演したエピソードを大切に見返しながら、科捜研の女の未来を見守っていきたいと思います。
ゼンシーア
