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呪術廻戦の真の黒幕として、物語の裏で千年以上も暗躍し続けてきた羂索。夏油傑の姿で登場した彼の正体は、呪術界の歴史そのものを操ってきた最悪の呪詛師でした。天元との同化、死滅回游の開催、そして両面宿儺との繋がり――羂索が掲げた壮大な目的の数々は、一見すると人類の進化という大義名分のもとに実行されているように見えます。しかし、その裏には「面白そうだから」という無邪気な狂気が隠されていました。五条悟の封印から虎杖悠仁誕生の真相まで、羂索の千年越しの計画と真の動機を徹底解説します。
羂索(けんじゃく)とは?

呪術廻戦における真の黒幕、羂索。夏油傑の姿で登場した彼の正体は、呪術界の歴史そのものを操ってきた最悪の呪詛師でした。額に刻まれた特徴的な縫い目、そして千年を超える時を生き続ける異形の存在として、五条悟をも翻弄し続けた恐るべき策略家です。羂索の正体と能力、そして彼が歴史の中で繰り返してきた所業を紐解いていきましょう。
千年以上生きる呪詛師
羂索は少なくとも千年以上前から存在し続けている呪詛師です。通常の人間であれば到底不可能な長寿を実現しているのは、彼の特異な術式によるもの。羂索自身の発言によれば「千年前からコツコツと呪術師や呪霊と契約してきた」とのことで、平安時代から続く壮大な計画を着実に実行してきました。
この千年という途方もない時間の中で、羂索は百万体もの呪霊と契約を結んできたといいます。単純計算すれば1日あたり約3体の呪霊と契約してきたことになり、その執念と計画性の恐ろしさが伺えます。平安時代の両面宿儺とも何らかの関わりを持っていた可能性が高く、呪術全盛期の混沌とした時代を実際に生きた存在として、現代の呪術師たちとは次元の違う知識と経験を蓄積しています。
脳を入れ替えて肉体を乗っ取る術式
羂索の最大の特徴は、自らの脳を他人の頭部に移植することで完全に肉体を乗っ取る術式です。この術式により、羂索は肉体が滅んでも意識を保ち続け、新たな器を得ることで永遠に生き続けることができます。乗っ取った肉体が持つ身体能力や術式もそのまま使用可能で、まさに「最強の力を持ったラスボス」にふさわしい能力といえるでしょう。
脳を入れ替えた証として、乗っ取られた人物の額には必ず横に走る大きな縫い目が現れます。この縫い目は反転術式で消すことも可能ですが、術式の縛りのためにあえて残しているとのこと。羂索の本来の姿や性別、年齢は一切不明で、作中では常に乗っ取った人物の姿でしか描かれていません。男女問わず様々な人物の肉体を渡り歩いてきた羂索にとって、肉体はあくまで「器」に過ぎないのです。
夏油傑の体を乗っ取った理由
羂索が夏油傑の肉体を選んだ理由は、彼の持つ「呪霊操術」という強力な術式にありました。呪霊操術は呪霊を取り込み、自在に使役できる特級術師ならではの能力。羂索はこの術式を利用して百万体もの呪霊を操り、渋谷事変で大量の呪霊を解き放つという計画を実行しました。
夏油傑の遺体を手に入れたのは、『呪術廻戦0』で乙骨憂太に敗北し、五条悟によってトドメを刺された後のこと。五条は親友の遺体処理を甘くしてしまい、それが羂索に付け入る隙を与えてしまったのです。羂索自身も五条に対して「夏油傑の遺体の処理が甘かったから、簡単に手に入れることができた」と語っており、この一件は五条にとって精神的なダメージとなりました。さらに、旧友の姿で現れることで五条を動揺させ、渋谷事変での封印を成功させるという心理的な策略としても機能したのです。
羂索が関わった歴史的事件と被害者たち
羂索は千年以上の時を生きる中で、様々な人物の肉体を乗っ取り、歴史に名を残す悪事を重ねてきました。最も悪名高いのが明治時代の加茂憲倫として活動していた時期です。御三家の一つである加茂家の術師の体を乗っ取った羂索は、呪霊の子供を孕む特異体質の女性を9度妊娠させ、9度堕胎させるという残虐な実験を行いました。この実験により生み出されたのが、特級呪物・呪胎九相図です。
呪胎九相図の長男である脹相は、記憶の中の加茂憲倫に縫い目があったことを確認しており、「全ての不幸の元凶」として羂索を憎悪しています。加茂憲倫は「史上最悪の呪術師」「御三家の汚点」として後世にまでその悪名を残していますが、これらの所業はすべて羂索によるものだったのです。
さらに衝撃的なのが、主人公・虎杖悠仁の母親である虎杖香織の肉体も羂索に乗っ取られていたという事実です。何らかの理由で死亡した香織の体を乗っ取った羂索は、虎杖仁との間に悠仁を出産しました。羂索が「息子と仲良くしてくれてありがとう」と発言したことで、虎杖悠仁が羂索の計画における重要な駒であったことが判明します。宿儺の器として生まれるよう意図的に仕組まれた虎杖悠仁の誕生は、羂索の千年越しの計画の一部だったのです。
羂索の目的は人類と天元の同化による「呪力の最適化」

羂索が千年越しに追い求めてきた究極の目標、それが「呪力の最適化」です。この言葉だけでは分かりにくいかもしれませんが、簡単に言えば人類全体を強制的に進化させ、術師という枠すら超えた新しい存在へと変貌させる計画でした。その鍵となるのが、呪術界の中核を担う不死の存在・天元との同化です。羂索はなぜ天元を狙い、どのようにして人類を進化させようとしたのか、その壮大な計画の全貌を解き明かしていきましょう。
天元とは何者?不死の存在と星漿体の関係
天元は奈良時代から呪術界を支え続けてきた不死の術師です。「不死」の術式を持ち、呪術師たちが使う主要結界の要として存在し続けてきました。日本仏教の広がりとともに術師に対する道徳基盤を説いたのが始まりとされ、羂索や宿儺よりも古い時代から生きている可能性があります。
ただし、天元は不死ではあっても不老ではありません。500年ごとに老化が進み、一定以上老いると術式が肉体を作り変えようとする性質を持っています。そのまま放置すれば天元は「人」ではなくなり、より高次の存在へと進化してしまう。これを防ぐために必要なのが「星漿体」との同化です。星漿体とは天元と適合する特別な人間の器のことで、定期的に同化することで天元は人としての自我を保ち、肉体をリセットしてきました。
12年前、天元は星漿体である天内理子と同化する予定でした。しかし伏黒甚爾という完全に呪力から脱却した存在によって計画は破壊され、天内理子は殺害されてしまいます。同化に失敗した天元は急速に進化し、個としての自我は消え、「天地そのもの」が天元の自我となる状態に。魂が至る所に存在する、まるで空気のような存在へと変貌してしまったのです。
人類と天元を同化させる計画の全貌
進化して呪霊に近い存在となった天元は、羂索にとって願ってもないチャンスでした。なぜなら、呪霊に近づいた天元は夏油傑の「呪霊操術」の術式対象になってしまったからです。羂索が夏油の肉体を選んだ理由の一つがここにあります。呪霊操術で天元を取り込めば、天元を完全に支配下に置くことができる。そして天元の同化能力を利用して、日本中の人間を一斉に天元と同化させることが可能になるのです。
羂索の計画は段階的でした。まず渋谷事変で非術師たちの脳に遠隔で「無為転変」を施し、強制的に術師化させました。これは真人の術式を利用したもので、脳の形を変化させることで非術師を術師へと進化させる実験でした。次に死滅回游という大規模なデスゲームを開催し、術師たちに呪力を解放させます。そして最終段階として、天元を取り込んだ羂索が日本全土を対象に「超重複同化」を発動する。これにより日本中の人間が天元と強制的に同化させられ、術師という壁すら越えた新しい存在へと変貌するはずでした。
天元自身の言葉を借りれば、天元と同化した人間は「そこにいてそこにいない新しい存在の形」になるといいます。個としての自我は消え、至る所に魂が存在する天元のような状態になる。それはもはや人間とは呼べない、全く新しい生命体への強制進化だったのです。
呪力の最適化を分かりやすく解説
「呪力の最適化」という羂索の目的は、一言で表現すれば「人間の呪力における可能性を極限まで引き出すこと」です。羂索は非術師・術師・呪霊すべてを「人間という呪力の形の可能性」と捉えていました。人類の進化という大義名分を掲げていますが、その本質は呪術という力がどこまで発展しうるのか、その究極の到達点を見極めたいという知的好奇心にありました。
羂索は過去に呪胎九相図を作り出すなど、自ら人間の可能性を拡張しようと行動してきました。しかし、自分から生まれるものは所詮自分の可能性の域を出ない。そう悟った羂索は、自分の手から離れた混沌を作り出すことで、想像を超えた新しい可能性を生み出そうと考えたのです。天元と人類を同化させることで、羂索自身ですら予測できない進化が起こる。その混沌の中から生まれる「何か」を見届けることが、羂索の真の目的でした。
日本全土を巨大な実験場に変え、1億人以上の人間を巻き込んだ狂気の計画。しかし羂索にとっては、これこそが千年かけて準備してきた「呪術の可能性を見極める」ための集大成だったのです。人類の安全や倫理など一切顧みず、ただ自分の好奇心を満たすためだけに世界を混沌に陥れようとする。その無邪気な狂気こそが、羂索という存在の本質でした。
術師を超えた「新しい存在」を生み出す野望
羂索が生み出そうとした「新しい存在」とは、具体的にどのようなものだったのでしょうか。天元と同化した人間は、術師が持つ呪力の制限を超え、天元のように至る所に魂が存在する状態になります。個人としての肉体は消失するものの、魂は無数に分散し、同化した全ての人間と意識を共有する集合的な存在へと変貌します。
この変化は進化なのか、それとも人間性の喪失なのか。羂索自身は「人類を次の段階に押し進める行為」と表現していますが、それは明らかに個人の意思を無視した強制的な変貌です。術師であれば呪力で超重複同化を拒絶することも可能ですが、非術師にはその力はありません。さらに恐ろしいことに、天元と同化した誰か一人でも暴走すれば、1億人全ての人間に影響が及ぶ可能性がありました。
羂索の野望は日本国内にとどまらず、各国の軍人である非術師まで巻き込む国際的な規模に膨れ上がっていました。米軍や中国の首脳とも接触し、非術師は死ぬことで呪力が放たれることを利用して、さらなる同化の「慣らし」を進めようとしたのです。もし計画が成功していれば、世界中の人類が羂索の実験台となり、取り返しのつかない変貌を遂げていたかもしれません。羂索の描く「新しい世界」は、まさに人類の存亡を賭けた究極の賭けだったのです。
羂索の1000年越しの計画と両面宿儺との繋がり

羂索の計画は一朝一夕で練られたものではありません。平安時代という呪術全盛期から千年以上の時をかけて、緻密に、そして執念深く準備されてきたものでした。その計画の中心には、呪いの王・両面宿儺の存在がありました。宿儺との契約、六眼との因縁、そして虎杖悠仁誕生の真実。羂索の千年越しの野望がどのように形作られ、どんな障害を乗り越えてきたのか、その全貌に迫ります。
平安時代から続く羂索の壮大な野望
羂索が千年前から存在していたことは、本人の発言により確定しています。「千年前からコツコツと契約してきた」という言葉通り、羂索は平安時代という呪術全盛期に生き、その時代の強力な術師たちと関わりを持っていました。乙骨の先祖である菅原道真や、平安時代の名だたる術師たちが活躍した時代に、羂索もまた歴史の表舞台で、あるいは裏側で暗躍していたのです。
この時代、羂索は「再び、呪術全盛平安の世が」という言葉を宿儺に向けて語っています。渋谷事変の終盤でのこの台詞から、羂索にとっての理想とは混沌としていた平安の世そのものだったことが分かります。術師たちが力を競い合い、呪霊が跋扈し、人間の命が軽んじられた時代。そんな無秩序で混沌とした世界こそが、羂索の目指す「呪力の可能性」を極限まで引き出せる環境だったのです。
千年という途方もない時間をかけて、羂索は様々な肉体を渡り歩きながら計画を進めてきました。明治時代には加茂憲倫として呪胎九相図を作り、現代では虎杖香織として宿儺の器を産み、夏油傑として呪霊操術を手に入れる。それぞれの時代で最適な器を選び、必要な準備を整えてきた羂索の執念は、まさに狂気と呼ぶべきものでした。
両面宿儺との契約内容と虎杖悠仁誕生の真実
羂索と宿儺の関係は、明確に敵対的なものではなかったと考えられます。宿儺の側近である裏梅が羂索と手を組んでいたこと、羂索が宿儺に語りかける際の馴れ馴れしい態度から、二人は平安時代から何らかの協力関係にあったことが窺えます。虎杖自身も「宿儺も羂索と契約して呪物になった術師の一人だったのでは」と推測しており、その可能性は高いでしょう。
しかし羂索にとって宿儺は「獄門疆が失敗した時の代案に過ぎない」と明言しています。つまり宿儺は羂索の計画における重要な駒ではあっても、あくまで保険でしかなかった。五条悟の封印が成功すれば宿儺は不要、失敗すれば宿儺の力を借りる。そんな打算的な関係性が見えてきます。
そして最大の衝撃が、虎杖悠仁誕生の真相です。羂索は虎杖香織の肉体を乗っ取り、自ら虎杖悠仁を出産しました。さらに虎杖の父親である虎杖仁は、宿儺の双子の兄弟の魂の生まれ変わりだったことが判明します。宿儺は母親の腹の中で双子の兄弟を食い殺したという過去を持っており、呪術の世界では双子は魂の形が同じため同一人物として扱われます。つまり虎杖悠仁は呪術的には宿儺の孫息子とも見なせる存在として生まれたのです。
宿儺自身も「あの羂索だぞ、意味もなく子を成すわけがない」と語り、「羂索め、気色の悪いことをする」と嫌悪感を示しました。羂索は千年越しの計画の一部として、完璧な宿儺の器を作り上げるために虎杖悠仁を産んだのです。
六眼の術師に2度敗れた屈辱の過去
羂索の千年越しの計画を何度も阻んできた存在がありました。それが「六眼」の術師です。天元、星漿体、六眼は因果で繋がっており、羂索が天元と星漿体の同化を妨害しようとすると、必ず六眼の術師が現れて羂索の計画を破壊してきたのです。
過去に2度、羂索は六眼の術師に敗北しています。詳細は明かされていませんが、千年の間に2度も計画を潰されたという事実は、羂索にとって屈辱以外の何物でもなかったでしょう。六眼という存在は、羂索にとって最大の障害であり、同時に倒すことのできない天敵でもありました。
この2度の敗北から、羂索は重要な教訓を得ました。六眼の術師を倒すのではなく、封印する。そのために選ばれたのが特級呪物・獄門疆でした。「万物を封印できる」とされる獄門疆を使えば、最強の六眼の術師であっても無力化できる。羂索は千年かけて獄門疆を手に入れ、3度目の対決に備えたのです。
五条悟の封印が全計画の要だった理由
現代の六眼の術師、五条悟。羂索は彼を「強すぎて邪魔」と評し、倒すことを諦めて封印することを選択しました。五条悟という存在は、羂索の計画における最大の障害でした。五条が自由に動ける限り、死滅回游も天元との同化も、全てが水泡に帰す可能性があったのです。
渋谷事変は、五条悟を封印するために周到に計画されたイベントでした。「対象を4メートル以内の場所に脳内時間で1分間留め続ける」という獄門疆の発動条件を満たすため、羂索は特級呪霊たちと協力し、大量の呪霊と改造人間を渋谷に解き放ちました。そして決定的だったのが、夏油傑の姿で現れるという心理作戦。親友の姿に動揺した五条は、わずかな隙を見せてしまいます。
五条悟の封印成功により、羂索の計画は一気に加速しました。呪術界最強の抑止力が消えたことで、死滅回游を開催し、天元を手に入れ、日本全土を巻き込んだ大規模な儀式を実行することが可能になったのです。2度の敗北を経て、3度目にして遂に六眼の術師を無力化した羂索。この勝利こそが、千年越しの計画の最大の転機だったのです。
羂索の目的の裏にある真の動機:知的好奇心という無邪気な狂気
天元との同化、死滅回游、千年越しの計画。羂索が掲げてきた壮大な目的の数々は、一見すると人類の進化という大義名分のもとに実行されているように見えました。しかし、九十九由基との問答で明らかになった羂索の本音は、あまりにも無邪気で、そしてあまりにも狂気に満ちたものでした。羂索を千年も動かし続けた真の動機とは、一体何だったのでしょうか。
人類進化は建前?羂索が本当に求めていたもの
羂索は「人類の進化」「呪力の最適化」という言葉を使い、自分の行為を正当化してきました。しかし特級術師・九十九由基との対峙で、羂索の本音が露わになります。九十九が「呪霊のいない世界」を目指すのに対し、羂索は「呪霊のいない世界も牧歌的な世界も望んじゃいない」とはっきり否定したのです。
羂索が真に求めていたのは、人類の幸福でも世界の平和でもありませんでした。彼が欲したのは「自分から生まれるもの以上の可能性」を見ることでした。羂索は過去に呪胎九相図を作り出すなど、自ら人間の可能性を拡張しようと努力してきました。しかし、どれだけ実験を重ねても「私から生まれるモノは私の可能性の域を出ない」という限界に突き当たったのです。
そこで羂索が考えたのが、自分の手を離れた混沌を作り出すことでした。自分がコントロールできない状況、予測不可能な展開、想像を超えた結果。そんな混沌の中から生まれる「何か」を見届けること。それこそが羂索の真の目的だったのです。人類の進化は、その目的を達成するための手段に過ぎませんでした。
「面白そうだから」という衝撃の本音
羂索の動機を端的に表す言葉があります。それは宿儺と似た「面白いと思ったから」という理由です。千年という途方もない時間をかけ、無数の人間を犠牲にし、呪術界全体を巻き込んだ計画の動機が、単なる好奇心だったという事実は、多くの読者に衝撃を与えました。
羂索にとって、人生は長すぎる暇つぶしでしかありませんでした。不死に近い存在として千年を生きてきた羂索は、退屈という最大の敵と戦い続けてきたのです。どんな残虐な実験も、どんな壮大な計画も、全ては自分を退屈させないためのゲームでした。他者の命や尊厳など、羂索にとっては遊び道具程度の認識しかなかったのです。
この無邪気な狂気こそが、羂索という存在を最も恐ろしいものにしています。明確な悪意や憎しみがあるわけではなく、ただ「面白そうだから」という理由で世界を滅ぼそうとする。その動機の軽さと行為の重さのギャップが、羂索というキャラクターの異質さを際立たせています。善悪の概念すら超越した、純粋な知的好奇心の化身。それが羂索でした。
羂索に関するよくある質問

羂索はなぜ天元を狙ったのですか?
羂索が天元を狙った理由は、天元の持つ「同化能力」を利用するためでした。11年前に星漿体との同化に失敗した天元は、急速に進化して呪霊に近い存在となりました。その結果、天元は羂索が乗っ取った夏油傑の「呪霊操術」の対象となってしまったのです。羂索は天元を取り込むことで、天元の同化能力を自分の意のままに操り、日本中の人間を天元と強制的に同化させることができました。これが「呪力の最適化」という羂索の目的を達成するための最も効率的な方法だったのです。
羂索の最終目的は結局何だったのですか?
表向きには「人類の進化」や「呪力の最適化」を掲げていましたが、羂索の本当の目的は「自分の想像を超えた混沌を生み出すこと」でした。千年という長い時を生きてきた羂索にとって、人生は退屈との戦いでした。自分から生まれるものは自分の可能性の域を出ないと悟った羂索は、自分の手を離れた予測不可能な混沌の中から生まれる「何か」を見たかったのです。つまり、壮大な計画の動機は純粋な知的好奇心、言い換えれば「面白そうだから」という無邪気な狂気だったのです。
羂索は本当に死亡しましたか?
はい、羂索は呪術廻戦243話で死亡しました。高羽史彦との異色の漫才バトルの後、術式が解除された瞬間に乙骨憂太の奇襲を受けて首を斬り落とされます。その後、眉間を刀で刺されて完全に死亡しました。羂索の脳は他人の肉体を乗っ取る術式の要でしたが、乙骨によって脳を破壊されたことで、再生や新たな乗っ取りも不可能になりました。ただし、羂索は死の直前に「私の意志は受け継がれる」という言葉を残しており、計画の一部は宿儺に引き継がれる形となりました。
羂索と夏油傑の人格は完全に別物ですか?
はい、完全に別物です。羂索は夏油傑の肉体を乗っ取っているだけで、中身は千年以上前から生きる呪詛師・羂索です。夏油傑は『呪術廻戦0』で乙骨憂太に敗北し、五条悟によってトドメを刺されて死亡しています。その後、五条が遺体処理を甘くしてしまったため、羂索が遺体を手に入れて脳を移植し、肉体を乗っ取りました。ただし、渋谷事変で五条の首を絞めようとした際、わずかに夏油の意識が残っていることが示唆されています。しかし基本的には羂索の人格が完全に支配しており、夏油の優しさや正義感とは真逆の存在です。
羂索の目的は原作で完全に明かされましたか?
大部分は明かされましたが、いくつか謎も残されています。天元との同化や死滅回游の目的、虎杖悠仁を産んだ理由、宿儺との関係などの主要な部分は作中で説明されました。しかし羂索の本来の姿や性別、なぜ最初に肉体を乗っ取る術式を得たのか、平安時代にどのような人物だったのかなど、羂索自身の出自に関する情報は最後まで明かされませんでした。また、羂索が千年かけて準備してきた他の仕掛けや、完全には実行されなかった計画の詳細についても不明な点が残されています。これらの謎は、今後のスピンオフ作品や公式資料で明かされる可能性があります。
羂索の目的まとめ

羂索の目的は表面上の「人類の進化」という大義名分と、その裏にある「知的好奇心という狂気」という二重構造になっていました。
具体的な目標としては、天元と人類を同化させることで「呪力の最適化」を実現し、術師という壁を超えた新しい存在を生み出すことでした。そのために死滅回游という大規模な殺し合いを開催し、日本全土を巻き込んだ儀式を実行しました。また千年前から過去の術師たちと契約を結び、宿儺の器として虎杖悠仁を産み、最大の障害である五条悟を封印するなど、緻密な計画を段階的に実行してきました。
しかし真の動機は、自分の想像を超えた混沌を生み出し、予測不可能な「何か」を見たいという純粋な好奇心でした。千年という時を生きた羂索にとって、この計画は究極の暇つぶしであり、退屈を紛らわすための壮大な実験だったのです。
人類の幸福も世界の平和も眼中になく、ただ「面白そうだから」という理由で無数の命を弄んだ羂索。その無邪気な狂気こそが、呪術廻戦という物語における最も恐ろしい悪の形だったのかもしれません。慈悲の象徴である「羂索」という名を持ちながら、誰も望まない独善的な「救済」を押し付けようとした千年の怪物。それが羂索という存在の本質でした。
ゼンシーア
