【呪術廻戦】乙骨憂太の能力を完全解説!模倣術式・リカ・領域展開の全貌

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呪術廻戦の中でも特に注目を集める特級呪術師・乙骨憂太。劇場版『呪術廻戦0』の主人公として描かれた彼は、本編でも重要な役割を果たし続けています。五条悟に「僕に並ぶ術師になる」と評される実力の持ち主であり、その能力は多くのファンを魅了してきました。生得術式「模倣(コピー)」による驚異的な汎用性、外付けの術式「リカ」との接続、五条を上回る呪力量、そして領域展開「真贋相愛」の圧倒的な強さ。本記事では、乙骨憂太の能力を徹底解説します。アニメ三期での活躍を前に、彼の真の強さを完全理解しましょう。

目次

乙骨憂太のプロフィール

©2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 ©芥見下々/集英社

呪術廻戦の世界において、五条悟に次ぐ実力者として注目を集める乙骨憂太。劇場版『呪術廻戦0』では主人公として描かれ、本編でも重要な役割を果たす特級呪術師です。幼馴染の祈本里香に憑依されていた過去を持ちながら、現在は日本に4人しかいない特級呪術師の一人として、呪術界の最前線で活躍しています。温厚で心優しい性格ながら、戦闘時には冷徹な判断力を発揮する彼の魅力は、アニメ三期での本格的な活躍を前に、ファンの期待を高め続けています。

東京都立呪術高専2年生として特級呪術師に返り咲いた

乙骨憂太は東京都立呪術高等専門学校の2年生として在籍していますが、その経歴は異例中の異例です。五条悟にスカウトされる形で呪術高専に途中転入した当初、特級過呪怨霊・祈本里香に憑依されていたことから、前例のない「特級呪術師」としての認定を受けました。通常、前歴なしで入学する場合は4級からスタートするのが通例ですが、乙骨の場合は里香の危険性と潜在能力の高さから、いきなり最高位の特級に認定されるという前代未聞の扱いとなったのです。

2017年12月24日の百鬼夜行事件で里香の解呪に成功した後、乙骨は一度4級呪術師へと降格しました。0巻のラストで制服が白から黒に変わっているのはこのためです。しかし驚くべきことに、その後わずか3ヶ月という短期間で再び特級呪術師に返り咲いています。この驚異的な成長速度は、乙骨が単に里香の力に頼っていたわけではなく、本人の才能と努力によって真の実力を身につけたことを証明しています。

菅原道真の子孫として五条悟と遠縁の親戚関係

乙骨憂太の驚異的な呪力量と才能の秘密は、その血統にありました。五条悟の調査により明らかになったのは、乙骨が日本三大怨霊の一人として知られる菅原道真の子孫であるという事実です。菅原道真は平安時代の学者・文学者・政治家として活躍した人物であり、呪術廻戦の世界では「超大物呪術師」として語り継がれています。

興味深いことに、五条悟もまた菅原道真の血を引く家系であり、乙骨とは遠縁の親戚関係にあることが判明しています。この共通の血統が、二人が特級呪術師として並び立つ実力を持つ理由の一つと考えられています。死滅回游編では、烏鷺亨子から「藤原」と呼ばれた際、乙骨自身が「五条は菅原と言ったけど藤原の間違いなのでは?」と混乱する場面もありました。しかし五条悟は後に「案外両方合ってるってこともあるんじゃない?」と示唆しており、乙骨が菅原と藤原の両家の血を引いている可能性も浮上しています。

日本に4人しかいない特級呪術師

呪術廻戦の世界において、特級呪術師は「国家転覆レベルの力を持つ」と定義される最高位の呪術師です。日本全国でわずか4人しか存在せず、乙骨憂太はその一角を占めています。他の特級呪術師は、最強を誇る五条悟、呪霊操術の使い手である夏油傑(劇場版時点)、そして謎に包まれた九十九由基の3名です。

特級呪術師の認定は通常の昇級システムとは異なり、その圧倒的な実力と潜在的な危険性によって判断されます。乙骨は術師としてのキャリアがわずか1年にも満たない時点で特級夏油傑を倒すという偉業を成し遂げており、敵対勢力からは「五条悟を除いた呪術高専の筆頭戦力」として認識されています。五条悟本人も「自分と並ぶ術師になる」と評価しており、その期待の高さから他の生徒と比べて厳しく指導されているとのこと。

現在17歳という若さで特級呪術師の座に返り咲いた乙骨憂太。その実力は本編の新宿決戦編でさらに明らかになり、両面宿儺との戦いでも重要な役割を果たすことになります。アニメ三期での活躍が待ち遠しい、呪術廻戦を代表するキャラクターの一人です。

乙骨憂太の能力の源「リカ」の正体と役割

乙骨憂太の戦闘力を語る上で絶対に外せないのが「リカ」の存在です。劇場版『呪術廻戦0』を観た方なら、あの圧倒的な力を持つ特級過呪怨霊の姿を覚えているでしょう。しかし本編に登場する「リカ」は、祈本里香とは異なる存在として描かれています。解呪後も乙骨に残された「リカ」とは一体何者なのか。指輪を通じた接続、5分間という時間制限、そして完全顕現時の圧倒的な力。乙骨憂太の能力を支える「リカ」の秘密を、段階的に解き明かしていきましょう。

祈本里香との幼少期の約束と特級過呪怨霊の誕生

物語の始まりは、乙骨憂太と祈本里香の幼い日の約束でした。二人は幼馴染であり、子供ながらに結婚の約束を交わすほど親密な関係でした。しかし11歳の時、悲劇が訪れます。里香は乙骨の目の前で交通事故に遭い、帰らぬ人となってしまったのです。

この時、乙骨は無意識のうちに強大な呪いをかけていました。「里香と別れたくない」という強い想いが、彼女の魂を現世に縛り付けてしまったのです。当初は里香が乙骨に呪いをかけたと思われていましたが、実際には逆でした。乙骨の秘められた力と、別れを拒絶する強い感情が、普通の少女だった里香を特級過呪怨霊へと変貌させてしまったのです。

特級過呪怨霊となった里香は、乙骨を傷つける者を容赦なく攻撃し、彼に危害を加える者を苛烈かつ無差別に排除しました。完全に開放されれば国家規模の破壊をもたらすとさえ予想される存在となり、乙骨はその力に苦しみ続けることになります。百鬼夜行事件での夏油傑との戦いで、乙骨は真実を知り、里香への呪いを解くことを決意。「ありがとう、さよなら」と別れを告げ、里香は成仏していきました。

解呪後に残された「外付けの術式」

祈本里香が成仏した後、多くのファンは「乙骨は力を失ったのでは?」と考えました。実際に乙骨は一時4級へと降格しています。しかし本編で再登場した乙骨は、依然として「リカ」を従えていました。この「リカ」は、成仏した祈本里香とは別の存在なのです。

本編178話で明かされたように、折本里香の成仏後に乙骨に残されたのは「外付けの術式」と呪力の備蓄でした。この「リカ」は、祈本里香の記憶や人格を持たない、純粋な術式と呪力の塊です。乙骨はこの「外付けの術式」を利用することで、自身の生得術式である「模倣(コピー)」を発動させることができます。

ファンブックでは乙骨の術式が「里香」と記載されていましたが、これは当時まだ術式が明かされていなかったための仮の表記だったと考えられます。真実は、「リカ」という外付けの術式と、乙骨自身の生得術式「模倣」の組み合わせによって、彼の戦闘力が成り立っているということです。

指輪を通じた接続と5分間という時間制限

乙骨が「リカ」の力を使用するためには、特別な条件があります。それが指輪を通じた接続です。乙骨は左手の薬指に、里香から受け取った婚約指輪をはめ続けており、この指輪が「リカ」との接続の鍵となっています。

領域展開を発動する際、乙骨の左手の指輪が光る描写があることからも、この指輪が重要な役割を果たしていることがわかります。指輪を通して「リカ」と接続することで、乙骨は術式の使用、「リカ」の完全顕現、そして「リカ」からの呪力供給を受けることが可能になるのです。

ただし、この接続には制限があります。接続の持続可能時間はわずか5分間。この時間内に戦闘を終わらせなければ、乙骨の戦闘力は大きく低下してしまいます。5分間という制限は戦略的な判断を要求し、乙骨は常にタイムリミットを意識しながら戦う必要があります。しかし逆に言えば、この5分間は乙骨が全力を発揮できる時間でもあり、死滅回游や新宿決戦での戦いでは、この限られた時間を最大限に活用する姿が描かれています。

完全顕現時の圧倒的な力と呪力供給

指輪を通じて「リカ」と接続した乙骨が完全顕現させた「リカ」は、まさに圧倒的な戦闘力を誇ります。178話で初めて描かれた完全顕現時の「リカ」は、胸元に大量の武具を格納しているのが特徴的です。この武具には乙骨がコピーした様々な術式が込められており、戦況に応じて使い分けることが可能です。

「リカ」自体の戦闘能力も侮れません。石流龍が放った呪力を弾くほどの硬度を持ち、乙骨と同等かそれ以上の防御力を誇ります。さらに肉弾戦も可能であり、石流と殴り合うこともできる実力の持ち主です。死滅回游最強クラスの泳者である石流から「バカデカい水槽をノックしているような感覚」と評されるほど、その防御力と呪力量は桁外れなのです。

完全顕現時の「リカ」が可能にする最大の技が、呪力の高出力指向放出です。劇場版『呪術廻戦0』で夏油傑を圧倒した「純愛砲」を覚えているでしょうか。本編でも「リカ」は単体でこの技を放つことができ、石流と比較すると最大出力はやや劣るものの、死滅回游の泳者の中でもトップクラスの破壊力を誇ります。

また「リカ」からの呪力供給により、乙骨は長時間の戦闘でも呪力切れを起こしにくくなります。五条悟と異なり呪力切れ自体は起こりうるものの、「リカ」という巨大な呪力の貯蔵庫を持つことで、乙骨の持久戦能力は大幅に向上しているのです。

乙骨憂太の生得術式「模倣(コピー)」

乙骨憂太の真の強さの秘密、それが生得術式「模倣(コピー)」です。他者の術式を自分のものとして使用できるこの能力は、呪術廻戦の世界でも類を見ない驚異的な術式と言えるでしょう。劇場版『呪術廻戦0』では狗巻棘の呪言をコピーする姿が描かれましたが、本編ではさらに多くの術式をコピーしていることが明らかになります。死滅回游の強豪たちの術式から、両面宿儺の斬撃、そして天使の消滅術式まで。五条悟に「僕に並ぶ術師になる」と言わしめた乙骨の力の源泉を、詳しく見ていきましょう。

他者の術式を再現する驚異的な能力

乙骨憂太の生得術式「模倣(コピー)」は、その名の通り他者の術式を再現し、自分のものとして使用できる能力です。この術式の恐ろしさは、単にコピーするだけでなく、コピーした術式をストックして使い分けられる点にあります。戦況に応じて最適な術式を選択できるため、乙骨はあらゆる状況に対応できる万能型の呪術師として成長したのです。

羂索は劇場版『呪術廻戦0』の時点で、乙骨が特級過呪怨霊・祈本里香に憑依されていた頃は「無条件の術式コピー」が可能だったと評しています。文字通り何の条件もなしに術式をコピーできたため、その潜在能力は計り知れないものがありました。しかし羂索は「最愛の人の魂を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎない」と考え、里香の解呪後は魅力を感じないと断じていました。

ところが実際には、里香解呪後も乙骨は術式のコピー能力を保持しています。確かに「無条件」ではなくなりましたが、適切な条件を満たせば依然として他者の術式をコピーできるのです。五条悟を上回る呪力量と組み合わされたこの術式こそが、乙骨を「五条悟に次ぐ現代の異能」たらしめている核心部分と言えるでしょう。

リカが相手の肉体を取り込むコピー条件

里香解呪後の乙骨の術式には、コピーのための条件が存在します。死滅回游編で石流龍が推測したところによると、コピー条件は「リカが相手の肉体の一部を取り込むこと」です。実際に180話では、リカが烏鷺亨子の腕を噛み砕くシーンが描かれており、その後乙骨は烏鷺の術式を使用できるようになりました。

ただし、このコピー条件にはいくつかの制約があります。最も重要なのは、反転術式で再生された部位は呪術的価値がゼロになり、コピー条件を満たせなくなるという点です。乙骨本人も「模倣というより奪っている認識」と語っており、文字通り相手から術式を「奪う」形でのコピーとなっています。

一方で、死んだ術師の部位や、現代医学と反転術式をもってしても再生できない部位からコピーした術式には、使用制限や回数制限がないようです。新宿決戦編では、宿儺の斬撃で失われた狗巻棘の腕が現代医学と家入の反転術式でも再生できなかったため、本人の許可を得て術式の模倣に使用されました。このように、一度コピーした術式は基本的にストックされ続けるのが特徴です。

コピー済み術式一覧【狗巻の呪言・ドルゥヴ・烏鷺・宿儺・天使】

乙骨憂太がこれまでにコピーした術式は、まさに呪術廻戦を代表する強力なものばかりです。各術式の特徴と使用場面を見ていきましょう。

  • 狗巻棘の呪言: 劇場版『呪術廻戦0』で初めて披露されたコピー術式。言葉に呪力を乗せて相手に命令を強制する能力で、乙骨は「死ね」という言葉で呪霊を殺すことができます。新宿決戦編では狗巻の腕を使ってコピーし、宿儺との戦いで使用しました。
  • ドルゥヴ・ラクダワラの式神術式: 死滅回游・仙台結界で倒したドルゥヴの術式。原作では「式神の軌跡を領域とする」術式と説明されており、乙骨は自らの髪を媒介とした小型の式神を複数体生成し、相手の周囲に不可侵の結界を張ることで攻撃を繰り出します。
  • 烏鷺亨子の空間操作術式: 同じく仙台結界で倒した烏鷺の術式。空間を写真状の面として認識し、掴んだり引っ張ったりすることで自在に操作できます。宇守羅彈という技で、捉えた相手ごと面を割りその衝撃で吹き飛ばすことも可能です。
  • 宿儺の斬撃「捌」: 呪いの王・両面宿儺の術式までもコピーしています。受肉体である宿儺に大ダメージを与えられる出力を備えており、領域展開「真贋相愛」の必中術式として使用されました。
  • 天使の「邪去侮の梯子」: あらゆる術式を消滅させる天使の術式もコピーしています。宿儺との戦いで領域展開の必中効果として使用され、宿儺を大いに苦しめました。

これらの術式は、死滅回游や新宿決戦という極限状況で乙骨が獲得したものです。各時代の最強格の術式を模倣したことで、乙骨はまさに「チート術師」とも呼べる存在になっています。

羂索の「肉体を渡る術式」も模倣可能

そして最も衝撃的なのが、羂索の術式「肉体を渡る術式」までもコピーしていたことです。新宿決戦の最終局面で、乙骨は岩手県の御所湖結界で羂索を倒すことに成功。その際に羂索の術式をコピーし、五条悟の遺体に乗り移るという驚愕の展開を見せました。

羂索の術式は、死んだ術師の脳を移植することで、その肉体と術式を乗っ取る能力です。羂索自身が夏油傑の肉体を乗っ取ったように、乙骨は五条悟の肉体を借りることで、五条の無下限呪術を使用可能にしました。宿儺との戦いでは、五条悟の姿で戦場に現れ、一時的に宿儺を圧倒する姿が描かれています。

ただし、この術式の使用にはリスクも伴います。五条の肉体は長時間の使用に耐えられず、また乙骨自身の精神にも大きな負担がかかりました。最終的にはリカの反転術式の活躍もあり、乙骨は元の肉体に戻ることに成功しています。

羂索の術式までもコピー可能という事実は、乙骨の模倣能力の凄まじさを物語っています。条件さえ満たせば、理論上はあらゆる術式をコピーできるこの能力。五条悟が乙骨に特に期待を寄せる理由も、この無限の可能性にあるのかもしれません。アニメ三期での活躍が待ち遠しい、呪術廻戦最強クラスの術式です。

領域展開「真贋相愛」の効果と強さ

領域展開は呪術師にとっての最終奥義であり、その術師の真の実力を示す技です。乙骨憂太の領域展開「真贋相愛(しんがんそうあい)」は、249話で初めてその全貌が明かされ、呪術廻戦ファンに大きな衝撃を与えました。無数の刀と水引が織りなす独特な生得領域は、模倣術式と組み合わさることで無限の可能性を秘めています。コピーした術式を無制限に使用できる必中効果、そして複数の術式を併用できる特殊な仕組み。宿儺をも苦しめたこの領域の秘密を、詳しく解き明かしていきましょう。

無数の刀に術式が内蔵された特殊な領域

領域展開「真贋相愛」の最大の特徴は、領域内に無数の刀が地面に刺さっているという独特な光景です。この刀の一本一本には、乙骨がこれまでコピーした術式がランダムに内蔵されており、刀を引き抜くことでその術式を一度使用することができます。刀は一度術式を発動すると消滅しますが、領域内の刀に本数の制限はなく、引き当てることさえできれば同じ術式を何度でも使い続けられるのが特徴です。

この仕組みの巧妙な点は、ランダム性と無限性の両立にあります。どの刀にどの術式が宿っているかは、乙骨自身も手に取るまで分かりません。しかし無数に存在する刀の中には、同じ術式が宿った刀が複数存在するため、戦況に応じて必要な術式を引き当てるまで刀を引き続けることができるのです。新宿決戦では、乙骨が宿儺を相手に次々と刀を引き抜き、様々な術式を繰り出す姿が描かれました。

また、領域内には祝儀や葬儀の際に用いられる水引が描かれているのも印象的です。具体的には「あわじ結び」と呼ばれる結び方で、一度結んでしまうとほどくのが難しいことから、結婚祝いなどの一度きりのお祝いの時に使われます。乙骨が幼少期に祈本里香と結婚の約束をしたことが、この水引として領域に表現されているのでしょう。

コピー術式を無制限に使用できる必中効果

領域展開「真贋相愛」の必中効果は、「無制限の術式模倣」です。領域が続く限り、リカとの接続なしでも術式のコピーが可能となり、通常時の5分間という時間制限から解放されます。さらに重要なのは、コピーしてストックされている術式の中から一つを選択し、それを必中術式として領域に付与できる点です。

249話で宿儺との戦いに突入した乙骨は、天使の術式「邪去侮の梯子」を必中効果として設定しました。この術式はあらゆる術式を消滅させる能力を持ち、受肉体である宿儺に大ダメージを与えることができます。宿儺は即座にこの必中効果を読み切り、領域を中和させる「彌虚葛籠」で対抗しましたが、それでも乙骨の領域の脅威を十分に理解していたことがわかります。

通常、複数の術式を併用することは本来不可能です。呪いの王である宿儺ですら、領域に片方の術式を付与して自身はもう片方の術式を使用するという方法で実践していました。しかし乙骨の領域「真贋相愛」は、「模倣」という一つの術式効果から複数の術式を引き出しているため、脳が焼き切れるリスクなしで併用できるのです。この独特な構造こそが、乙骨の領域を呪術廻戦の中でも屈指の強力な領域たらしめている理由と言えるでしょう。

荼吉尼天印を結ぶ独特な掌印

乙骨憂太が領域展開を発動する際には、他の呪術師と同様に特定の掌印を結ぶ必要があります。乙骨の掌印は、左手を握り締め、右手を前に出すという独特なポーズが特徴的です。178話で初めて領域展開を試みた際も、249話で実際に発動した際も、この同じ掌印を結んでいます。

この掌印のモデルとなっているのが、密教における「荼吉尼天印(だきにてんいん)」です。荼吉尼天の起源であるインドのダーキニーは、裸身で虚空を駆け、人肉を食べる魔女として伝えられています。乙骨に遺された「リカ」の姿や性質には、このダーキニーを意識したような描写が存在するため、掌印のモデルが荼吉尼天印であることは非常に納得がいきます。

また、領域展開時には乙骨の左手に嵌めた指輪が光る描写があります。この指輪は祈本里香から受け取った婚約指輪であり、リカとの接続の鍵となっているものです。領域展開という最大の技を発動する際にも、この指輪が重要な役割を果たしていることが示唆されています。

三者間領域で見せた結界術の高さ

乙骨の領域展開が初めて描かれたのは、178話「仙台結界⑤」でのことです。この場面では、乙骨・石流龍・烏鷺亨子の三者が同時に領域を展開するという極めて稀な状況が発生しました。通常の二者間領域展開でさえ高度な技術を要するのに、三者間となるとその複雑さは桁違いです。

三者間での領域の相殺は、各々の結界構築時の対内条件・対外条件の相違、そして予定外の侵入者(黒沐死)などの要素が絡み合い、通常以上に煩雑な状況となります。この時は乙骨の領域が完全に描かれる前に結界が崩壊してしまいましたが、石流や烏鷺といった死滅回游の強豪たちと対等に領域を展開できたという事実は、乙骨の結界術の高さを証明しています。

五条悟との能力比較と実力差

呪術廻戦ファンなら誰もが気になる疑問、それは「乙骨憂太と五条悟、どちらが強いのか」というものでしょう。同じ菅原道真の血を引く二人の特級呪術師は、それぞれ異なる強さを持っています。五条悟は「六眼」と「無下限呪術」という最強の組み合わせを持つ一方、乙骨は五条を上回る呪力量と模倣術式という汎用性を誇ります。対呪霊戦では無類の強さを発揮する反転術式、そして「五条悟に次ぐ現代の異能」と評される実力。二人の能力を詳しく比較し、その実力差を探っていきましょう。

呪力量は五条超え、六眼なしでも高い戦闘力

140話で虎杖悠仁と対峙した乙骨は、衝撃的な事実を明かしました。「呪力量なら五条先生より多い」という言葉通り、乙骨の呪力総量は最強の呪術師・五条悟をも上回っているのです。乙骨の全身からは常に呪力が立ち昇っており、この膨大な呪力が全ての攻撃を決定打に変え、全てのダメージを最小限に抑えることを可能にしています。

死滅回游で対峙した石流龍は、泳者の中で最高の呪力出力を誇る実力者です。その石流ですら、乙骨と戦った際には「バカデカい水槽をノックしているような感覚」と評しており、乙骨の呪力量に裏打ちされた防御力の高さに驚愕していました。この圧倒的な呪力量こそが、乙骨が特級呪術師として認定される最大の理由の一つです。

ただし、五条悟と決定的に異なる点があります。それは「六眼」の有無です。五条は六眼による極限まで効率化された呪力操作により、実質的に呪力切れを起こさないという特性を持っています。一方の乙骨は、膨大な呪力量を持ちながらも、反転術式の連続使用や長時間の戦闘によって呪力切れを起こす可能性があるのです。新宿決戦では、戦闘と反転術式を並行して使用した結果、呪力切れを起こしかけた場面も描かれました。

それでも、六眼なしでこれほどの戦闘力を維持できるのは、菅原道真の血統と乙骨自身の才能によるものです。五条自身も乙骨に対して特に期待を寄せており、他の生徒よりも厳しく指導していたとのこと。将来的には五条に匹敵する、あるいは超える実力者になる可能性を秘めていると言えるでしょう。

対呪霊戦では反転術式で無類の強さを発揮

乙骨憂太の最大の武器の一つが、極めて高度な反転術式の使用能力です。反転術式とは、負の呪力に負の呪力を掛け合わせることで正の呪力を生み出し、肉体の回復などを可能にする技術です。作中でも使い手は極めて限られており、呪術師の中でもごく一部しか習得できない高難度の技とされています。

乙骨の反転術式が特に優れているのは、自分だけでなく他人をも治せる点です。作中で他者への反転術式のアウトプットが可能なキャラクターは、乙骨の他には家入硝子と両面宿儺のみという希少性の高さです。141話では虎杖悠仁を刀で突き刺し、心臓が止まると同時に反転術式で一気に治癒を施すことで、虎杖を実際に一度「殺す」という離れ業を成功させました。この精密な呪力操作は、五条悟ですら不可能とされる領域です。

そして対呪霊戦において、この反転術式は最強の武器となります。呪霊は負の呪力の塊であるため、正のエネルギーを直接ぶつけることで問答無用で祓うことができるのです。仙台結界での黒沐死戦では、乙骨は体内に正のエネルギーを撃ち込むことで、ドルゥヴ・烏鷺・石流と並ぶ四つ巴の一角だった黒沐死を確実に祓うことに成功しました。

ただし、反転術式には大きな欠点があります。それは呪力の消耗量が通常の呪力操作の倍と激しい点です。底が見えないと評される乙骨の膨大な呪力総量をもってしても、戦闘と並行して反転術式を連続使用すると呪力切れを起こしかけるほどです。そのため、乙骨は反転術式の使用タイミングを慎重に見極めながら戦う必要があります。

五条悟に次ぐ現代の異能と評される実力

敵対勢力からは「五条悟を除いた呪術高専の筆頭戦力」として認識され、羂索からも注目される乙骨憂太。その実力は「五条悟に次ぐ現代の異能」と称されるほどです。五条悟本人も「僕に並ぶ術師になる」と評価しており、乙骨に対する期待の高さが伺えます。

興味深いのは、乙骨の戦闘スタイルの形成過程です。五条悟を師と仰ぎながらも、実際の戦闘術の多くは禪院真希から学んでいます。劇場版『呪術廻戦0』の特典冊子「0.5巻」では、「戦闘の基礎という意味では、影響が大きい順で真希>五条>ミゲル」と記載されています。真希から仕込まれた剣術と体術を基礎とし、五条からは呪術の理論と応用を学び、海外ではミゲルから実践的な戦闘技術を習得したことで、乙骨は総合的な戦闘力を身につけたのです。

五条悟は出張が多く、同じ特級術師である乙骨に指導する時間が十分に取れなかったため、ミゲルに指導を任せた経緯があります。この海外での修行期間中に、乙骨は飛躍的に実力を伸ばしました。わずか3ヶ月で4級から特級へと返り咲いたことからも、その成長速度の速さがわかります。

ただし、現時点では五条悟と乙骨の間には明確な実力差が存在します。五条は六眼と無下限呪術という唯一無二の組み合わせにより、ほぼ無敵の状態を作り出せます。乙骨は呪力量では勝るものの、六眼による極限の効率化と無下限呪術による絶対防御を持たないため、総合的な戦闘力では五条に及ばないのが現状です。

乙骨憂太に関するよくある質問

乙骨憂太について、ファンの間でよく議論される疑問をまとめました。術式のコピー範囲からリカとの接続時間、領域展開の強さ、五条悟との比較、そして最終的な生存状況まで、気になる質問に詳しく答えていきます。

リカとの接続時間5分間で何ができる?

乙骨が指輪を通じてリカと接続できるのはわずか5分間ですが、この短い時間内に驚異的な戦闘力を発揮できます。接続中は術式の使用、リカの完全顕現、そしてリカからの呪力供給が可能になります。

完全顕現したリカは、胸元に大量の武具を格納しており、石流龍の攻撃を弾くほどの硬度を持ちます。さらに呪力の高出力指向放出、いわゆる「純愛砲」を単体で撃つことができ、その威力は死滅回游の泳者の中でもトップクラスです。5分間という制限は確かにタイトですが、この時間内に勝負を決めるだけの圧倒的な戦闘力を乙骨は持っています。新宿決戦では、この5分間を最大限に活用して宿儺を追い詰める姿が描かれました。

領域展開「真贋相愛」の効果はどれくらい強い?

領域展開「真贋相愛」は、呪術廻戦の中でも屈指の強力な領域です。最大の特徴は、コピーした術式を無制限に使用できる必中効果にあります。通常はリカとの接続が必要な術式使用が、領域内では時間制限なく可能になります。

領域内には無数の刀が刺さっており、それぞれにコピーした術式がランダムに内蔵されています。刀を引き抜くことで術式を発動でき、同じ術式を何度でも使えるため、戦況に応じて最適な術式を選択し続けることができます。さらに、コピーした術式の中から一つを選んで必中効果として設定できるため、宿儺との戦いでは天使の術式を必中効果として使用し、宿儺を大いに苦しめました。

通常は複数の術式を併用すると脳が焼き切れるリスクがありますが、乙骨の領域は「模倣」という一つの術式から複数の術式を引き出しているため、このリスクを回避できるのも大きな強みです。宿儺ですら警戒する強力な領域と言えるでしょう。

最終的に乙骨は生存したの?

呪術廻戦の最終章である新宿決戦編で、乙骨憂太は壮絶な戦いを繰り広げました。羂索を倒した後、宿儺との決戦に参加し、羂索の術式を使って五条悟の肉体に乗り移るという驚愕の展開を見せます。五条の体で宿儺と対峙しましたが、長時間の使用には耐えられませんでした。

しかし最終的に、乙骨はリカの反転術式の活躍もあり、元の肉体に戻ることに成功しています。エピローグでは、乙骨と禪院真希が結婚したことが示唆される描写があり、乙骨の物語は幸せな結末を迎えたようです。

劇場版『呪術廻戦0』から本編を通じて、死と隣り合わせの戦いを続けてきた乙骨憂太。数々の強敵を倒し、仲間を守り続けた彼が、最後には大切な人との未来を手に入れたことは、多くのファンにとって感動的な結末だったでしょう。アニメ三期での活躍を経て、この感動的なエンディングまでが描かれる日が待ち遠しいですね。

乙骨憂太の能力まとめ

乙骨憂太の能力は、呪術廻戦の世界でも特に複雑で強力なものです。その核心は、生得術式「模倣(コピー)」と、外付けの術式「リカ」の組み合わせにあります。劇場版『呪術廻戦0』で祈本里香が成仏した後も、乙骨には「リカ」という術式と呪力の備蓄が残されました。指輪を通じて「リカ」と接続することで、5分間という限られた時間内に術式を使用し、リカを完全顕現させ、膨大な呪力供給を受けることができるのです。

生得術式「模倣」は、リカが相手の肉体を取り込むことで発動条件を満たし、他者の術式をコピーして使用できます。狗巻棘の呪言から始まり、死滅回游の強豪たちの術式、両面宿儺の斬撃、天使の消滅術式、そして羂索の肉体を渡る術式まで、作中で最強クラスの術式を次々とコピーしてきました。領域展開「真贋相愛」では、コピーした術式を無制限に使用でき、無数の刀にランダムに内蔵された術式を戦況に応じて使い分けることができます。

五条悟を上回る呪力量、他者をも治せる反転術式、そして無限の可能性を秘めた模倣術式。日本に4人しかいない特級呪術師の一人として、乙骨憂太は「五条悟に次ぐ現代の異能」と称されるにふさわしい実力を持っています。菅原道真の血を引く彼の成長はまだ止まりません。アニメ三期では、死滅回游での活躍から新宿決戦での壮絶な戦いまで、乙骨の真の強さが遺憾なく描かれることでしょう。

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