人気マンガ・アニメ「ドクターストーン」の宝島編で登場し、強烈な印象を残した敵キャラクター「イバラ」。石化装置を操り、宝島を恐怖政治で支配していた彼は、千空たちとの戦いに敗れ石化されました。しかし、その後の運命については多くのファンが疑問を抱いています。
イバラは本当に悪役だったのか?彼が石化された後、宝島はどう変わったのか?そして原作では描かれていなかった「イバラのその後」はどうなるのでしょうか?
本記事では、宝島編の鍵を握るキャラクター・イバラの全てについて、その特徴から最後の戦い、そして復活の可能性まで徹底解説します。
ドクターストーンのイバラとは?

人気漫画・アニメ「ドクターストーン」の宝島編に登場する主要な敵キャラクターであるイバラ。彼は石化王国という独自の支配体制を築き、千空たちの前に立ちはだかる強敵として描かれています。このセクションでは、イバラというキャラクターの基本情報から、その特徴、権力の掌握方法までを詳しく解説していきます。
宝島を支配していた石化王国の宰相
イバラは、千空の父である白夜が地上に降り立ち暮らしていた宝島を支配している石化王国の宰相です。石神村の人々と同じく、人類最後となった宇宙飛行士たちの子孫の一人であり、長い年月をかけて宝島での権力を掌握してきました。
石化王国では表向きは「頭首」と呼ばれる支配者が君臨しており、イバラはその側近として宰相の地位にいます。しかし実際には、イバラが頭首を石化させて操っており、島の実質的な支配者となっていました。イバラは頭首の姿を借りた傀儡政治を行い、宝島の住民を恐怖で支配していたのです。
宝島では彼こそが唯一頭首と直接連絡を取れる人物とされており、その特権的な立場を利用して絶対的な権力を維持していました。さらにキリサメやモズといった強力な側近を従え、島の統治体制を強固なものにしていたのです。
イバラの性格と特徴
イバラは非常に慎重かつ狡猾な性格の持ち主です。彼の最大の特徴は、状況を冷静に分析し、常に最悪の事態を想定して行動することでしょう。千空たちが島に来た際も、すぐに彼らの能力や石化解除の技術に気づき、それが自分の権力を脅かす可能性があると判断して行動を起こしました。
若い頃はやや優秀な戦士だったとされていますが、戦闘能力よりも知略で頭角を現したようです。あらゆる小細工や計略により頭首に取り入り、宰相の座にまで上り詰めました。その手腕は島の住民からも恐れられ、誰も彼に逆らうことができない状況を作り出していました。
イバラのもう一つの特徴として「可愛い子に目がない」という面があります。この特性は時に彼の行動原理となり、特にアマリリスのような美しい女性に対しては弱みを見せることもありました。しかし、そのような感情に流されることなく、常に自分の権力維持を最優先に行動するのがイバラという人物です。
石化装置を悪用した権力者
イバラの権力の源泉となっていたのが、側近のキリサメが持つ「石化装置」です。この装置は、人間を瞬時に石像に変えてしまうという恐ろしい力を持っています。イバラはこの装置を使って、自分に逆らう者や頭首の正体に気づいてしまった者を次々と石化させ、島の支配を強化していました。
頭首の石化という最大の秘密を守るため、イバラは石化装置を効果的に使用していました。銀狼のように頭首の正体に気づいてしまった者は、すぐに石化させられるか命を落とすことになるのです。また、石化装置の存在そのものが島民への脅しとなり、誰も反抗できない恐怖政治が続いていました。
石化装置の使用権限は、イバラとキリサメだけが持っていたため、他の者がそれに対抗する手段はありませんでした。石化という絶対的な脅威を背景に、イバラは長年にわたって宝島の支配を続けることができたのです。
そして千空たちが島に現れたことで、イバラの支配体制は初めて本格的な危機を迎えることになります。彼らが持つ石化解除の技術は、イバラの権力の根幹を揺るがすものだったからです。
宝島編のストーリーとイバラの役割

ドクターストーンの「宝島編」は、千空たちが科学船ペルセウスを建造して海を渡り、宝島と呼ばれる島を目指すストーリーです。この編では千空たちと石化王国との対立が描かれ、その中心にいるのがイバラという人物です。ここでは宝島編の全体的なあらすじと、イバラの果たした役割について詳しく見ていきましょう。
宝島編のあらすじ
宝島編は、千空たちが石化装置の材料となるプラチナを求めて海を渡るところから始まります。彼らの目的地である宝島は、千空の父・白夜が不時着して暮らしていた場所であり、そこには宇宙船ソユーズの帰還船に保管されていた「宝箱」があると考えられていました。
千空たちはペルセウス号を建造し、龍水を船長として宝島へと向かいます。その過程で、ソユーズが実は宝島の出身であることが判明し、宝島には石神村と分家した人々が住んでいることが分かります。
宝島に到着した一行は、島が「石化王国」と呼ばれる独自の支配体制下にあることを知ります。コハク、千空、ゲン、ソユーズが偵察隊として上陸しますが、船に残ったメンバーは謎の光線によって石化されてしまいます。
千空たちは島の少女アマリリスと出会い、島が「頭首」と呼ばれる支配者とその側近イバラによって治められていること、そして石化爆弾(メデューサ)によって島民が恐怖政治の下に置かれていることを知ります。千空たちはこの石化装置を奪取してイバラの支配を終わらせるべく、計画を立てていきます。
イバラの野望と悪事の全貌
イバラの最大の野望は、宝島における絶対的な支配と権力の維持でした。若い頃から野心家だったイバラは、様々な小細工によって頭首の信頼を勝ち取り、宰相という地位に上り詰めます。そして最終的には頭首を石化させて完全に排除し、その権力を奪取したのです。
イバラの行った悪事は多岐にわたります。
- 頭首を石化させ、その姿を操り人形のように使って支配を続けた
- 頭首の正体に気づいた者を次々と石化または殺害した
- 銀狼のような調査者に対して躊躇なく暴力を振るった
- 石化装置を脅しの道具として使い、島民を恐怖で支配した
- 反抗の芽を徹底的に摘み取る独裁体制を敷いた
特に悪質だったのは、ソユーズの家族に対する仕打ちです。頭首の正統な後継者であるソユーズとその母は、イバラの迫害を逃れて宝島を脱出せざるを得ませんでした。その過程でソユーズの母は命を落とし、ソユーズ自身も故郷を追われて石神村に辿り着いたのです。
イバラは千空たちが石化解除の技術を持っていることを知ると、すぐにそれが自分の権力を脅かす存在だと判断します。特に石化された頭首が復活する可能性があることを恐れ、千空たちの技術を奪うか、彼らを排除する計画を立てました。
頭首を石化させた真実
イバラの最大の秘密は、島の統治者である「頭首」を石化させていたという真実です。イバラは表向きは頭首の命令を伝える宰相という立場でしたが、実際には頭首はすでに石化されており、イバラがその姿を隠して島を支配していました。
頭首の石化は極秘に行われ、その事実を知る者はイバラの側近たち(キリサメやモズなど)のみでした。イバラは頭首と直接会話できる唯一の人物として振る舞い、頭首からの「命令」という名目で自らの意志を島民に押し付けていたのです。
この秘密が明らかになることを最も恐れていたイバラは、頭首の正体に気づいてしまった者を容赦なく排除していました。銀狼はこの秘密に気づいてしまったために致命傷を負わされ、コハクとともに意図的に石化されることを選びます。
頭首の石化という真実は、イバラの権力の根幹を成す最重要機密でした。もしこの事実が島民に知れ渡れば、イバラの支配は一瞬で崩壊してしまうからです。そのため、イバラは千空たちの石化解除技術に激しい危機感を抱き、あらゆる手段を使って彼らを排除しようとしたのです。
千空たちとの最終決戦において、この秘密は明らかになり、イバラの長年にわたる悪事が白日の下に晒されることになります。
宝島編でのイバラの最後の戦い

宝島編のクライマックスは、イバラと千空による最後の戦いです。長い宝島編もついに島の支配者であるイバラと科学王国の指導者・千空の一騎打ちとなりました。千空の知略とイバラの策略が激突する最終決戦の行方を詳しく見ていきましょう。
千空との最終決戦
宝島編も佳境に入り、追い詰められたイバラは最終手段として島全体を石化光線で覆うという作戦に出ます。部下であるオオアシラを騙して島の中心に走らせ、石化装置を起動させることで島全体を石化光線で覆うことに成功。これによって千空たちのほとんどが石化されてしまいます。
完全に勝利を確信したイバラは、石化から逃れた者から復活液の作り方を聞き出せば良いと考えていましたが、彼の計算を超える事態が発生します。千空だけが生き残っていたのです。
千空は仲間たちの機転により、石化光線の速度を計算して絶妙のタイミングで復活液を上に投げることで、石化した瞬間からすぐに復活を果たしていました。こうして島の大部分が石化されてしまった中、残された二人の戦いが始まります。
千空は戦闘能力が低い一方、イバラは年配ではあるものの元石化王国の兵士です。二人の力の差は明らかで、すぐに石化装置をイバラに奪われてしまいます。石化装置を投げられたら終わりという状況で、千空は木々が多い森を経由して逃げ、最終的には断崖絶壁の海岸にまで追い詰められてしまいます。
石化装置による石化
追い詰められた千空でしたが、実は彼は逃げながらも次の作戦を立てていました。逃げる道中で龍水を復活させ、「次に俺が通信した時がGOの合図だ」と指示。イバラが石化装置を起動させ投げた瞬間に、龍水が操作するドローンで石化装置をキャッチするという作戦です。
空中で石化装置を奪った千空と龍水はイバラと綱引き状態となり、ドローンにつけられたヒモを引っ張り合います。石化装置はすでに5メートル・5秒後の命令で起動しており、時間との勝負となります。千空たちの作戦は、ギリギリまで引っ張り合い、装置が起動する直前で手を離してイバラの方に石化装置を押し付けるというものでした。
しかし慎重なイバラも千空の作戦を見抜いていました。あえて千空たちのギリギリまで引っ張って最後に手を離すという作戦に乗り、千空たちから放たれた石化装置に自分の帽子を投げつけてストップさせることに成功します。さらに長年石化装置を使ってきた経験から、石化光線が届かない範囲を正確に把握しており、その安全圏に留まることで石化を回避しようとしました。
イバラが勝利を確信したその時、龍水が石化する覚悟で突っ込みます。イバラはこの石化した龍水さえも避けて完全に千空たちに勝利したと確信し、「サヨナラ 今度こそ 永い戦いのラストマンスタンディングはおじいちゃんでした!!」と勝利宣言をしますが、石化装置の先端に何かついていることに気づきます。
それは千空が作ったインカムで、龍水が石化覚悟で突っ込んだのはインカムを装置に付けるためでした。千空はインカムを通じて「あ゛ーイバラ テメーの言うとおりだ 自分が賢いと思っている奴ほどハメられる」と言い放ち、石化装置を遠隔操作で起動させます。イバラは自分の知略が千空に勝ると思い込んでいた傲慢さゆえに、最終的に石化されてしまったのです。
敗北後の島の変化
イバラの石化により、宝島の支配体制は大きく変わりました。千空はまず科学王国の仲間たちを復活させるために復活液を大量生産し、クロムを復活させます。その後、食料調達のための大樹とフランソワ、ペルセウス号の修理のための他のメンバーも復活させていきました。
イバラが実行していた幻影の頭首を利用した石化王国の政治体制は完全に終焉を迎え、島は新たな統治体制へと移行していきます。特に重要なのは、ソユーズが本来の石化王国の跡取りであることが判明し、彼が島に残って新たな指導者となることを決意した点です。
復活液の作り方を覚えているソユーズは、千空たちに「時間をかけて島民の石化を全員解除する」と約束します。千空たちは次なる目標である月へ向かうため、宝島を後にしますが、イバラの支配から解放された宝島には新たな未来が待っていました。
イバラ自身は石化されたままで、2021年8月時点の最新刊(漫画22巻・南米編終了時点)でも彼の復活は描かれていません。しかし石化装置は千空たちの手に渡っており、イバラが石化王国にとっての脅威となることはなくなりました。かつての独裁者が石化されたことで、宝島は平和な新時代を迎えることになったのです。
イバラのその後は原作でどう描かれている?

イバラが石化された後、彼のその後については原作でどのように描かれているのでしょうか。宝島編のラスボスとして印象的な存在だったイバラですが、彼の運命はどうなったのか、原作の描写を基に詳しく見ていきましょう。
ソユーズが語った「島民を全員復活させる」発言
宝島編の終盤、千空たちが次なる目標である月を目指して出発する際、ソユーズは島に残って新たな指導者になることを決意します。その際、ソユーズは重要な発言をしています。「復活液の作り方も覚えているため、時間をかけて島民の石化を全員解除する」と千空たちに約束したのです。
この「島民を全員復活させる」という発言は非常に重要です。というのも、理論的にはイバラも宝島の島民の一人であるため、この発言に従えば、いずれイバラも復活させられる可能性があるからです。ソユーズはイバラに家族を殺されたという因縁がありますが、それでも「全員」と言った以上、その中にイバラも含まれる可能性は否定できません。
一方で、ソユーズがイバラを特別扱いして復活させない選択をする可能性も十分に考えられます。「全員」と言っても、悪事を働いた張本人であるイバラを復活させるかどうかは別問題と解釈することもできるでしょう。ソユーズの「全員」という言葉の真意については、原作では明確に示されていません。
南米編までの展開でイバラは登場せず
宝島編の後、ドクターストーンの物語は南米編へと移行していきます。千空たちは月に向かうためのロケット建造に必要な資材を集めるため、アメリカへと渡ります。その過程で科学者ゼノやアメリカチームとの対立と協力が描かれますが、この南米編においてイバラが登場したり、彼のその後について明確に言及されたりすることはありませんでした。
南米編では千空たちとアメリカチームとの対立、さらにはホワイマン(石化の真の原因である存在)との対決に向けた動きが中心となっており、宝島やそこに残されたイバラについての描写は極めて限られています。
物語の焦点が宝島から離れ、より大きな目標(月へ行くこと、ホワイマンとの対決)に移ったことで、イバラのようなローカルな敵キャラクターの描写は後景に退いてしまったと考えられます。しかし、だからといってイバラの物語が完全に終わったわけではないかもしれません。
石化されたまま放置されている可能性
原作の南米編までの展開を見る限り、イバラは石化されたまま放置されている可能性が高いと考えられます。宝島を出発する時点で、ソユーズは千空たちに島民を全員復活させると約束しましたが、その作業がどこまで進んでいるのかは明らかにされていません。
また、注目すべき点として、南米編の終盤では千空たちはアメリカ勢に勝つために再び地球を石化光線で覆うという大胆な作戦を取っています。この石化により、アメリカ勢や千空たちだけでなく、ソユーズや石神村の人々も一旦石化してしまっています。つまり、たとえソユーズがイバラを復活させる意思を持っていたとしても、南米編の最終局面では彼自身が石化されてしまったため、その計画は一時中断されている状態だと考えられるのです。
この展開を踏まえると、イバラは現在も石化されたまま宝島のどこかに置かれている可能性が高いでしょう。千空の目標が「全人類の石化からの復活」である以上、理論的にはイバラもいつかは復活する候補ではありますが、物語の優先順位としては低く設定されているように見えます。
千空たちが最終的にホワイマンとの対決に勝利し、全世界の石化問題を解決した暁には、イバラのような局所的な敵もまた復活の機会を得るかもしれません。しかし現時点では、イバラは石化されたまま、物語の主流から外れた存在となっていると言えるでしょう。
今後イバラが復活する可能性はある?
イバラは宝島編のラスボスとして千空たちと激しく対立し、最終的に石化されましたが、彼が今後物語の中で復活する可能性はあるのでしょうか?ここでは原作のテーマや展開を踏まえて、イバラの復活可能性について考察していきます。
悪役としての役割を終えたので復活の可能性は薄い
イバラが今後復活する可能性は、客観的に見れば比較的低いと考えられます。その理由はいくつかあります。
まず第一に、イバラは物語の中で「宝島編」という一つのエピソードのボスキャラクターとして登場し、その役割を完全に果たしたと言えます。彼の支配体制は打ち破られ、物語上の対立構造はすでに解消されています。ドクターストーンでは各編ごとに新たな敵や課題が登場する傾向があり、イバラのような過去の敵キャラクターが再び中心的な役割を果たすことは少ないのです。
第二に、物語の焦点はより大きなスケールに移っています。宝島編の後、千空たちは月にいる「ホワイマン」という石化の真の原因との対決に向かって進んでいきます。こうした全人類規模の課題に比べれば、イバラという一人の独裁者は物語の中で重要性が低下しているのです。
原作漫画はすでに完結しており、アニメ第4期「SCIENCE FUTURE」が2025年1月から放送開始していますが、現時点で公開されている情報では、イバラの復活に関する明確な示唆はありません。
一方で、イバラを復活させない理由としては、彼が物語上で犯した罪の重さも考慮すべき点です。頭首を石化して偽りの支配体制を敷き、多くの島民を苦しめてきたイバラを復活させることには、物語上の倫理的な問題も含まれるでしょう。特にソユーズにとっては、家族を殺されたという深い因縁があるため、積極的に復活させたいとは思わない可能性が高いのです。
復活する場合のストーリー展開
一方で、イバラが復活する可能性も完全には否定できません。ドクターストーンの物語の根幹には「全人類の石化からの復活」というテーマがあり、千空は最終的に全ての人々を救いたいと考えています。そのような大きな目標の中では、イバラのような悪人でさえも復活の対象となり得るのです。
イバラが復活する場合、考えられるストーリー展開としては以下のようなパターンが挙げられます。
- 改心して協力者になるパターン:長い石化期間を経て考えを改め、自らの過ちを認めて新たな宝島の建設に協力するようになる。ソユーズとの和解も描かれる可能性がある。
- 再び敵対するパターン:復活後も自分の権力を取り戻そうとし、新たな宝島の秩序に対抗する。しかし物語の規模が大きくなっている現状では、脇役的な敵として描かれる可能性が高い。
- 単なる背景キャラクターとしての復活:特に重要な役割は与えられず、ただ復活したという事実だけが示される。全人類復活の一環として、さらっと描かれる程度になる可能性もある。
なお、原作はすでに完結していますが、もしアニメオリジナルのエピソードなどでイバラの復活が描かれるとすれば、宝島で新たな秩序を築いているソユーズとの対立や和解の物語が中心になるでしょう。あるいは、ホワイマンとの最終決戦において、かつての敵までもが人類の味方として力を合わせるような展開も考えられます。
いずれにせよ、イバラの復活はあったとしても物語の大きな転換点になるほどの重要性は持たないと予想されます。宝島編の悪役としての彼の物語は、すでに完結していると見るのが自然でしょう。
イバラの人気と魅力

ドクターストーンの宝島編に登場するイバラは、その独特の存在感で多くのファンに印象を残しています。悪役でありながらも単純な「悪の権化」ではなく、複雑な性格と特徴を持つキャラクターとして描かれています。ここではイバラの人気と魅力について詳しく探っていきましょう。
複雑なキャラクター
イバラの魅力の一つは、その複雑な人物像にあります。単に「悪い人」として描かれるのではなく、さまざまな側面を持つキャラクターとして丁寧に描写されています。
若い頃は石化王国の「やや優秀な戦士」だったイバラが、小細工や策略によって頭首に取り入り、宰相という高い地位まで上り詰めたという背景は、彼の人物像に深みを与えています。権力を得るために長期的な計画を立て、それを実行に移す忍耐力と決断力を持ち合わせているのです。
また、「可愛い子には目がない」という人間的な弱点も持っています。この特徴は、冷酷な独裁者としての一面だけでなく、人間らしい感情や欲望も持ち合わせていることを示しており、キャラクターに立体感を与えています。アマリリスのような美しい女性に対しては特に弱みを見せるなど、完璧ではない人間としての側面が描かれています。
イバラの複雑さは、彼の行動原理にも表れています。単純な権力欲だけでなく、石化装置という特殊な力を独占し、それを利用して支配体制を確立するという特異な方法を選んだ点は、彼のキャラクターの奥深さを感じさせます。
戦略と知性
イバラの最大の武器は、その戦略的思考と高い知性です。彼は常に最悪の事態を想定し、あらゆる状況に対応できるよう準備を怠りません。この慎重な性格と先を見通す能力が、彼を長年にわたって宝島の実質的な支配者の地位に留まらせたのです。
千空たちが石化解除の技術を持っていることを知った瞬間、それが自分の権力を脅かす可能性があることを即座に理解し、対策を講じる判断力は特筆に値します。また、石化装置の性能を熟知し、その効果範囲を正確に把握している点も、彼の知性と経験の表れです。
最終決戦での千空との知恵比べにおいても、イバラは常に一歩先を読んで行動します。千空の作戦を見抜き、それに対抗する策を即座に打ち出す頭の回転の速さは、科学の天才である千空すら苦戦させました。石化装置をめぐる最後の戦いで、千空たちのドローン作戦を見抜き、帽子を投げて装置を止めるなど、臨機応変な対応力も持ち合わせています。
イバラの知性と戦略は、単に頭がいいというだけでなく、長年培った経験と観察力、そして常に最悪の事態を想定する慎重さに裏打ちされています。それこそが彼を一級の悪役たらしめている要素と言えるでしょう。
悪役としての存在感
ドクターストーンにはさまざまな敵キャラクターが登場しますが、イバラはその中でも特に印象的な存在感を放っています。彼の悪役としての魅力は、以下のような点に集約されるでしょう。
- 現実味のある悪の描写:イバラの行う支配は、実際の独裁政治を想起させるリアリティがあります。石化装置という特殊な力を背景にしていますが、その使い方は現実の権力者の手法に通じるものがあり、説得力があります。
- 最後まで諦めない粘り強さ:追い詰められてからも、島全体の石化という大胆な作戦を実行したり、最後の最後まで千空に対抗したりと、決して諦めない精神力を持っています。
- 年齢を感じさせない活力:高齢であるにもかかわらず、千空との一騎打ちでは身体能力の面でも優位に立つなど、老練さと活力を兼ね備えています。
- 印象的な最期:石化装置によって石化されるという、彼自身が振るってきた恐怖によって最期を迎えるという因果応報的な結末は、物語上非常に印象的です。「自分が賢いと思っている奴ほどハメられる」という千空の言葉どおり、自らの慢心が敗因となりました。
イバラは司やホワイマンなどの他の敵キャラクターと比較しても、より人間的で現実味のある悪役として描かれており、それが彼の存在感を際立たせています。強大な力や特殊能力ではなく、知略と経験、そして石化装置という道具を最大限に活用する姿は、ドクターストーンの世界観に溶け込みながらも独自の存在感を放っています。
このように、イバラは単なる「悪い奴」ではなく、複雑な背景と動機を持ち、高い知性と戦略で千空たちを追い詰める、印象的な悪役として多くのファンの記憶に残るキャラクターとなっているのです。
イバラと関連キャラクターのその後

イバラの石化により、宝島の支配体制は大きく変化しました。ここでは、イバラと関わりの深かったキャラクターたちのその後や、科学王国と宝島の関係について見ていきましょう。
ソユーズの宝島での活躍
ソユーズは石神村で「名無し」として暮らしていましたが、実は宝島の頭首の正統な後継者であったことが判明します。彼はかつてイバラの迫害から逃れるために母親と共に宝島を脱出し、石神村にたどり着いたのでした。イバラが打倒された後、ソユーズは自分のルーツである宝島に残ることを決意し、新たな指導者として島を統治することになります。
千空たちが宝島を去る際、ソユーズは「復活液の作り方も覚えているため、時間をかけて島民の石化を全員解除する」と約束しました。この発言はイバラのその後を考える上でも重要です。ソユーズは父親をイバラに殺されたという因縁があるにもかかわらず、「全員」という言葉を使っていることから、彼の度量の広さがうかがえます。
ソユーズは科学王国での経験を活かし、宝島に新たな風を吹き込んだと考えられます。千空から学んだ科学の知識や技術を島の発展に役立て、かつてのイバラの独裁政治とは全く異なる統治スタイルで島民を導いていくことでしょう。
ただし、南米編の終盤で再び地球が石化光線で覆われた際には、ソユーズ自身も石化してしまった可能性が高く、その時点での宝島の復興計画は一時中断を余儀なくされたと推測されます。
キリサメとアマリリスのその後
キリサメはイバラの側近として石化装置を操る役割を担っていましたが、心の奥では反抗の意志を持っていたことが示唆されています。イバラの石化後、キリサメはその戦闘能力と忠誠心を宝島の秩序維持のために活かしたと考えられます。
最終決戦前の混乱の中でイバラによって石化されたキリサメですが、千空たちの勝利後に復活し、ソユーズの体制下で島の警備や防衛を担当する重要な役割を果たしたでしょう。その武力は、新しい宝島の秩序を守るために不可欠だったはずです。
一方、アマリリスは美しさと知恵を活かして人々の心をつなぐ役割を担ったと考えられます。彼女はソユーズを補佐する立場として、新たな宝島の象徴となったのではないでしょうか。アマリリスは元々頭首の後宮に入り、石化装置を奪うことを目指していましたが、イバラの敗北後は純粋に島の平和のために力を尽くしたと推察されます。
キリサメとアマリリスはいずれも、かつてイバラの体制下で苦しみながらも生き抜いてきた人物たちです。イバラの石化後、彼らはソユーズとともに新たな宝島の建設に尽力し、かつての恐怖政治の象徴から希望の象徴へと変わっていったのではないでしょうか。
科学王国メンバーと宝島の関係
宝島編の終結後、千空を筆頭とする科学王国のメンバーは次なる目標である月を目指して宝島を後にします。しかし、それは宝島との関係が完全に断たれたことを意味するわけではありません。
科学王国と宝島の間には、次のような関係性が続いていると考えられます。
- 技術提供:千空たちは宝島に復活液の製法を伝授しただけでなく、さまざまな科学技術の基礎知識をソユーズたちに提供した可能性があります。これにより宝島の生活水準は向上し、石化王国時代よりもはるかに豊かな社会が築かれたことでしょう。
- 情報交換:千空たちの旅の中で得られた新たな情報や技術が、何らかの形で宝島にもフィードバックされた可能性があります。特に石化現象の真相について重要な発見があれば、それは宝島にとっても重要な情報となります。
- 潜在的な協力関係:ホワイマンとの最終決戦に向けて、世界中の人々の協力が必要となる中、宝島もその一端を担う可能性があります。宝島はメデューサの使用経験があり、石化に関する知識も豊富なため、最終決戦に何らかの形で貢献できる可能性があります。
千空たちが宝島を去った後、具体的にどのような交流があったのかは原作で明確に描かれていませんが、科学の発展と全人類の復活という大きな目標に向けて、間接的にでも連携を続けていたと考えるのが自然でしょう。
イバラという共通の敵に対する勝利によって結ばれた絆は、その後も科学王国と宝島の間で続いていくことになるのです。
ドクターストーンのイバラに関するよくある質問

宝島編のラスボスであるイバラについて、ファンの間ではさまざまな疑問が挙がっています。ここでは、イバラに関してよく寄せられる質問に回答していきます。
イバラは最終的に復活するのでしょうか?
現時点での原作情報を踏まえると、イバラの復活は明確には描かれていません。南米編終了時点でも、イバラが石化から復活したという描写はありません。
イバラは重大な罪を犯した人物であり、ソユーズ個人にとっては家族を殺された因縁もあるため、積極的に復活させる動機は薄いとも考えられます。
結論としては、原作では明確に描かれていませんが、ドクターストーンの世界観からすれば復活の可能性はゼロではないと言えるでしょう。ただし、それが描かれるとしても、主要なストーリーラインではなく、背景的な扱いになる可能性が高いと思われます。
イバラは本当に悪役だったのでしょうか?
イバラは明確に物語内での「悪役」です。彼が行った行為を見ると、その悪役性は明らかです。
- 島の正当な統治者である頭首を石化させ、その事実を隠して支配権を奪った
- 頭首の正統な継承者であるソユーズとその母親を迫害し、結果的にソユーズの母は命を落とした
- 島民を恐怖で支配し、反抗する者や秘密に気づいた者を容赦なく石化または殺害した
- 最終的には島全体を石化させるという極端な手段に出た
これらの行為は客観的に見て悪行であり、多くの人を苦しめてきたという点で、イバラは間違いなく悪役です。
ただし、ドクターストーンの優れた点は、イバラのような敵キャラクターにも単なる「悪の権化」ではなく、複雑な人物像や動機を与えていることです。イバラは若い頃は戦士として島に貢献し、小細工と知略で地位を築き上げてきました。また「可愛い子には目がない」という人間的な弱点も持っています。
このように、悪行を働きながらも人間味のある描写がされているため、単純な「悪人」というよりも、複雑な「悪役」として描かれているのがイバラの特徴です。だからこそ、多くのファンの印象に残るキャラクターとなっているのでしょう。
宝島編の後、石化王国はどうなったのでしょうか?
宝島編の後、イバラの支配下にあった石化王国は大きな変革を遂げたと考えられます。主な変化としては以下のようなことが推測されます。
• 名称の変更:「石化王国」という名称は恐らく変更されたでしょう。これはイバラの恐怖政治の象徴であり、ソユーズの新体制ではより平和的な名称が採用されたと思われます。
• 統治体制の変革:イバラが行っていた独裁政治は終結し、ソユーズを中心とした新たな統治体制が確立されたでしょう。かつての偽りの「頭首」ではなく、正統な後継者による本物の統治が始まりました。
• 科学技術の導入:千空たちから学んだ科学知識や技術が島の発展に活かされたと考えられます。石化装置を恐怖の道具ではなく、必要に応じて島民を復活させるための手段として使用する方向に変わったでしょう。
• キリサメやアマリリスの役割変化:かつてイバラに従っていたキリサメやアマリリスも、新体制の中で重要な役割を担うようになったと考えられます。彼らの能力や知識は、宝島の発展に不可欠だったはずです。
【ドクターストーン】イバラのその後はどうなる?まとめ

ドクターストーンの宝島編に登場する印象的な敵キャラクター・イバラについて、その特徴から最後の戦い、そしてその後の可能性まで詳しく見てきました。ここで記事全体のポイントをまとめておきましょう。
イバラは石化王国の宰相として宝島を支配していた人物で、実際には頭首を石化させて傀儡政治を行っていました。彼は慎重で狡猾な性格の持ち主であり、長年にわたって島民を恐怖で支配してきました。千空たちが宝島に到着したことで、彼の支配体制は初めて本格的な危機を迎えることになります。
最終決戦では、イバラは島全体を石化させるという大胆な作戦を実行しますが、千空だけが生き残り、龍水の助けを借りながら反撃に出ます。知略と戦略で千空に対抗し続けたイバラでしたが、最終的には千空のインカムを使った策略にはまり、自らが恐れていた石化装置によって石化されてしまいました。
イバラのその後については、原作でも明確には描かれていません。ソユーズは「島民を全員復活させる」と約束していますが、これにイバラが含まれるのかは不明です。ドクターストーンの根本的なテーマが「全人類の石化からの復活」であることを考えると、理論的には悪人であってもいずれは復活させられる可能性はあります。しかし、南米編終了時点でもイバラの復活については触れられておらず、物語の焦点がより大きな敵(ホワイマン)との対決に移っていることから、イバラの物語は一旦完結したと考えるのが自然でしょう。
イバラは単なる「悪の権化」ではなく、複雑な背景と動機を持ち、高い知性と戦略で千空たちを追い詰める、印象的な敵キャラクターとして描かれています。そのキャラクター性の深さが、多くのファンの記憶に残る理由となっているのです。
最終的に、イバラの物語は「自分が賢いと思っている奴ほどハメられる」という千空の言葉に集約されるかもしれません。自らの知略と経験を過信したイバラが、自分が振るってきた恐怖の道具(石化装置)によって石化されるという因果応報的な結末は、ドクターストーンの世界観に見事に溶け込んでいます。
イバラというキャラクターを通して、ドクターストーンは科学の力と知恵の大切さ、そして人間の可能性と絆の強さを改めて描き出していると言えるでしょう。彼の石化された姿は、過去の間違いを乗り越え、新たな未来へと進んでいく物語の象徴的な一コマとなっているのです。