2020年に公開された映画「事故物件 恐い間取り」は、興行収入23.4億円という記録的な大ヒットを記録した一方で、多くの観客から「ひどい」という厳しい評価を受けています。亀梨和也主演で話題となったこの作品は、なぜこれほど評価が分かれるのでしょうか。
最終章の幽霊大集結シーンの安っぽさ、突然の陰陽師バトル展開、各事故物件の掘り下げ不足など、批判される理由は明確に存在します。しかし一方で、実話ベースの緊張感や中田秀夫監督による正統派Jホラー演出を評価する声も少なくありません。
2025年7月25日にはSnow Man渡辺翔太主演の続編「事故物件ゾク 恐い間取り」が公開予定。前作の批判を受けてどのような改善が図られるのか、今から注目が集まっています。本記事では、なぜ「事故物件の映画がひどい」と言われるのか、その7つの決定的理由を徹底検証します。
映画「事故物件」の基本情報と大ヒットの背景

2020年8月28日に公開された映画「事故物件 恐い間取り」は、亀梨和也主演で21世紀(2001年以降)に公開された邦画ホラー作品として最大の大ヒットとなる興行収入23.4億円を記録しました。この驚異的な成功の背景には、実話をベースにしたリアリティと、コロナ禍での映画館復活への渇望が重なった結果があります。
興行収入23.4億円を記録した社会現象級作品
邦画ホラー作品としては、いまだにその記録は破られていない大ヒットを記録し、社会現象を巻き起こしました。この記録的な成功は、単なる映画の枠を超えて、日本のホラー映画界に新たな可能性を示したのです。
週末動員ランキング1位を獲得し、公開2日間で26万人を動員した勢いは、まさに映画界の話題の中心となりました。コロナ禍で映画館への足が遠のいていた観客たちが、久しぶりに映画館で味わう恐怖体験を求めて劇場に足を運んだのです。
松原タニシの実体験を基にした実話ベース映画
原作は、松⽵芸能所属の”事故物件住みます芸⼈”・松原タニシによるノンフィクション書籍「事故物件怪談 恐い間取り」シリーズです。売れない芸人だった松原タニシが、2012年に松竹芸能の先輩である北野誠が出演するテレビ番組「北野誠のおまえら行くな。〜ボクらは心霊探偵団 GEAR 2nd〜」の企画で幽霊が出るといわれている事故物件に住む事になりました。
その際に数々の不可思議な現象を体験したので企画終了後も賃貸契約の更新時期がくると別の事故物件に引っ越し続けているという、まさに現実離れした実体験が物語の核となっています。現在は「事故物件住みます芸人」として近年24軒目の事故物件に住み、YouTubeなどで活躍する松原タニシ。
この実話ベースという要素が、従来のフィクションホラーとは一線を画す独特な緊張感を生み出し、「自分も知らずに事故物件に住んでいるかもしれない」という身近な恐怖を観客に与えました。
中田秀夫監督×亀梨和也主演の話題性
『事故物件 恐い間取り』に引き続きメガホンをとるのは、『リング』(98)で日本映画界のホラーブームを牽引しハリウッドへも進出、その後も数々のヒット作・話題作を生み出し続けるホラー映画の名手・中田秀夫。Jホラーの巨匠として知られる中田監督が、KAT-TUNの亀梨和也という人気アイドルを主演に起用した組み合わせは、映画ファンとアイドルファンの両方から注目を集めました。
「事故物件住みます芸人」として、実際に9軒の事故物件に住んだ芸人・松原タニシの実体験を記したノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」を亀梨和也主演で映画化。この異色のキャスティングは、従来のホラー映画の枠を超えた新たな観客層の開拓につながりました。
しかし、この話題性こそが後に「ひどい」と言われる理由の一つにもなっていくのです。亀梨和也の持つアイドル性と、リアルな事故物件芸人との間に生まれたギャップが、作品の評価を二分することになりました。
事故物件映画がひどいと言われる7つの決定的理由
興行収入23.4億円という記録的な成功を収めた映画「事故物件 恐い間取り」ですが、一方で多くの観客から「ひどい」という厳しい評価を受けているのも事実です。大ヒットと批判が同時に存在するこの現象の背景には、明確な理由があります。
最終章の幽霊大集結シーンがお化け屋敷レベル
映画の最終章で展開される幽霊大集結シーンは、多くの観客から「お化け屋敷レベル」と酷評されています。これまでの事故物件で出会った幽霊たちが一堂に会して主人公を襲うという展開は、確かに視覚的なインパクトはありますが、問題はその質です。
「序盤からハッキリクッキリ登場する幽霊達の恐怖演出に苦笑い」「全然怖くない。お化け屋敷のクオリティ」という観客の声が示すように、映像技術の限界が露呈してしまいました。特に複数の幽霊が同時に登場するシーンでは、個々の幽霊の存在感が薄れ、まるで遊園地のアトラクションのような安っぽさが際立っています。
Jホラーの伝統的な「見えそうで見えない」「暗闇に潜む恐怖」という手法を放棄し、派手な演出に走った結果、かえって恐怖感を削いでしまったのです。
突然の陰陽師バトル展開でジャンル完全迷走
映画の中盤から終盤にかけて、突如として陰陽師バトルのような展開が始まります。これは観客にとって最も困惑する要素の一つでした。
「なんか途中から異能力バトルみたいになっててわらっちゃった」「そんであの、唐突な陰陽師バトルみたいなやつ何なの」という観客の声が物語っているように、ホラー映画から突然ファンタジーバトル映画にジャンルが変わってしまいます。
主人公が線香の束を手に取り、フード姿の謎の敵と戦うシーンは、まさに「日曜朝7時か8時の戦隊ものの戦い」のようでした。これまで積み重ねてきた現実感のある恐怖が、一気に薄れてしまう決定的な瞬間です。
「暗黒卿に対して、どこで売ってるん?ってぶっと大きな線香の束の火の粉で戦う姿は日曜朝7時か8時の戦隊ものの戦いにも見えてびっくりした」という観客の感想は、この展開の唐突さと違和感を的確に表現しています。
各事故物件の掘り下げ不足で解決編なし
映画では主人公が4軒の事故物件を転々としますが、それぞれの物件で起きた事件の背景や、そこに住む霊の動機などが十分に掘り下げられていません。
「ストーリーの完成度が低い」「一件ずつの内容が薄くて解決なしに次の物件に進むが繰り返され、ちょっと途中から白けてしまった」という指摘は、この問題の核心を突いています。
各事故物件には必ず悲劇的な過去があり、そこに住む霊たちにもそれぞれの物語があるはずです。しかし映画では、それらの背景を深く探ることなく、表面的な恐怖演出に終始してしまいました。観客は「なぜその霊がそこにいるのか」「何を求めているのか」といった根本的な疑問を抱えたまま、次の物件に連れて行かれてしまいます。
恋愛要素とホラー要素の中途半端な混在
主人公ヤマメとヒロインの小坂梓との恋愛要素が、ホラー要素と上手く融合していないことも批判の対象となっています。
「ヒロインの女の子が、ちょっとホラー映画には違和感あり。可愛くて怖さに欠けるし、主人公との関係が中高生の恋愛ぽくて」という観客の声は、この問題を的確に指摘しています。
ホラー映画において恋愛要素は重要な要素の一つですが、それが恐怖を高めるためのものではなく、単なる息抜きや客寄せパンダのような扱いになってしまっています。特に、恐怖のクライマックスで恋愛要素が突然前面に出てくると、観客の集中力が散漫になり、作品全体の統一感が損なわれてしまいます。
安っぽい特効演出と予測可能な展開
映画全体を通して、特殊効果や演出が安っぽく感じられるという指摘も多く見られます。
「前半なんとか観れたけど、中だるみがひどい。ラストのチープさもひどい笑」「何を観させられてるんだろうと、ふと我に返り苦笑い」という観客の感想は、この問題の深刻さを物語っています。
特に問題なのは、恐怖演出のパターンが読めてしまうことです。「急にバッと幽霊が現れるタイプ」という指摘の通り、驚かせるタイミングが予測できてしまい、本来の恐怖効果が半減してしまいます。
テレビドラマ的演出で映画としての迫力不足
中田秀夫監督の過去作品と比較して、映画としての格調や迫力が不足していると感じる観客も多くいます。
「人物の感情はみんな台詞で語っちゃう」「感情的になるシーンは、とりあえず怒鳴り合い、叫び合い」という指摘は、映画の演出がテレビドラマ的な手法に頼りすぎていることを示しています。
「『映画』っていう感じじゃなくて、『テレビドラマ』って感じ」という観客の声が示すように、大画面での映画体験に求められる没入感や臨場感が不足しているのです。これは、デートムービーとしての親しみやすさを狙った結果かもしれませんが、映画ファンからは物足りなさを指摘されています。
亀梨和也の芸人役に感じる違和感
主演の亀梨和也が演じる売れない芸人役についても、多くの観客から違和感を指摘されています。
「亀梨さんじゃカッコ良すぎるでしょ」「亀梨さんじゃない、もっと平凡な人もってきた方が、リアルっぽくてよかったかも」という声は、キャスティングの問題点を浮き彫りにしています。
実際の松原タニシと亀梨和也の間には、見た目や雰囲気に大きなギャップがあり、「事故物件住みます芸人」というリアルな設定にアイドル的な華やかさが合わないという問題があります。「ホラーなのかコメディーなのかよくわからない映画だった とりあえずまず亀梨和也が芸人っぽくないし方言も違和感があって」という観客の感想は、この違和感を端的に表現しています。
これらの要因が重なり合って、興行的には成功したものの、作品としての評価は厳しいものとなってしまったのです。
一方で映画「事故物件」を高く評価する観客の声

厳しい批判がある一方で、映画「事故物件 恐い間取り」を高く評価する観客も確実に存在します。興行収入23.4億円という記録的な成功は、単なる話題性だけでは説明できません。この映画を支持する観客たちには、明確な理由と価値観があります。
実話ベース特有の緊張感を評価する層
実際に松原タニシが体験した出来事を基にしているという事実が、フィクションのホラー映画にはない独特の緊張感を生み出していると評価する観客は多くいます。
「世間一般の評価は良くないようですが、自分は結構好きです。映画館で観たときも、今回も楽しませてもらいました。一応、実話なんですよね」という観客の声は、この実話ベースの価値を認めています。
実際に起きた出来事だからこそ感じられる生々しさや、「自分も知らずに事故物件に住んでいるかもしれない」という身近な恐怖は、従来のホラー映画では味わえない体験です。映画の中で使用されているセットも、実際の松原タニシが住んでいた家に合わせて作られており、このリアリティへのこだわりを評価する声も聞かれます。
正統派Jホラー演出を支持する映画ファン
中田秀夫監督による正統派のJホラー演出を支持する映画ファンも多く存在します。
「この”事故物件”の嫌な感じの撮り方はさすが中田監督といったところで。これぞJホラー!といった、奥の暗闇に目がいくように設計された画面とか、不自然な位置からの撮影とか、嫌な予感の演出が見事でした」という評価は、中田監督の演出技術の高さを認めています。
特に前半部分のJホラー的な演出については、「特に良いなと思ったのは1軒目の赤い女と2軒目の設定。1軒目の赤い女のJホラー感はもちろんなのですが、これが明るいところで、はっきり見えてもちゃんと気持ち悪く見えるというのはすごくよかった」という具体的な評価もあります。
エンターテインメント性を純粋に楽しむ観客
映画を純粋なエンターテインメントとして楽しむ観客層からは、高い評価を得ています。
「結構批判されてるけど私は好きでした笑 役者さんが良いのもあるかも 傘で避けるのはさすがに笑った」という観客の声は、映画のコメディ要素やエンターテインメント性を評価しています。
「怖さを求めてるひとにはおすすめしない。終始ギャグみたいな感じで爆笑。ホラー苦手な人でも楽しめるレベルで面白い。ギャグ映画と少しのホラーをお求めてる人には」という評価も、映画の多面的な魅力を示しています。
また、「実は、幼少の頃からも怖いもの大好きで、『あなたの知らない世界』とか『Gメン75』等でやる真夏の恐怖シリーズもよく見てました」という観客は、懐かしい日本のホラー番組との共通点を見出し、ノスタルジックな楽しみ方をしています。
さらに注目すべきは、江口のりこの演技への絶賛です。「江口のりこの不動産社員が最高にロックでポップでイケイケで姉御だった。こんな感じで物件紹介してくれたら事故物件も住みたくなってくる。すご腕営業マンだな」という評価は、映画の中の個性的なキャラクターたちの魅力を認めています。
これらの肯定的な評価を見ると、映画「事故物件 恐い間取り」は、観客の求めるものや期待値によって全く異なる評価を受ける作品であることが分かります。重厚なホラー体験を求める観客には物足りなくても、気軽なエンターテインメントを求める観客には十分に楽しめる作品として機能しているのです。
続編「事故物件ゾク 恐い間取り」で期待される改善点

2025年7月25日に公開される続編「事故物件ゾク 恐い間取り」では、Snow Man渡辺翔太が主演を務め、前作の批判を受けた様々な改善が期待されています。中田秀夫監督が続投する中で、前作の問題点をどう克服するかが注目されています。
渡辺翔太主演による新たなアプローチ
前作で最も批判された点の一つである「亀梨和也の芸人役への違和感」について、Snow Man渡辺翔太を主演に迎えた新作では、映画単独初主演作となる渡辺が、事故物件住みますタレントの主人公・桑田ヤヒロ役を演じます。
タレントになる夢を諦めきれず福岡から上京し、「事故物件住みますタレント」として活動を始めることになった桑田ヤヒロ。この設定は、前作の大阪芸人設定とは異なり、より現代的で親しみやすいキャラクター造形となっています。
渡辺翔太の持つ自然体の演技スタイルと、Snow Manメンバーとしての若い世代への訴求力は、前作で指摘された「カッコ良すぎる」問題を解決する可能性があります。また、「優しく人一倍憑りつかれやすい体質」という設定により、より感情移入しやすいキャラクターになることが期待されています。
前作批判を受けて強化された演出面
前作で「お化け屋敷レベル」「テレビドラマ的」と批判された演出面についても、大幅な改善が期待されています。
【必ず憑りつかれる部屋】【いわくつきの古い旅館】【降霊するシェアハウス】という新たな事故物件の設定は、前作よりもバリエーションに富んでおり、それぞれに独特の恐怖体験を提供することが予想されます。
特に「降霊するシェアハウス」という現代的な設定は、従来の事故物件の概念を拡張し、より現代の観客に身近な恐怖を提供する可能性があります。前作で問題となった「各事故物件の掘り下げ不足」についても、より丁寧な物語構築が期待されています。
松原タニシ自身も「5年の間に僕の事故物件生活は10軒から20軒になりました。事故物件の数だけ終わりがあり、始まりがあり、そこに住む人の人生がある」とコメントしており、より深い物語性を持った作品になることが示唆されています。
2025年7月25日公開で再び注目を集める理由
続編の公開タイミングも戦略的に選ばれています。夏休み映画として、前作の成功を受けて多くの観客が映画館に足を運ぶことが予想されます。
この夏、シリーズ史上最恐の事故物件の怪奇に挑む、ホラーエンターテイメントがまたやってくる!という宣伝文句が示すように、前作を超える恐怖体験を提供することが約束されています。
また、前作の批判を受けて制作された本作では、「突然の陰陽師バトル展開」のような唐突なジャンル転換を避け、より一貫したホラー体験を提供することが期待されています。
ヤヒロと花鈴が部屋で過ごしていると花鈴に怪異が降りかかる……という恋愛要素とホラー要素の融合についても、前作よりも自然で効果的な演出が期待されています。
さらに、優しすぎて人一倍憑りつかれやすい主人公に想像を絶する怪奇が襲うという設定は、前作で不足していた主人公の内面的な恐怖体験を強化し、より深い恐怖を提供する可能性があります。
続編では、前作の商業的成功を踏まえながら、批判された点を改善し、より完成度の高いホラー映画として生まれ変わることが期待されています。特に、実話ベースの強みを活かしながら、映画としての完成度を高めることができれば、前作を超える評価を獲得する可能性は十分にあります。
映画「事故物件」を最大限楽しむための視聴ガイド

映画「事故物件 恐い間取り」への評価が二分される理由の多くは、観客の期待値と実際の作品内容のミスマッチにあります。適切な心構えで鑑賞すれば、23.4億円のヒットを記録した本作の魅力を十分に堪能することができます。
ホラー映画としての期待値を適切に調整する
まず重要なのは、この映画を「正統派ホラー」として期待しすぎないことです。「重厚なホラー体験を求める観客には物足りなくても、気軽なエンターテインメントを求める観客には十分に楽しめる作品として機能している」という評価が示すように、作品の性格を正しく理解することが重要です。
- エンターテインメント重視: 深刻な恐怖体験ではなく、軽快な恐怖演出を楽しむ
- コメディ要素の受容: ホラー一辺倒ではなく、笑える要素も含まれることを理解する
- 視覚的な演出優先: 心理的恐怖よりも、分かりやすい視覚的演出を楽しむ
「怖さを求めてるひとにはおすすめしない。終始ギャグみたいな感じで爆笑。ホラー苦手な人でも楽しめるレベルで面白い」という観客の評価を参考に、ライトホラー作品として楽しむのが最適なアプローチです。
実話ベース作品の表現限界を理解する
実話をベースにした作品には、フィクション作品とは異なる制約があることを理解しておくことが大切です。
「実話ということなんで、ドぎついグロさは無いですね。その分、ゾクゾクってするところは多々あります」という観客の感想が示すように、実話ベースの作品は極端な演出に頼ることができません。
- 現実的な制約: 実際に起きた出来事の範囲内での演出
- 道徳的配慮: 実在の事件への配慮から、過激な描写の制限
- 体験者への敬意: 松原タニシの実体験への尊重
これらの制約を理解した上で鑑賞すれば、「実話だからこそ感じられる身近な恐怖」という独特の魅力を味わうことができます。
エンターテインメントとして割り切る
映画を純粋なエンターテインメントとして楽しむ観客からは高い評価を得ているという事実を踏まえ、作品分析よりも楽しさを重視する姿勢が重要です。
「江口のりこの不動産社員が最高にロックでポップでイケイケで姉御だった。こんな感じで物件紹介してくれたら事故物件も住みたくなってくる」という評価のように、個性的なキャラクターたちの魅力に注目することで、より豊かな鑑賞体験が得られます。
- キャラクターの魅力: 江口のりこをはじめとする個性的な出演者の演技を楽しむ
- 突っ込みどころを楽しむ: 「傘で避けるのはさすがに笑った」といった突っ込みどころを楽しむ
- 映画館体験の価値: 大画面と音響設備で味わう恐怖演出の迫力
「映画館でこれを観れてすごく満足しました」という観客の声が示すように、映画館での鑑賞体験そのものを楽しむことも重要な要素です。
最終的に、この映画は「デートムービーとしての親しみやすさを狙った結果」として制作されており、気軽に楽しめるホラーエンターテインメントとして鑑賞することで、最大限の満足を得ることができるでしょう。
批判的な評価に惑わされることなく、エンターテインメント作品として純粋に楽しむことが、この映画の正しい楽しみ方なのです。
事故物件映画に関するよくある質問

映画「事故物件 恐い間取り」について、観客からよく寄せられる疑問にお答えします。実話ベースの作品だからこそ生まれる疑問や、続編への期待について詳しく解説します。
映画の内容は本当に実話通りなのか?
映画は松原タニシの実体験を基にしていますが、映画化にあたって大幅な脚色が加えられています。基本的な経緯(売れない芸人が番組企画で事故物件に住むようになる)は実話と同じですが、ストーリーの詳細はフィクションです。
- 外見: 亀梨和也は実際の松原タニシよりもかなりカッコいい
- 性格設定: 映画では恋愛要素が追加されている
- 恐怖体験: 映画では視覚的にインパクトのある演出に変更
「実話ということなんで、ドぎついグロさは無い」という特徴は保たれていますが、「松原タニシのリアルな心霊体験の誇張バージョンが映画」という表現が的確です。
続編は前作より面白くなるのか?
2025年7月25日公開の「事故物件ゾク 恐い間取り」では、前作の批判を受けた改善が期待されています。Snow Man渡辺翔太の主演により、より自然な芸人役の演技が期待できます。
- キャスティング: 渡辺翔太によるより説得力のある芸人役
- 物件設定: 「降霊するシェアハウス」など現代的で多様な設定
- 演出面: 前作の「陰陽師バトル」のような唐突な展開の回避
中田秀夫監督の続投により、Jホラーとしての基本的な演出力は保たれつつ、前作の問題点が解決される可能性が高いです。
実際に事故物件に住むとどうなるのか?
松原タニシは現在24軒目の事故物件に住んでおり、その体験は書籍「事故物件怪談 恐い間取り」シリーズで詳しく読むことができます。現実の事故物件生活は映画よりもはるかに地味で、日常的な出来事の中に不可思議な現象が混じるという特徴があります。
実際の事故物件体験の特徴は、劇的な出来事よりも「気配を感じる」「音が聞こえる」といった微細な変化が中心で、映画のような派手な現象は稀だということです。しかし、それだからこそ「本当にあった話」としての説得力があるのです。
「事故物件の映画がひどい」と言われる理由まとめ

映画「事故物件 恐い間取り」が「ひどい」と言われる理由を分析した結果、作品の根本的な性格とターゲット層の設定に起因する問題が浮き彫りになりました。興行収入23.4億円という記録的成功と厳しい批判が同時に存在するこの現象は、現代の映画業界が抱える課題を象徴しています。
最大の問題は、本格的なホラー映画を期待する観客と、気軽なエンターテインメントを求める観客の間に大きなギャップが存在することです。後半の「陰陽師バトル」展開や「お化け屋敷レベル」の演出、亀梨和也の芸人役への違和感など、批判された要素の多くは、デートムービーとしての親しみやすさを狙った結果として生まれました。
しかし、実話ベースの強みや中田秀夫監督による正統派Jホラー演出、個性的なキャストの魅力など、評価されるべき点も確実に存在します。特に江口のりこの怪演や、実際の事故物件を再現したセットなど、細部へのこだわりは高く評価されています。
2025年7月25日公開の続編「事故物件ゾク 恐い間取り」では、前作の批判を受けた改善が期待されており、Snow Man渡辺翔太の主演により新たな可能性が開かれています。
結論として、この映画は観客の期待値と作品の性格を正しく理解することで、十分に楽しめる作品です。重厚なホラー体験を求める観客には向かないものの、気軽なエンターテインメントとして鑑賞すれば、23.4億円のヒットを記録した理由を理解できるでしょう。
映画の評価は観客の求めるものによって大きく左右されます。「ひどい」という評価も「面白い」という評価も、それぞれ正当な感想として受け入れ、自分なりの楽しみ方を見つけることが重要です。