数学と料理という一見関連性のない2つの分野を見事に融合させた「フェルマーの料理」。小林有吾先生による人気漫画は2023年に高橋文哉さんと志尊淳さん主演で実写ドラマ化され、さらに2025年7月からはアニメ化も決定した注目作品です。不定期連載の原作漫画、オリジナル展開を加えたドラマ版、そして声優陣も発表されたアニメ版と、それぞれのメディアで異なる魅力を放つ本作。「数学的に正しい料理」をコンセプトにした独創的なストーリーが、原作とドラマでどのように違うのか、そしてアニメではどのような展開が期待できるのか。この記事では、「フェルマーの料理」の原作とドラマの7つの違いを徹底解説し、アニメ化への期待も含めてファン必見の情報をお届けします。
フェルマーの料理とは?

「フェルマーの料理」(フランス語: Cuisson dans le Fermat)は、数学と料理という一見関連性の薄い2つの分野を鮮やかに融合させた異色の料理漫画です。月刊少年マガジンで2018年10月号から不定期連載されている本作は、タイトルがフェルマーの最終定理に由来するように、数学的思考によって新たな料理の可能性を切り拓いていく革新的なストーリーが多くの読者を魅了しています。2025年1月時点で累計部数60万部を突破するなど、着実にファンを増やし続けています。
小林有吾による料理×数学の異色マンガ
「フェルマーの料理」は、人気サッカー漫画「アオアシ」の作者として知られる小林有吾先生が手掛ける作品です。小林先生は前作「てんまんアラカルト」でも料理をテーマにした作品を描いた経験があり、グルメ漫画の描写に定評があります。
本作の最大の特徴は「料理」を「数学」という斬新な切り口から描いている点です。担当編集者によると、小林先生の「熱量溢れる作画、胸を打つドラマ、一冊にそれをギュッと詰める構成力」によって、これら一見縁遠い2つの分野が見事に繋がれています。例えば、第1話に登場する「数学的に正しいナポリタン」は、温度管理や食感の対比など数学的思考に基づいた料理として描かれており、SNSでは実際にレシピを再現するファンも続出するほどの反響を呼びました。
一方で「アオアシ」との同時進行による不定期連載という点が、続きを心待ちにするファンにとってはもどかしさを感じさせる要因にもなっています。
高橋文哉・志尊淳主演で実写ドラマ化
「フェルマーの料理」は2023年10月から12月にかけて、TBS系列「金曜ドラマ」枠で全10話のドラマとして放送されました。主演を務めたのは、TBSドラマ初主演となる高橋文哉さんと志尊淳さんです。
数学者を目指していた高校生・北田岳役を演じた高橋文哉さんは、実は高校時代に調理師免許を取得しているという、役柄にぴったりのキャスティングでした。彼のリアルな料理技術が、作中での料理シーンに説得力を持たせています。また、若き天才シェフ・朝倉海役の志尊淳さんは、「帝一の國」や「極主夫道」など多彩な役柄をこなしてきた演技派として知られ、ミステリアスな海の魅力を存分に引き出しました。
ドラマ版では原作の世界観を尊重しつつも、独自の展開が加えられており、原作ファンにも新たな発見があると好評でした。また、数式やグラフを用いた料理の説明シーンなど、原作の特徴的な要素も丁寧に映像化されています。
フェルマーの料理のドラマと原作漫画の7つの違い

2023年に放送されたドラマ「フェルマーの料理」は原作漫画のエッセンスを大切にしながらも、メディアの特性を活かすための様々な変更が加えられています。原作ファンとしては気になる点も多いはず。ここでは、ドラマと原作漫画の7つの主要な違いを詳しく解説します。
①登場人物
ドラマ版と原作漫画の最も顕著な違いは登場人物の構成です。ドラマでは新たなキャラクターが複数追加されています。特に注目すべきは、レストラン「K」の副料理長・布袋勝也役(細田善彦)、岳の父親・北田勲役(宇梶剛士)、そして謎の男・淡島優作役(高橋光臣)といったドラマオリジナルのキャラクターです。
これらの新キャラクターは、ドラマならではの人間ドラマを豊かにし、岳の料理人としての成長をサポートする役割を果たしています。特にレストラン関係のキャラクターが増えているのは、ドラマでは岳のレストランでの修行がメインストーリーとなっているためでしょう。
一方で、原作に登場する武蔵魏一と娘の神楽はドラマには登場しません。原作では武蔵は朝倉海の店のパトロンとなる重要人物であり、神楽は岳の数学オリンピックのライバルという設定です。これらのキャラクターの削除により、ドラマではより岳と海の関係性に焦点が当てられるようになりました。
②ストーリー展開
ドラマ版は大筋こそ原作と同じストーリーをたどりますが、オリジナルの筋書きが多く追加されています。原作漫画が不定期連載であることもあり、ドラマは原作漫画の約3巻11話までの内容をベースにしつつも、独自の展開で物語を膨らませています。
特徴的なのは、ドラマ第二話「超難関二つ星レストランに合格せよ」で描かれる「賄いトライアル」のエピソードです。岳がレストラン「K」のスタッフ全員から合格点をもらわなければクビというルールのもと、肉じゃがで挑戦するシーンは、ドラマならではの緊張感と成長物語を生み出しています。
また、原作では徐々に描かれる岳と海の信頼関係構築が、ドラマではより早いペースで進行し、海のマンションに岳が住むという設定も追加されています。これにより、二人の日常的な交流シーンが増え、より親密な関係性が描けるようになりました。
③世界観設定
原作とドラマの世界観設定にも違いがあります。ドラマでは、海がオーナーシェフを務めるレストラン「K」という二つ星レストランの設定が大きく強調されています。厨房は「戦場のような場所」として描かれ、プロの料理人の世界の厳しさがよりリアルに表現されています。
一方、原作では岳の数学に対する思い入れや挫折の経緯がより詳細に描かれ、料理と数学の世界の共通点や違いについての哲学的な探求に重きが置かれています。数学オリンピックの日本代表合宿でのライバルとの対比など、岳の過去により焦点が当てられている点も違いです。
また、ドラマでは東京の高級マンションや一流レストランという都会的な背景が強調されているのに対し、原作ではより多様な場所での料理の探求が描かれています。こうした世界観の違いは、それぞれのメディアの特性や視聴者・読者層の違いを反映したものと言えるでしょう。
④料理表現
「フェルマーの料理」の核心とも言える料理表現においても、原作とドラマでは大きな違いがあります。原作では、数式やグラフを用いた料理の説明、ビジュアル的な数学表現が特徴的です。「数学的に正しいナポリタン」のように、温度管理や食感の対比など数学的思考に基づいた料理の描写が、漫画ならではの表現で読者を魅了します。
対してドラマでは、実際の食材と調理過程の詳細な描写にウェイトが置かれています。特筆すべきは、高橋文哉さんが実際に高校時代に調理師免許を取得しているという強みを活かし、リアルな料理シーンが多く撮影されていることです。見ているだけで美味しさが伝わってくるビジュアル表現と、実際に作られた料理の存在感が、ドラマの魅力となっています。
第二話の肉じゃがのエピソードでは、「誰でも疲れる」という一言から岳が閃きを得るという展開も、数学的な発想と料理の融合を視覚的・感情的に表現するドラマならではの工夫と言えるでしょう。
⑤人間関係
ドラマと原作では、登場人物間の関係性にも違いが見られます。特に中心となる岳と海の関係は、原作では徐々に互いを認め合い競争相手としても高め合っていくのに対し、ドラマではより早期から密接な関係として描かれています。海のマンションに岳が住むという設定が追加されたことで、二人の食事や日常的な会話のシーンが増え、師弟関係と友情の間の複雑な感情がより前面に出ています。
また、ドラマオリジナルキャラクターによって新たな人間関係も追加されています。副料理長の布袋と岳の関係、岳と父親・勲との関係など、原作には存在しない人間ドラマが展開されています。特に父親が登場することで、岳の挫折や再起に対する家族の視点が加わり、物語に奥行きを与えています。
さらに原作では武蔵魏一と娘の神楽との関係が岳の過去と現在を繋ぐ重要な要素となっていますが、ドラマではこの関係性が省略されている点も大きな違いです。
⑥テーマ性
原作とドラマでは、強調されているテーマにも微妙な違いがあります。原作では、数学と料理の融合という斬新なコンセプトが主軸となり、才能の本質や創造性についての哲学的な問いかけが深く掘り下げられています。挫折した天才数学少年が料理という新たな分野で自分の才能を発見していく過程は、読者自身の人生における可能性への問いかけにもなっています。
一方、ドラマでは人間ドラマとしての側面がより強調されています。協働と競争のバランス、プロフェッショナリズム、師弟関係の複雑さなど、職場や人間関係のダイナミクスに焦点が当てられています。特に高級レストランという緊張感のある環境の中で、岳が料理人として、また一人の人間として成長していく姿が、視聴者の共感を誘います。
こうしたテーマ性の違いは、漫画とドラマという異なるメディアの特性を活かした演出の違いであり、どちらも「フェルマーの料理」の魅力を独自の形で表現していると言えるでしょう。
⑦結末
最も大きな違いと言えるのが結末です。「フェルマーの料理」の原作漫画は2018年から不定期連載が続いており、2025年現在でも完結していません。そのため、ドラマ版は必然的にオリジナルの結末を迎えることになりました。
ドラマ最終話「二人が見つけた完璧な答え」では、岳と海がそれぞれの料理哲学を体現しながらも、互いの存在によって高め合い、新たな地平を切り開いていく展開が描かれています。これは原作がまだ描いていない部分であり、ドラマ独自の解釈と言えるでしょう。
同じく原作が完結前にドラマ化された「トリリオンゲーム」なども同様にオリジナルの結末を迎えています。このような状況はアニメや実写ドラマ化において珍しくなく、メディアごとに異なる展開を楽しめる点も、マルチメディア展開の醍醐味と言えるかもしれません。
原作ファンにとっては「本来の結末はどうなるのか」という期待感も高まりますが、2025年7月に放送開始予定のアニメ版では、原作とドラマ、どちらの展開に近づくのか、あるいは全く新しい解釈が示されるのか、楽しみな要素の一つとなっています。
2025年7月放送!フェルマーの料理のアニメ化最新情報

ついに「フェルマーの料理」のアニメ化が決定しました!2025年1月に発表されたこのビッグニュースは、原作ファンやドラマファンに大きな喜びをもたらしています。原作漫画の不定期連載やドラマのオリジナル展開で「本当の結末はどうなるの?」と気になっていた方も多いはず。数学×料理の異色コラボレーションがアニメでどのように表現されるのか、期待が高まります。ここでは、2025年7月から放送開始予定の「フェルマーの料理」アニメに関する最新情報をお届けします。
製作スタジオとスタッフ
「フェルマーの料理」のアニメーション制作を担当するのは、近年急速に注目を集めている制作会社「ドメリカ」です。ドメリカは「すばらしきこのせかい The Animation」や「刀剣乱舞 廻」シリーズなど、原作の世界観を丁寧に再現した作品を多く手がけており、緻密な作画と魅力的な演出に定評があります。
監督には、独特の映像センスで知られる市川量也氏が抜擢されました。シリーズ構成と脚本はドメリカが担当し、原作の持つ数学と料理のマリアージュを視覚的にも魅力的に表現することが期待されています。キャラクターデザインは岡本岳氏と柏木五月氏のダブル担当制。原作の絵柄の魅力を活かしつつ、アニメならではの動きのある表現が楽しみです。
音楽は五十嵐聡氏が担当。料理シーンでの緊張感や数学的閃きの瞬間など、ドラマティックな展開を音楽で盛り上げる手腕に注目です。このスタッフ陣の布陣から、原作の数学的料理表現とドラマの人間関係の機微、双方の良さを取り入れた作品になると期待されています。
声優キャスト
主演の北田岳役には富田涼介さんが抜擢されています。数学的才能を持ちながらも挫折を経験し、料理の世界で新たな可能性を見出していく主人公・岳の繊細な感情表現と成長が期待されます。
天才シェフの朝倉海役は坂泰斗さんが担当。ドラマ版で志尊淳さんが演じた海のミステリアスさとカリスマ性を、声優として定評のある坂さんがどう表現するのか注目です。
ドラマでも人気だったレストラン「K」の副料理長・布袋勝也役には遠藤大智さん、フランス料理界の巨匠ウィヴィア・ミロ役には永塚拓馬さんが決定しています。赤松蘭菜役の依田菜津さん、福田寧々役の池澤春菜さんなど、女性キャラクターも個性豊かな声優陣で固められました。
特筆すべきは、ドラマでは登場しなかった武蔵神楽役に若山詩音さんが起用されている点です。原作では岳の数学オリンピックのライバルとして重要な役割を持つ神楽が、アニメでは登場することが確定しました。このことから、アニメ版は原作の設定により忠実な展開になると予想されます。
豪華声優陣の演技によって、「フェルマーの料理」の世界がどのように彩られるのか、放送が今から待ち遠しい作品です。
放送局と配信
「フェルマーの料理」のアニメは、2025年7月からテレビ朝日系列の「IMAnimation」枠にて放送開始予定です。放送時間は土曜23:30~日曜0:00の深夜枠。テレビ朝日系列全24局で放送される予定なので、全国どこでも視聴可能です。
「IMAnimation」枠は、「ブルーロック」や「ババンババンバンバンパイア」など話題作を多く輩出している注目の枠で、「フェルマーの料理」はこの枠の2025年夏クールを担う作品として期待されています。前番組は異世界ファンタジー「片田舎のおっさん、剣聖になる」で、ジャンルの異なる作品が続くことになります。
また、テレビ放送と並行して主要動画配信サービスでの配信も予想されます。テレビ朝日系アニメは「ABEMA」や「dアニメストア」、「Netflix」などの複数プラットフォームで配信されることが多いため、お好みの方法で視聴できる環境が整いそうです。詳細な配信情報は放送開始前に公式からアナウンスされる予定ですので、続報にご期待ください。
フェルマーの料理のアニメ化で期待される展開

2025年7月から放送開始となる「フェルマーの料理」のアニメ。原作マンガとドラマ版の両方を楽しんだファンにとって、アニメ版がどのような展開になるのか非常に気になるところでしょう。特に原作が不定期連載中で、ドラマ版がオリジナル結末を迎えた状況だけに、アニメ版の立ち位置には多くの可能性があります。ここでは、アニメ「フェルマーの料理」で期待される展開について考察していきましょう。
原作とドラマ、どちらに近い展開になるか
アニメ「フェルマーの料理」が原作とドラマのどちらに近い展開になるかは、多くのファンが気になる点です。結論から言うと、アニメは基本的に原作に忠実な路線を採用しつつも、ドラマで好評だった要素を一部取り入れるハイブリッド路線になる可能性が高いと考えられます。
その根拠として、まず原作の状況があります。2018年から不定期連載中の「フェルマーの料理」は2025年5月時点で5巻まで発売されており、1クールのアニメ(12~13話)を制作するには十分なストックがあります。過去の料理漫画アニメ化成功例である「食戟のソーマ」なども、原作の魅力を最大限活かした路線で高評価を得ています。
一方、2023年に放送されたドラマ版は、オリジナルキャラクターの追加やオリジナル展開で独自の魅力を打ち出しました。特に岳の父親役や「K」の副料理長役など、人間ドラマを豊かにするキャラクターは好評でした。アニメ版がこれらの要素を完全に無視するとは考えにくく、一部のエピソードやキャラクターは取り入れられるでしょう。
しかし、ドメリカの過去作品を見ると、原作の世界観を大切にする傾向があります。「刀剣乱舞」シリーズなどでも原作ゲームの雰囲気を忠実に表現しており、「フェルマーの料理」でも小林有吾先生の描く数学と料理の融合という原作の核心部分は変えずに展開されると予想されます。
アニメならではの表現に期待できるポイント
「フェルマーの料理」がアニメ化されることで、最も期待したいのは「数学×料理」という斬新なコンセプトのアニメーションによる表現です。原作漫画では静止画、ドラマでは実写という制約がありましたが、アニメーションならではの自由度の高い表現により、両メディアを超える新たな魅力が生まれるでしょう。
特に数学的思考過程の視覚化は、アニメが最も輝く部分になるはずです。例えば、岳が料理を考える際の数式やグラフがアニメーションで動き出し、思考の流れが視覚的に表現されることで、原作以上に数学と料理の融合の面白さが伝わる可能性があります。「黒板に浮かぶ数式が食材に変わる」「料理工程がグラフとして可視化される」といった表現は、アニメならではの見どころとなるでしょう。
また、料理の調理過程や完成品の表現も期待ポイントです。「食戟のソーマ」のように、食材の質感や調理による変化、料理の美味しさを表現する演出など、アニメーションならではの臨場感あふれる料理シーンが期待できます。さらに料理音や完成時の効果音などの音響効果も相まって、視聴者の五感を刺激する作品になることでしょう。
加えて、岳と海の複雑な関係性や内面の葛藤も、声優の演技と繊細なアニメーション表現によってより深く描かれる可能性があります。数学への情熱を失いながらも料理で再び輝きを見出す岳の心情や、才能ある岳に対する海の複雑な感情など、ドラマよりもさらに深く掘り下げられるかもしれません。
2025年7月の放送開始が今から待ち遠しい「フェルマーの料理」。原作ファンもドラマファンも、新たな魅力に出会える作品になることを期待しています。
フェルマーの料理に関するよくある質問

「フェルマーの料理」に関してよく寄せられる質問にお答えします。原作とドラマの関係、アニメの視聴方法など、これから作品を楽しむ上で役立つ情報をまとめました。
ドラマ版は原作漫画の何巻まで扱っているのですか?
ドラマ版「フェルマーの料理」は、原作漫画の約3巻11話までの内容をベースにしています。ドラマ第一話は原作第1話「黒い男」が元になっており、岳と海の出会いから始まるストーリーの骨子は原作を踏襲しています。
ただし、ドラマでは副料理長・布袋勝也や岳の父親・北田勲など、オリジナルキャラクターが多数追加されています。また、原作では武蔵魏一と娘の神楽が登場しますが、ドラマでは登場しないなど、キャラクター構成に大きな違いがあります。さらに、原作漫画が完結していないため、ドラマの最終話「二人が見つけた完璧な答え」ではオリジナルの結末が描かれています。
原作漫画は不定期連載ですが、現在何巻まで発売されていますか?
「フェルマーの料理」は2018年9月6日(月刊少年マガジン2018年10月号)から連載が開始され、2025年4月30日現在で単行本は5巻まで発売されています。2025年1月時点で累計発行部数は60万部を突破しており、着実にファンを増やし続けている作品です。
不定期連載となっている主な理由は、作者の小林有吾先生が小学館の「ビッグコミックスピリッツ」でサッカー漫画「アオアシ」も並行して連載しているためです。「アオアシ」もまた人気作品であり、両作品の連載の兼ね合いから「フェルマーの料理」は不定期連載となっています。ただ、アニメ化決定に伴い、今後は連載ペースが上がる可能性もあります。
ドラマとアニメ、それぞれ何話構成ですか?
ドラマ版「フェルマーの料理」は、2023年10月20日から12月22日までTBS系列「金曜ドラマ」枠で放送され、全10話構成でした。初回は15分拡大(22:00~23:09)で放送されました。
一方、アニメ版は2025年7月からテレビ朝日系列「IMAnimation」枠での放送が予定されていますが、現時点では具体的な話数は発表されていません。一般的な深夜アニメは1クール(3ヶ月間)で12~13話が標準的なため、同程度の話数になると予想されます。ただし、原作のストック状況や制作スケジュールにより、分割2クールになる可能性もあります。詳細は放送直前の公式発表を待ちましょう。
原作と実写版、どちらから楽しむべきですか?
どちらから楽しむかは個人の好みによりますが、それぞれの特徴を踏まえたおすすめの順番をご紹介します。
物語の原点を知りたい方は、まず原作漫画から読むことをおすすめします。小林有吾先生の緻密な作画と、数学と料理を融合させた独創的な表現を味わうことができます。また、自分のペースで読み進められるため、数学的な要素をじっくり理解したい方にも向いています。
視覚的・感覚的に「フェルマーの料理」の世界を体験したい方は、ドラマ版から入るのもおすすめです。高橋文哉さんと志尊淳さんの演技、本物の料理を使った臨場感あるシーンなど、マンガとは異なる魅力があります。また、ドラマ版はすでに完結しているため、物語の全体像を把握することができます。
どちらも時間がないという方は、2025年7月から始まるアニメを起点に、気になった方のメディアを後から楽しむのも良いでしょう。
アニメ版はいつからどこで視聴できますか?
アニメ「フェルマーの料理」は、2025年7月からテレビ朝日系全国24局ネットの「IMAnimation」枠にて放送開始されます。放送時間は土曜23:30~日曜0:00の深夜枠となります。地上波テレビをお持ちの方は、お住まいの地域のテレビ朝日系列局で視聴することができます。
スタッフ陣も豪華で、原作:小林有吾、監督:市川量也、シリーズ構成・脚本:ドメリカ、キャラクターデザイン:岡本岳・柏木五月といった実力派クリエイターが集結しています。総作画監督も岡本岳氏と柏木五月氏が担当するダブル体制であり、クオリティの高い作画が期待できます。
配信サービスでの視聴については、現時点で公式発表はありませんが、テレビ朝日系アニメは「ABEMA」や「dアニメストア」などの主要動画配信サービスで配信される傾向にあります。過去の例から考えると、TV放送と同時またはTV放送後すぐに配信が開始される可能性が高いでしょう。
フェルマーの料理のドラマと原作漫画の7つの違いまとめ

「フェルマーの料理」の原作漫画とドラマ版の違いについて、7つの重要な観点から見てきました。ここではそれらの違いを簡潔にまとめ、今後のアニメ化に向けた展望を考えてみましょう。
登場人物については、ドラマ版では副料理長・布袋勝也や岳の父親など多数のオリジナルキャラクターが追加される一方、原作の武蔵魏一と娘の神楽は登場しませんでした。ストーリー展開も、原作3巻11話までをベースにしながらも、ドラマならではの独自展開が加えられています。
世界観設定では、ドラマではレストラン「K」の二つ星レストランとしての設定が強化され、プロの料理人世界の厳しさがより強調されました。料理表現においては、原作の数式やグラフを用いた説明に対し、ドラマでは実際の食材と調理過程の生々しい描写が魅力となっています。
人間関係では岳と海の関係がドラマでより早期から密接になり、テーマ性も原作の哲学的探求からドラマでは人間ドラマとしての側面が強化されました。そして最大の違いである結末は、原作が2025年現在も連載中であるのに対し、ドラマは「二人が見つけた完璧な答え」というオリジナル結末で締めくくられています。
これら7つの違いは、漫画とドラマという異なるメディアの特性を活かした結果であり、どちらが優れているというものではありません。原作の緻密な数学×料理の融合という独創性と、ドラマの臨場感あふれる料理表現と人間ドラマ、それぞれに魅力があります。
2025年7月から放送開始となるアニメ版では、これら双方の良さを取り入れた新たな「フェルマーの料理」が誕生することでしょう。アニメーションならではの自由度の高い表現で、原作の数学的表現を動きのある映像で再現しつつ、ドラマで人気を博したエピソードも一部取り入れる展開が期待されます。
今からアニメ版の放送が楽しみな方は、まずは原作漫画を読んでみることをおすすめします。現在5巻まで発売されており、アニメの基礎となる世界観やキャラクターの魅力を十分に味わうことができます。また、ドラマ版も配信サービスなどで視聴可能ですので、異なる解釈を比較するのも一興でしょう。
数学と料理という異なる分野の融合という斬新な切り口で、多くのファンを魅了し続ける「フェルマーの料理」。2025年夏、アニメ版でさらなる進化を遂げる本作の新たな魅力に、今から期待を高めておきましょう。